BMWといえば、キドニーグリルと称する自他ともに認めるほど特徴的なデザインアイコンをもつほか、駆け抜ける歓びをコンセプトとしたドライバーとの一体感あふれる乗り味が魅力のブランド。
それ以外にも装備の質感や機能の先進性も魅力であり、例えば最高級モデル「7シリーズ」には車外からリモコンを介して自動駐車する機能が搭載され話題を呼んでいます。
当然ながら、新車は高い。お手頃な「1シリーズ」や「2シリーズアクティブツアラー」を投入したとはいえ、300万円を下回るグレードでは装備や質感が物足りないのが現状。そんなときこそ中古車に目を向けてみてはいかがでしょう?
・1シリーズ
BMWらしいスタイリングと走りを持ちつつ、ちょっとお手頃な価格も実現したモデル。それが「1シリーズ」です。
コンパクトなボディサイズと実用的な居住空間や荷室を確保するには、ボディ前方にエンジンや駆動系をまとめる前輪駆動式を採用するのがお約束ですが、「1シリーズ」は後輪駆動方式を採用。操舵と駆動といった役割が前後でキッチリと分かれているため、走行性能の高さに定評があります。
なかにはシルキーシックスの愛称で有名な直列6気筒エンジンを搭載したグレードも用意されています。6速MTもあり、小柄なボディを活かした俊敏な走りでライバルを凌駕。ただ、その分、スペースユーティリティではライバルに一歩譲る部分もあります。
・3シリーズツーリング
今も昔もBMWの中核はこの「3シリーズ」をおいて他にありません。バブル期の浮かれた空気の中では“六本木カローラ”と揶揄されたそうですが、現在は「1シリーズ」などお手頃モデルを充実させたことと、ライバルの「Cクラス」の内装の高いクオリティを受けて、さらに上級路線へ舵を切り、新車価格は最低でも427万円。
とはいえ、中古車となると話は別。とくに2005~2012年にかけて販売されていた5代目は狙い目。セダンやクーペさらにはカブリオレとボディタイプは多彩ですが、実用性と走りのバランスを考慮するとステーションワゴンのツーリングがオススメです。
・X1
SUVではなくSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)というコンセプトのもと2010年に送り込まれたのが「X1」です。
2015年10月にフルモデルチェンジを果たした2代目では、乗員と荷室の効率を高めるべく前輪駆動方式を採用しましたが、先代モデルでは「3シリーズ」とハードウェアを共有しており、駆動方式は後輪駆動を採用(4WDも用意)。さらに、機械式立体駐車場にも収まる全高(1545mm)をもち、利便性だけでなく、低重心にも貢献しているため、SAVのコンセプト通りに快活な走りを楽しませてくれます。
・Z4
1989年に登場した「ユーノス・ロードスター」をきっかけにライトウェイトスポーツカーが白熱、欧州プレミアムブランドも参戦し、BMWは「Z3」を発売しました。「Z4」はその後継となるモデルです。
「Z4」の魅力として、オープンエアの爽快感が加わった気持ちのよい走りも挙げられますが、やはりまず目を引くのはルックスでしょう。2人乗りということから居住空間と荷室を必要以上に取る必要もなく、その分フロントを長くしたことで、流麗なスタイルを獲得。その独特なデザインは、いまなお新鮮な印象を抱かせます。
2006年4月にはマイナーチェンジが行われ、ルーフの電動開閉機構が全車に標準装備され、より手軽にオープンエアを楽しめるようになっています。
・3シリーズクーペ
現行の「3シリーズ」をベースとした2ドアクーペおよびカブリオレは「4シリーズ」の名を関する独立モデルとして販売されていますが、2005年~2012年にかけて販売されていた5代目「3シリーズ」では「3シリーズクーペ」と「3シリーズカブリオレ」という派生モデルでした。
2ドアということから乗降性では一歩譲りますが、スタイルや走りにBMWらしさを感じさせるのがポイント。ちなみにクーペはカブリオレよりもルーフからボディ後端への流麗なラインが強いです。アグレッシブなブランドイメージにピッタリあてはまる若者にこそオススメの1台です。
(今 総一郎)