スバルが東京モーターショーに出展した「クロススポーツ・デザイン・コンセプト」は、そのフロントマスクのイメージからわかるように、ボクサーFRスポーツ「BRZ」の発展性をスタディしたコンセプトカーです。
235/50R18サイズの大径タイヤを履くためにオーバーフェンダーをプラス、車高を上げたスタイルは、いかにもBRZクロスオーバーといった風情。こうなると、スバル独自のシンメトリカルAWDを想像したくなりますが、このコンセプトカーはあくまでもFRという想定。ダートランでナチュラルなハンドリングを味わうというスポーツ感覚のクロススポーツカーになっています。
注目はリヤゲートです。量産のスバルBRZは独立したトランクを持ったクーペスタイルとなっていますが、これは上下分割ゲートのハッチバックとなっているのです。コンセプトカーではダートランナーとしてのアウトドア感覚を強調するイメージでラゲッジスペースが作り込まれていますが、いかにもタイヤが積みやすそうなリヤゲートには、サーキット走行を楽しむBRZオーナーにも魅力的に見えるのではないでしょうか。
はたしてBRZに、ハッチバックというバリエーションは増えるのでしょうか。また、コクピットを覗けば、フロントウインドウ上部・内側にステレオカメラが確認できます。つまりアイサイトの装着が想定されているのです。市販のBRZにはアイサイトは非設定となっていますが、スポーツカーにも安全サポートデバイスの搭載を考えていることを示唆するディテールといえそうです。
(山本晋也)