ノーマルのインプレッサが4代目に世代交代してから約1年経ちましたし、ニューヨークショーでは次期WRXを示唆するWRXコンセプトも発表されました。
さらに様々な自動車サイトで検索をすれば、ニュルブルクリンクでも偽装されたテストカーも見ることができます。そう、次期WRXの正式発表へのカウントダウンは始まっているのです。
恐らく東京モーターショーでプロトタイプがお披露目され、2014年のニューヨークショーで市販モデルが発表される…というスケジュールで動いているはずです。
では、スバルスポーツのフラッグシップとなるWRX STIはどうでしょうか?
実は様々なスクープ記事でWRXとWRX STIを混同しているメディアが多かったりします。次期WRXは先代で言う「インプレッサGT」に相当するモデルであり、WRX STIに相当するモデルは別に存在します。
次期WRXは新世代BOXERの1.6L直噴ターボを搭載すると言われていますが、次期WRX STIは違うユニットを搭載します。
レガシィ用の2.0L直噴ターボ「DIT」をベースにしたユニットなのか? いやいや、実は現行WRX STIで終焉するはずだった「EJ20ターボ」を大幅リファインして搭載するのです。
すでに世界のモータースポーツベースのエンジンは1.6Lが主流。
F1はもちろん、WRCやWTCCもその流れになりつつありますし、すでにトヨタもTMGが開発をしていることを公表しています。スバルのその流れに…と考えるのが普通ですが、残念なことにスバルは1.6Lエンジンを使ってモータスポーツに参戦するカテゴリーがないので、そう急ぐ必要がないのも事実です。
ちなみに、初代レガシィ登場からスタートしたEJ20ターボは約25年の歳月に渡る改良や熟成を行なって今に至ります。ニュル24時間に参戦してもパワーユニットのトラブルが皆無だったのは、これまで極限状態で徹底的に鍛えられてきたからです。
EJ20ですからここまで来るのに25年を要しています。恐らく新エンジンになることでパフォーマンスは簡単に超えることができるでしょうが、耐久性まで含めたトータル性能では? というと難しいでしょう。恐らくランエボが4G63から4B11に世代交代した時と似た状況ですが、ランエボは現在、虫の息です。その原因のひとつは…ということです。
ただ、新WRX STI用の新エンジンを開発していない…というわけではありません。すでに新エンジンは存在しているのですが、EJ20並みの極限使用(つまりモータースポーツユース)でも問題ない品質をクリアさせるために、様々な試験が行なわれているでしょう。
その試験をするために、次期WRX STIはまずはEJ20ターボでデビュー、ビックマイナーチェンジ(C型かD型)で新エンジンに変更…という流れになるはずです。
(大地 颯人)