マセラティ初のSUV「レヴァンテ」は今秋にも日本に登場

「レヴァンテ」というモデル名は、地中海の暖かい風からインスピレーションを得て考案されました。地中海に吹くこの風は、穏やかに吹いていたかと思うと一瞬のうちに強まり、抗うことができないほどの強風へと変化することがあり、マセラティ初のSUVの個性と通じるものがある、とされています。

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ちなみに「ギブリ」はアフリカ北部で吹くサハラ砂漠からの熱く乾いた風、「シャマル」は、イラクなどペルシャ湾岸地帯に吹く砂塵を伴った北西の風から命名されていて、フォルクワーゲンもゴルフやシロッコやジェッタなど「風」由来の車名が多く、ヨーロッパの人は風が好きなのでしょうか。

さて、イタリア生まれらしくセクシーな外観は、5代目のクアトロポルテが4ドアサルーンに大きな旋風を巻き起こしたように、この「レヴァンテ」が強敵ひしめくSUVで存在感を発揮できるか興味深いところ。

「レヴァンテ」は、クアトロポルテとギブリの基本構造をベースに設計され、サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーンで、リヤはマルチリンクを採用し、どちらにも電子制御式のダンパーが用意されています。

また、ダイナミック制御によって車高を5段階に切り替えることが可能(パーキング用のポジションとして別途1段を用意)。

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さらに、このクラスの車両の中では重心位置が最も低いうえに、前後の重量バランスも「50:50」という完璧な配分を実現しているそうです。

また、ねじれ剛性と曲げ剛性も優れたレベルに達していて、機械式のセルフロック式リヤディファレンシャルも標準装備。

エンジンは、350psもしくは430psの3.0L V型6気筒ツインターボガソリンエンジンのほか、275psの最高出力を誇る3.0L V型6気筒ディーゼルターボエンジンも用意されています。

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すべてのエンジンは「Q4(AWDシステム)」と組み合わされていて、前後のアクスルに対しては必要な駆動トルクを瞬時に伝達させることが可能。

トランスミッションは8速ATで、燃費向上と環境に配慮したスタート&ストップシステムも組み込まれています。

最高出力430 psの「レヴァンテS」は、0-100km/h加速で5.2秒のタイムをたたき出すほか、最高速度も264km/hに達します。また、NEDCサイクルでの複合燃費およびCO2排出量は、それぞれ10.9/100km、253g/km。

最高出力350psの「レヴァンテ」は、0-100km/h加速のタイムが6.0秒。最高速度は251 km/hを達成。複合燃費とCO2排出量は、それぞれ10.7/100 km、249 g/kmとなっています。

さらにディーゼルエンジン搭載の「レヴァンテ」(最高出力275 ps)は、0-100 km/h加速が6.9秒で、最高速度は230 km/h。複合燃費とCO2排出量については、それぞれ7.2/100 km、189g/kmとなっています。

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安全面では、オートマチックスタート&ストップ機能を備えたアダプティブクルーズコントロールのほか、前方衝突警告機能、オートマチックブレーキアシストシステム、車線逸脱警告機能などが搭載されており、死角を監視する機能や車両の周囲を映すカメラや電動テールゲートなどをオプションで追加することも可能。

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「マセラティ・レヴァンテ」の生産が行われているのは、トリノのミラフィオーリ工場で、「レヴァンテ」の生産にあたっては、工場の一部を改装して近代的な設備を誇る専用のエリアとされているそうです。

初期ロットはすでにラインオフしており、今春ヨーロッパ市場に投入された後、その他の市場でも販売される予定です。日本市場への導入は今秋が予定されています。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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