マツダの新世代AWDは、FFより燃費がいいってホント?

しかし、マツダのこだわりはそれだけではありません。

他メーカーのクルマに比べて、FF車に対する4WD車の燃費の落ち込みが少ないのも自慢なんです。その理由は4WDユニットの小型軽量化という物理的条件だけでなく、エネルギー損失の最小化も大きな要因。グリップする路面ではFFのほうが駆動系のエネルギー損失が少ないので4WDより燃費がいいのですが、滑りやすい路面では逆にスリップによる損失が少ないぶんだけ4WDのほうが燃費がよくなります。

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そこでマツダは、路面状況に応じた制御を綿密におこなうことで、安定性を高めつつ燃費も低下させない4WDを目指しました。さすがにモード燃費やグリップのいい路面ではFF車に劣ります(とはいえ前述のとおり他社に比べると落ち込みは少ない)が、雪道まで含めた実用燃費では時にはFF車を超える燃費を生み出せるというわけです。

ちなみに今回の試乗では、一般道で舗装路も雪道も走ったアテンザ・ディーゼルの燃費が車載の平均燃費計で14.4km/Lを示していました。撮影のため加減速を繰り返したりと燃費には悪い条件だったのですがこの実力。4WDは燃費が悪いと決め付けている人は、そろそろ考えを改めてもいい時期みたいですよ。

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(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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