ボルボV60 Cross Countryは、背の高さを感じさせない切れ味と安定性のある走りを両立

最初に試乗したFF+クリーンディーゼルエンジンモデルの「V60 Cross Country D4 SE」は、オールシーズンタイヤを装着していることもあって、細かな凹凸まで伝えてくるなど、乗り心地がもう少し洗練されていれば、と思わされますが、決定的なマイナスポイントとはいえません。

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意外だったのが、箱根ターンパイクを走らせたときで、200mmのロードクリアランスで全高も高くなっているのにコーナリング時のロールが思いのほか抑えられていて、どんなコーナーでも自在にトレースできるハンドリングのよさ。

しかも、トルクフルな2.0Lディーゼルターボエンジンは、中低速域のトルク感だけでなく、公道ならほとんど不足を抱かせないパンチ力まで披露してくれますから、スポーツワゴンに近いテイストを味合わせてくれます。

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8ATのスムーズな変速に加えて、「スポーツモード」に入れると速さが増すだけでなく、パドルシフトで容易に変速が可能ですから、走りも十分に楽しめるモデルに仕上がっています。

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普通に流れに乗って走る分には省燃費モードの「ECO+モード」でも十分ですから普段は燃費重視、いざという時に「スポーツモード」で楽しめばシーンを問わず頼もしい相棒になってくれそう。

居住性や積載性など、実用上はワゴンのV60でも何ら不足はないでしょうが、スキーや林道などを安心して走破したいというニーズに応えてくれるのがV60 Cross Countryといえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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