三菱i-MiEVエボのスポンサー「MEIDEN」ってなに?【パイクスピーク】

パイクスピークヒルクライム競技のエレクトリッククラス制覇を目指して作られた三菱i-MiEV Evolutionに見慣れないスポンサーロゴがあります。

GSユアサはバッテリーメーカーとしてはメジャーなのですぐにわかりますが、「MEIDEN」というのはあまり見かけることの無いロゴですよね。

この「MEIDEN」とはいったい何なのか?

これは明電舎という電機メーカーのロゴ。

明電舎は自動車部品のサプライヤーとしてはごく最近、それこそi-MiEVのインバーターとモーターで本格参入した企業ですが、実は日本では屈指の電機メーカーなのです。

しかし、ほとんどその名前が知られていない要因の一つとして、明電舎は個人消費者向けの商品を一切作っていない、ということがあげられます。作られる製品のほとんどが大規模なモーターや変圧器など、われわれの目に触れる機会がほとんど無いものばかりです。

しかし、大規模プラント、たとえば下水処理場や浄水場、工場などのポンプやモーターには数多くの採用例があるのです。東京都で言えば、三河島下水処理場や新河岸下水処理場などは明電舎のポンプや変電設備が採用されています。

そして自動車業界では、なんとシェアトップの製品も作り出しています。それはエンジンの出力を計測する計測器、いわゆるシャーシダイナモです。そのシェアは圧倒的で、トヨタ、日産、ホンダなど国内の主要メーカーにあるシャーシダイナモのほとんどが明電舎製です。

そのような大規模な電機製品を作っている明電舎が、なぜi-MiEVのインバーターとモーターを担当したのかというと、実は大型フォークリフトや重機などの電動モーターを長らく製作していたからなのです。

そこで培ったノウハウと、大型電機製品で培ったインバーター技術がi-MiEVのインバーターとモーターに活かされているのです。

i-MiEVのインバーターとモーターをなぜ内製や三菱電機製はないのか?という話はさておき、明電舎の技術がi-MiEVのインバーターとモーターにとって即戦力になったのは間違いありません。

明電舎は住友グループの企業ですが、そういったグループ間の枠を取り払ってでも採用しようという優れたものであったということですね。

(北森涼介 写真:松沼 猛)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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