話題先行だけでなく、受注も絶好調だというスズキ・ハスラー。1月8日の発売から1か月経っていないのに、月間販売台数の3倍超をすでに受注しているとのこと。どことなく「くまモン」的な愛嬌あるフロントマスクをはじめ、オレンジやピンクなどを設定する2トーンルーフを含むカラフルなボディカラーを考えると(渋い色もありますが)、若い女性が「わぁ、カワイイ!」とひと目惚れして買っても不思議ではありません。
しかし、見た目をイイ意味でも多少悪い意味でも裏切る走りが印象的。全車に165/60R15タイヤを履く影響は、立派に見えるフェンダーまわりなどの外観だけでなく、走りの面にも予想以上に大きな効果をもたらしています。
銘柄はダンロップの「エナセーブEC300+」というエコタイヤですが、コーナリング時の安定感は軽自動車とは思えないほど高く、1665mmの全高やFFで180mm、4WDで175mmという高めのロードクリアランスによる腰高感はほとんど抱かせません。
グリップ力もブレーキ性能もドライの街中ではとくに不足はなく、エコタイヤ装着のデメリットはこうしたシーンでは感じられませんでした。
ベースとなるワゴンRは155/65R14タイヤですから、比べればコーナリング時の安定感は増すのは当然としても、路面に凹凸を乗り越える際はそれなりにガツン! とくるのはデメリットでしょう。
それでも、ボディが常に揺すられるような安っぽさはなく、サスペンションのストローク量が大きく、こちらも軽自動車とは思えない良い意味での重厚さが印象的で、乗り心地の面では軽のレベルを超えてコンパクトカーのような質感を味わえます。
(塚田勝弘)