3月14日、インドに於ける累計新車販売台数が100万台に到達したと発表したトヨタでしたが、その後、生産停止の事態に追い込まれることに。
新聞報道によると、新興国向けの小型車「エティオス」などを生産しているインド南部バンガロール近郊の現地会社「トヨタ・キルロスカ・モーター」でかねてからの賃上げ交渉に不満を持つ一部従業員が生産ラインを勝手に止めるなど事業を妨害。
トヨタは止む無く16日から工場をロックアウト(工場閉鎖)。18日に一部生産を再開したものの、この影響で700台/日の減産に。
同工場では昨年から10カ月に渡り、労使間で賃金改定交渉が難航しており、今年1月には地元当局による調停が行われたものの、妥結には至らず先週も従業員が監督者を脅迫するなどして生産が中断していた模様。
一昨年にはスズキの子会社、マルチ・スズキのマネサール工場で労働争議が発生、死者を出す暴動に発展。約1カ月間に渡り生産が停止したのが記憶に新しいところ。
また昨年11月にはボッシュが現地ストで操業を一時停止、GMも今年1月にストが勃発するなど、労働争議が頻発しており、多くのインド進出企業で労務リスクが悩みの種になっていると言います。
インドは経済成長に伴い、待遇改善を求める労働者の声が高まっているようで、その背景には政府による手厚い労働者保護がある模様。
労働法で労働者の解雇が厳しく規制されている為、経営側は非正規労働者を増やす傾向で、賃金も極端に低いことからストが頻発するという図式。
トヨタに限らず、生産コストを少しでも下げたい先進国のインド進出は労使間に軋轢(あつれき)を生みつつあるようです。
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