5月18日に発表に発表されたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参戦するマシン、i-MiEV Evolution。
このクルマに貼られているスポンサーロゴは、実はかなり興味深いのです。市販のi-MiEVでもモーターやインバーターを供給する明電舎、そして市販のi-MiEVの初期にバッテリーを供給していたGSユアサがメインスポンサーとなっていますが、明電舎は住友グループ、GSユアサは三井グループの企業です。
三菱の電気自動車に住友と三井が協賛するという大財閥の壮大なコラボレーション!
実は、i-MiEVも日産リーフも、バッテリーやインバーターのコア技術は住友グループや三井グループが持っているのです。リーフの電池を作っている日産との合弁会社のもう一方はNEC(住友グループ)ですし、最近自動車用リチウムイオン電池に参入してきた東芝は三井グループです。
その上、三井と住友、金融市場では合併して三井住友銀行になっていますから、ゆるく考えればひとつのグループとも言えなくはありません。
コラボレーションとは直接関係無いでしょうが、タイヤ供給は住友ゴムのタイヤブランドであるダンロップ。三菱ワークスはコントロールタイヤ制が無ければ、好んでヨコハマ(古河グループ)を使用していましたから、これはかなりの大抜擢かもしれません。
今までは財閥の中や資本関係の中でスポンサードなどをまわしていた印象が強いワークス系モータースポーツですが、クルマ作りが系列の垣根を越えれば、スポンサードも枠を超えるという好例が、i-MiEV Evolutionということになるのでしょう。
(北森涼介 写真:松沼 猛)