2台のトヨタ86ラリーカーの走りを比較してみた【全日本ラリー2012】がんばろう福島MSCC RALLY 2012

今回の福島戦ではCUSCOもトヨタ86をデビューさせ、2台のトヨタ86が凌ぎを削るバトルとなりました。単純に順位を比較するとCUSCO ADVAN 86はJN-3クラス6位、 GAZOO Racing ラック 86はJN-3クラス7位。

カラーリングを除くと外観ではリアウィングなどが大きな違いとなっていますが、これだけでも印象はかなり違ってきます。GAZOO Racing ラック 86はTRDのN1仕様に準拠した外観に見える気がします。

ドライバーの違いなのか、セッティングの方向性の違いなのかは明確ではありませんが、同じコーナーの同じ地点でもマシンの姿勢が明らかに違います。CUSCO三好選手の方が大胆なインカットドリフト走法を披露していますね。LUCKの香川選手はラインが滑らかには見えますが若干コーナーリングスピードが遅い印象。

コーナーの立ち上がりを比較すると、CUSCOの方が明らかにリアが沈み込んで 駆動輪に荷重が乗っている印象です。LUCKは前後の姿勢に上下差が出ていません。サスセッティングの違いでCUSCOが柔らかいのかLUCKが固いという見方もできるかもしれませんが。

この写真を撮影したギャラリーSSは全長約500m。競技車両はこのSSを3回走行したのですが、3回目のSS9でCUSCO ADVAN 86は34秒4、 GAZOO Racing ラック 86は34秒6。僅差といえば僅差ですが、これが一番長い8.5kmのSS2で比較するとCUSCO ADVAN 86は9分40秒9、 GAZOO Racing ラック 86は9分43秒2で2秒以上の差になってしまいます。今回の福島、未舗装路セッティングではCUSCOの方が正解だったのでしょうか。

なにはともあれ、今回の86対決、軍配はCUSCOの三好選手に上がりました。

ところでLUCKのサービスにはスバルのメカニックの方も参加していたのですが、このあたりもトヨタとスバルのコラボレーションが効いているのでしょうか。LUCKもCUSCOも全日本ラリーでは86とともにインプレッサを走らせていますから、86とインプレッサでノウハウの共有があったりして。

(北森涼介)

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この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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