いまではメルセデス・ベンツ、BMWと肩を並べるほどの人気を集めるアウディですが、ひと昔前のモデルを振り返ると、正直なところ人気(と魅力)は今一歩な印象でした。
転機は2005年の三代目「A6」の登場。日本人デザイナーが手掛けたスタイルには、現在販売中のモデルにも繋がる“シングルフレームグリル”が与えられました。
そのほかにも、2つのクラッチをもつデュアルクラッチ機構や、小排気量エンジンにターボを組み合わせて出力と燃費を両立したダウンサイジングエンジン、さらにはLEDを用いた灯火類の個性的な輝きなど、新モデルを送りだす度に技術的な驚きをもたらし、いつしかアウディには“スタイリッシュで先進的”なキャラクターが備わり、今日の人気に到りました。
そんな新世代のアウディのモデルの一部が、実は手が届きやすくなってきているのです。その中から注目のモデルをピックアップしてご紹介いたします。
・TT
カッコイイ……そのひと言に尽きるほど、アウディのスタイリッシュなイメージをその身に纏った「TT」。
曲線で構成されるボディは約70%がアルミニウムで構成されており、剛性は先代から向上。そのほかにも、高速での安定性を確保するために120km/hで自動的にせり上がるリヤスポイラーや、磁性流体を用いてスポーティかつ快適な乗り心地の両立を図ったマグネティックライドを採用するなど、見た目どおりの先進装備が目白押し。スペースは限られますが、2名分の後席と実用レベルの荷室も用意されています。
・A4アバント
先日フルモデルチェンジされ5代目となった「A4」。先代よりも先鋭的なルックスを纏ったボディは超高張力鋼板の使用範囲を拡大して軽量化と高剛性化を達成したほか、メーターにフル液晶を採用した“Audiバーチャルコックピット”を搭載し、その先進性に磨きが掛けられました。
ですが、実は先代にあたる4代目が狙い目。アルミニウムを用いたボディやダウンサイジングエンジン、デュアルクラッチなど、アウディの魅力は十分詰まっています。オススメは実用性の高いステーションワゴンのアバント。
・A5スポーツバック
セダンとステーションワゴンの2タイプを展開する「A4」をベースに、2ドアクーペとして仕立てたのが「A5」です。さらに、乗降性を改善するために後席ドアを用意したのが「A5スポーツバック」。
一周回ってセダンに戻ったように見えますが、流麗なスタイリングに加えて、テールゲートはルーフの頂点からガバッと開くため積載性に優れているのも美点。セダン/ワゴン/クーペの美点を抽出した魅力的な一台です。2010年~2011年のモデルがお手頃。
・A1スポーツバック
全長:3985mm×全幅:1745mm×全高:1440mmのコンパクトなボディで利便性を追求した「A1」。アウディ入門車として2011年に日本への上陸を果たしました。
とはいえ、内外装の仕立てはまさしくアウディのそれであり、随所にプレミアム感を感じさせます。ボディタイプは3ドアと5ドアを展開。乗降性をはじめ乗車定員が5名となる「A1スポーツバック」がオススメです。
・Q3
2012年から日本での販売がスタートしたコンパクトSUVが「Q3」です。コンパクトとはいえ、ボディサイズは全長:4385mm×全幅:1830mm×全高:1615mmと全幅が若干広いため5名乗車でも居住性は十分。
2015年にはマイナーチェンジが行なわれ、内外装デザインとエンジンがリファインされましたが、マイチェン前のモデルでもアウディらしさは健在。4WDシステム“クワトロ”を搭載したモデルは、アウトドアレジャーで活躍してくれることでしょう。
(今 総一郎)