いまから50年以上も前、エクセルシオール計画というとんでもない挑戦が行われたことをごぞんじでしょうか? 与圧服を着たパイロット兼ダイバーが高度3万メートルの成層圏(見た感じ、ほとんど“宇宙”)まで、密閉されていない気球で上がり、そこから飛び降りるというもの。途中でパラシュートを開くんですが、そこまでは自由落下。じつに時速988キロを記録したというのです。乗り物に乗っていない、生身の人間がです。
アメリカでもまだ有人宇宙飛行が行われていない時代、ずいぶん無茶をしたもんですが、なんと、その速度記録を破って、生身で音速を超えようというプロジェクトが進行中。それがRed Bull Stratos(レッドブル・ストラトス)です。
挑戦する命知らずの男は、ベース・ジャンプの第一人者フェリックス・バウムガートナー氏。すでに準備はかなり整い、今年中には実行される模様。このチャレンジはウェブサイトRedbullstratos.comで中継されるそうです。また、同サイトでプロジェクトの詳細が紹介されています。
さて、その50年以上前に行われたエクセルシオール計画ですが、2回のジャンプが行われ、1回目のときには、ダイバーのジョセフ・キッティンガー氏はきりもみ状態で失神してます(パラシュートは開いたので無事生還)。2回目も与圧服に問題があったのに、中止になるのがイヤで、手がメチャクチャ痛いのを地上には黙ったまま成層圏まで上がって、ダイブを敢行しています。ま、大馬鹿者(←ほめ言葉)ですね。はたしてバウムガートナー氏のチャレンジは、うまく行くでしょうか? っていうかうまくいかないとヤバいですが。
ちなみに映像の冒頭に出てくるのが、50年以上前にジャンプしたキッティンガー氏です。まだピンピンしているようです。
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(まめ蔵)