フォルクワーゲン「ゴルフ・トゥーラン」のライバルは?

現行C4ピカソが最新のプラットフォームに変わったため、先代C4ピカソの兄弟車といえるプジョー5008は、フォルクワーゲンが意識したのか分かりませんが、全長4530×全幅1840×全高1645mmと新型トゥーランと非常に近いサイズ。価格帯は330万5000円〜362万1000円となっています。

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グランドC4ピカソ、プジョー5008ともにゴルフ・トゥーランよりも高めですが、十分に競合するモデルといえそうです。

BMW

BMW2シリーズのグラン ツアラーもボディサイズは近く、全長4565×全幅1800×全高1645mm。価格帯は1.5Lの直列3気筒ガソリンターボ搭載モデルが358万〜411万円、2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボが379万〜432万円、2.0Lの直列4気筒ガソリンターボ車が424万〜452万円。

価格的に競合するのは1.5Lの直列3気筒ガソリンターボ、2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボのエントリーグレードである「218d グラン ツアラー」あたりでしょうか。

サイズを見ると分かるように、いずれも4.6m未満(グランドC4ピカソは大きめ)と比較的コンパクトな全長ですが、ヨーロッパは全幅に寛容なのか1.8m台を超えるモデルが多くなっています。

日本のミニバンで4.6m未満というとマツダ・プレマシーの4585mm、トヨタ・ウイッシュの4590〜4600mmあたりになってきますが、全幅は1695〜1750mmの範囲に収まっています。

プレマシーはどうやら次期モデル登場の期待は薄い模様で、ウイッシュがどうなるか分かりませんが、5ナンバー系のBOXミニバンに人気が集中しているためか、日本のミドルサイズといえるミニバンは以外に品薄になっています。あるいは、トヨタ・シエンタや次期型が気になるホンダ・フリードなどミニ・ミニバンという選択肢になってくるわけです。

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さて、ゴルフ・トゥーランの魅力から見ていくと、まずは走りの良さと18.5km/LというJC08モード燃費の高さが抜きんでています。

最新の安全装備も万全の構えで、レーンキープアシストを中間グレードの「Comfortline」にオプションで追加すれば最新モデルらしい充実ぶりを享受できます。

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シトロエンのグランドC4ピカソは、その大きさの割に1.6Lターボエンジンでも動力性能に不満はなく、インテリアの広々感も広大なフロントスクリーンなど、グラスエリアの広さもあってほかにはない魅力。

個性的なインパネやメーター表示などシトロエンらしい独創的な味わいや、2列目と3列目をフラットに格納すれば最大で2181Lという、かなり広いスペースが出現します。

プジョー5008も広々とした視界、開放感の高いキャビンが魅力で、2列目と3列目、そして助手席もフラットに倒せるなど、7人乗りのスペースユーティリティの高さが魅力。

なお、このクラスのミニバンは、3列目の居住性はやはり緊急用という印象が強いですが、最もきちんとした姿勢で座れるのは最も大きなグランドC4ピカソといえそう。

BMW2シリーズのグラン ツアラーは、FF化されてもBMWらしい走り、とくにハンドリングのよさが印象的で、ディーゼルも設定しているのが強みです。

ただし、サードシートの居住性は、乗降性も含めて最も「厳しい」印象で、完全な非常用と割り切りたいところ。装備では、衝突回避・被害軽減ブレーキに加え、「iDrive ナビゲーション・システム」、LEDヘッドライトなどが標準装備になっているのがポイントです。

居住性で選ぶならグランドC4ピカソ、価格と装備バランスがいいのがゴルフ・トゥーランで、走りやスタイリング、そして1800mmというこのクラスでは抑えられた全幅のBMW2シリーズ・グラン ツアラーも大きな強みがありそう。

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なお、ここで紹介している輸入ミニバンはスライド式ではなくヒンジ式ドアになっていますので、駐車場が狭かったり、小さな子どもがいたりする場合は注意が必要でしょう。

(塚田勝弘)

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この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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