初代スバル・フォレスターのNA車に搭載された意外な装備とは?【歴代フォレスター】

11月13日に4代目が登場するスバル・フォレスター。その初代モデルとなるSF型フォレスターは発売前に24時間世界速度記録を打ち立て、世界最速SUVとしてセンセーショナルにデビューしました。

そして登場から15年経過した今でも街中を元気に走る姿を見かけます。

そんな初代フォレスターですが、1997年2月に発売された時はDOHCインタークーラータボエンジンのみの設定でした。
設定されたグレードは、アイボリーの内装に木目パネルやフロントシートアームレスト、ケンウッド製高級オーディオなどを備えた上級モデルのT/tb。

スポーツシートにブラックの内装、スポークタイプのアルミホイールでスポーティな印象で1番人気だったS/tb。

そしてベーシックでカジュアルなC/tb。ベーシックな最廉価グレードのC/tbでもDOHC インタークーラーターボエンジンを搭載していました。

フォグランプレス、無塗装バンパー、無塗装ドアハンドルに、スチールホイールという、営業車か競技ベースモデルと間違えそうなエクステリアで、それが災いしたのかS/tbの陰に隠れ、あまり街中でも見かける事はありませんでした。しかし装備的には電動格納ミラー、フルオートエアコンと充実しており、かなりお買い得感の高いグレードでした。

初代モデルを語る上で外せないのが2000年5月に限定車として登場したS/tb STiです。

こちらは人気のS/tbのAT車をベースにSTIチューニングが施され、専用サスペンションローダウンして、ECU、マフラー、エアロパーツ等を装備ししていました。ただけでなく、専用のロータイプルーフレールを採用。ローダウンされたサスペンションと相まって、全高がベースモデルのS/tbの1580mmから、1535mmに抑えられ、運動 性能を向上させました。また、多くの立体駐車場に対応させた事で、走りの面だけでなく、実用性と言う部分でも人気が高かったと言えます。

2000年のマイナーチェンジでは全車のSRSデュアルエアバッグを設定。同時にS/tb STiもマイナーチェンジしたS/tb STi IIとなりました。そして翌2001年には5MT車をベースとしたSTi II TypeMも発売されました。

S/tb STi IIとSTIⅡTypeMは、ブレーキ冷却用ダクトを設けた専用バンパーとクイックステアリングギアレシオの採用で、より走りに特化した仕様となっていました。

初代フォレスターは、発売当初はターボモデルのみで登場し、後にハイレベルでのオンロードスポーツ走行を可能にしたSTiの追加等、スポーツSUVとして走りのイメージを強く印象付けた感がありました。

しかし、実は初代フォレスターで注目すべきはノンターボ車かもしれません。
ノンターボのC/20は初代フォレスターがデビューしてから約5か月後の1997年7月に登場しました。

ベーシックなC/tbをベースにNAエンジンを搭載した地味なモデルでしたが、5MT車には副変速器を備えたデュアルレンジトランスミッ ションを搭載していました。この装備はSUVで非常に珍しく、本格的にラフロードを走る人や、キャンピングトレーラーを牽引する人等に非常に好評だった事は意外と知られていないようです。

オンロード指向とオフロード指向のSUVを同時にラインナップしていた初代フォレスター。

SUVの持ち味であるオンロードもオフロードも快適に走行できるモデルとして、瞬く間に認知されたのが初代フォレスターだと言えそうです。
(井元 貴幸)

 

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