機を見るに敏。スズキがワゴンRを改良したわけ

1月26日にスズキが、売れ筋モデルのワゴンR FX と FXリミテッドをマイナーチェンジ。エンジンや4ATの制御を改良して、FFモデルのJC08モード燃費を、従来の20.4km/Lから21.0km/Lへと向上させています。

 

 

 

メーカー希望小売価格(消費税込み)1,071,000円

 

 

 

 

メーカー希望小売価格(消費税込み)1,181,250円

 

 

数字でみると、わずか0.6km/Lの向上ですが、制御の見直しでこれほどの燃費改善をするというのは考えみれば大変なこと。それにしては、外観の変化も見受けられませんし、地味な変身にとどまっています。

 

では、どうしてこの時期に、こうした改善をしてきたのか。

 

その理由は、おそらく成立するであろう「エコカー補助金(環境対応車普及促進対策費)」への対応にほかならないでしょう。

 

今度のエコカー補助金は、従来からの10・15モードを使った平成22年度燃費基準+25%超、もしくは新たにJC08モードを使った平成27年度燃費基準のどちらかを達成していることが、対象となる条件。

 

そして、ワゴンRの重量(810kg)で目指すべき平成27年度燃費基準の数値は『21.0km/L』。CVTを使う上位グレードは余裕でクリアしている数値ですが、4ATの廉価グレードでもクリアしてきたというのが注目点。

 

そう、このマイナーチェンジによって、軽自動車で7万円の新しいエコカー補助金の対象になれたのです、一番安いワゴンRも!!

 

これから各メーカーで同じような努力と工夫がなされる可能性は十分にありますから、惜しくもエコカー補助金の対象となっていないクルマが欲しいというならば、こうした小変更情報を気にかけておくといいことがあるかもしれません。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
続きを見る
閉じる