嗚呼、クラッチの負担を思うと泣けてくる……。
YouTube等のメディアを駆使してなにかと話題をしかけてくるボルボ・トラックが大きなチャレンジをするそうです。
それは、トラックを使って300mの長さにまでつなげられた貨物車を引っぱるというもの。それぞれの荷台には2つのコンテナが載せられています。引っぱるのはボルボFH16というトラックです。
『世界最強の男が世界最強のトラックを運転する』という企画で、運転するのはマグナス・サミュエルソンという人物。まぁ、知らないひとが多いと思うので、あまり気にしなくていいと思います。スウェーデン人で数々の力比べコンテストなどで優勝した身長2mの大男だそうです。
問題はトラックですよ! それも、問題はクラッチなんです。
このFH16は、I-ShiftとかいうデュアルクラッチのATを搭載しています。止まっている状態で、強大なトルクがあるエンジンで、大変な重量物を引っぱろうとクラッチをつなげるとどうなると思いますか? ヘタすると、クラッチ板表面の摩擦材が、摩擦力に耐えられなくて滑っちゃうんです。
つまり壊れちゃうってわけです。
でもボルボ・トラックは壊れないという勝算があるのでしょう。なぜなら、これはI-Shiftの新しい機構「クローラー・ギヤ」を搭載しているからです。このギヤボックスは、2つの歯車を追加したことで、ギヤ比をすごく下げることが可能になったのです。
これは、時速0.5キロで走行できるほど低いギヤ比で、それによって、325トンの荷物を静止状態から引っぱって動かすことができるようになったというんですね。
で、運転するのはただの怪力男マグナス・サミュエルソン。べつにトラックの運転に慣れているわけじゃありません。そこもミソです。まぁATだから当たり前なんですが、誰がやっても、この難しいスタートができることを証明したいわけです。
といっても、現在公開されているのはその予告動画。本番は4月12日現地時間の10:00(日本時間の17:00)公開のようです。
それにしても300mの貨物というのはド迫力。まずは次のページでその予告動画をどうぞ。