自動車保有台数が近いうちに1億台(現在約6000万台)を突破しそうな勢いの中国では恒常化する渋滞対策や環境対策が急務となっています。
中国メディアの「中国経済網」が中国の自動車事情について「このまま行くと7~8年後に保有台数が2億台を突破し、「飽和状態」、「供給過多」に陥るだろう」と報じるなど、その対策は待った無しの状態。
清華大学教授陣によると、総合的な要素から中国における自動車の保有台数は以前より約1.5億~2億台が限界と指摘しているようで、インフラ整備が自動車の増殖スピードに追いついていない様子を物語っています。
そうした状況の中国で興味深い「ランドエアバス」なる交通システムを提案した動画が作成されて話題を呼んでいます。
道路上をまたいで走る2階建てバスのような乗り物で、道路の両サイドに設けた軌道上を連結電車のようにスイスイ交通渋滞をかわしながら走り抜けていく様子はなかなかユニーク。
車体脚部のアーチ外幅7.8m、内幅7m、アーチ高2.2m、全高4.6mのスペックでこれを数台連結して走ります。 各車両の乗客収容数は300名。
各停車駅は車両上方に設けられ、駅と「ランドエアバス」間の乗り降りは車内に設けられたエレベーターが活躍。ガラス張りで見晴らしの良い車内2階からは外界全体が見渡せます。
自動車と共存しながら道路を走る、かつての「路面電車」との大きな違いは映像のように自動車の上をまたいで走行する点で、交差点では「ランドエアバス」の通行が優先する信号制御モードとなっているようです。
普段はビルトイン・ホイールハブモーターで駆動し、軌道を塞ぐような交通事故に遭遇した際はエマージェンシー・ブレーキシステムが自動的に作動。階下の状況を監視するビデオモニタリングシステムも装備。
高架道路や高架鉄道、地下鉄の増設などに比べてインフラ整備にかかるコストや工期を大幅に短縮できる可能性を秘める「ランドエアバス」は中国に限らず渋滞が慢性化する大都市で市民の足として活用できそうです。
この道路上をまたいで走行する2階建て連結バスの発想、日本の車両製造技術をもってすればそう遠くない将来に実現可能かもしれません。
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