ヴォクシー/ノアとエスクァイアの外観の違いを簡単に紹介すると、前者には全幅が1730mmになるエアロボディがあり、後者には5ナンバーボディしかありません。
クラウンばりの大型フロントグリルが自慢のエスクァイアに、エアロボディがないのは誰しも不思議に思うはずで、ヴォクシー/ノアでもチーフエンジニアを務めた水澗英紀氏によると、エスクァイアは「ワンボディで行くなら5ナンバーで」という決断があったそうです。
エスクァイアは内・外装や価格設定、販売チャネルからも分かるように高級指向。
高級化するには主に「装備」、「走行性能」、「デザイン」で違いを出すとのお考えで、全部やるのもいいけど、アルファード/ヴェルファイアに近づくのではなく、価格を抑えやすい「デザイン」で勝負するという決断だったようです。
「デザイン」で勝負するならなおさらエアロボディが欲しくなりますが、エスクァイアの立場をハッキリする──。
つまり、ヴォクシー/ノアの基本的な価値である「5ナンバーミニバン」で高級化を図る、というのが狙いと考えればよさそうです。
それでも迫力のある外観が欲しい方はいると思いますが、用品が用意されていますから、好みに応じて選択することは可能です。
さて、エスクァイアの特徴である大型フロントグリルですが、水澗主査と一緒にお話を伺えたトヨタ車体のデザイン部デザイン室室長の舟越友彦氏によると、ヘッドランプとバンパーはノアと同じ。
「背を高くするとそれに合わせた顔の大きさが必要」とのことで、エスクァイアで注力したのは、「顔を厚くすること」。さらに、ショートノーズのエスクァイアは、「デザインしろ」が少なく制約もあったとのこと。
水澗主査によると、5ナンバーミニバンといえども「広さ」と「広く見えること」を重要視するユーザーが多いそうで、とくにエスクァイアではリヤのガーニッシュ部をブラックアウトすることでリヤウインドウとの一体感を演出し、より「広く見える」工夫も。
そのほか、サイドのベルトモールのステンレス化やメッキのアウタードアハンドルなどを採用することで高級化の演出が図られています。
(塚田勝弘)