1980年代は、ひと癖もふた癖もありそうに見えるF1ドライバーが何人もいました。アイルトン・セナが不世出の天才であれば、アラン・プロストは理論派でしょうか。ネルソン・ピケは、セナ、プロスト、ナイジェル・マンセルの「四天王」の中ではやや地味な印象もありますが、勝つところはしっかり勝ちきるという勝負強さがありました。
圧倒的な速さと、ときに強引なまでの力業のドライビングスタイルが異彩を放っていたのがナイジェル・マンセルで、その印象の割に1992年の1年しかワールドチャンピオンに輝いていない……。
1986年と87年にタイトル争いを展開しながらチャンピオンになれず、「無冠の帝王」と呼ばれていたのを思い起こさせます。
しかし、1992年はモナコGPでアイルトン・セナとF1最高のバトルといわれる死闘を繰り広げ、日本グランプリ前にチャンピオンを決めています。
さらに、翌年にはアメリカのCARTシリーズに活躍の場を移し、初参戦でチャンピオンを獲得。F1、CARTにおいて2年連続でチャンピオンに輝いたのはマンセルだけ。
1994年にはF1にスポット参戦で復帰し、唯一となる日本グランプリでの完走を果たして4位に入賞しています。
そのナイジェル・マンセル氏が20年ぶりに今年のF1日本グランプリへの来場が決定しました! 「荒法師」や「マンちゃん」などいくつもの愛称で呼ばれた同氏が日本グランプリに来るならぜひ生で見たいぞ! という現役当時からのファンはもちろん、映像などでしか知らない若い人も必見です。
イベントは盛りだくさんで、まず、10月5日(日)の決勝レース前に、1986年に同氏がドライブしていたウイリアムズHonda FW11を駆ってのデモンストレーションランを披露する予定。
さらに、GPスクエアの特設ステージでのトークショーのほか、VIPスイートのファンだけが体感できるVIPスイートプレミアムトークショーも開催されます。
また、ピットビルディング2Fのプレミアム観戦ラウンジ「フォーミュラワン パドッククラブ」にもナイジェル・マンセル氏の登場が予定されています。
(塚田勝弘)