FT-86はハチロクだけじゃなく4台の後継モデルだとわかる映像

間もなく登場がウワサされているトヨタFT-86。様々な情報が漏れ伝わっているわけですが、公式にはまだまだシークレット状態で、正確な情報が出ているわけではありません。

ということで、先日公開されたティーザームービーでも車両についての情報は皆無。開発風景やエンジンのCGなどでカタチは確認できるものの、おそらくこうしたシーンに登場するのは最終仕様ではないはずで、まだまだ引っ張っるのか、という印象を受けるひとも少なくないのでは。

 

ところで、このティーザームービーの冒頭ではトヨタ車のおもちゃで遊ぶ子供たちの姿が映し出されています。そこで確認できるのは4台のトヨタ車、それらが選ばれたのは偶然ではないはずです。

 

その4台を、ムービーの登場順に紹介しましょう。

まず最初にダルマセリカの愛称で呼ばれていた初代セリカを走らせているのが2シーン。

 

つづいて水平対向2気筒エンジンを積んだ「ヨタハチ」ことトヨタスポーツ800。

 

赤黒ツートンカラーハチロクともう一台のミニカーをドリフトさせているシーン。

 

そして伝説一台、トヨタ2000GTを愛でているシーンにつづきます。

 

FT-86は初期のコンセプトから、またネーミングから「現代に蘇るハチロク」というイメージが強烈ですが、欧州仕様はセリカと呼ばれるというウワサもあったり、また伝説の2000GTをモチーフにしたデザインが盛り込まれていたりという話もあり、この4台はかなり意味深い選択なのでしょう。

 

ならば、ヨタハチが登場しているのにも意味があるはず。そもそも水平対向エンジンのリア駆動マシンといえばトヨタスポーツ800が代表格といえるもので、そうしたパッケージの共通性からいえば、FT-86は「ヨタハチの再来」と表現されてもおかしくないわけですし、水平対向エンジンのFRスポーツカーをトヨタが出すというのはヘリテージ的にも正統ということでしょうか?

 

つまり、FT-86はハチロクの後継的な存在でありつつ、セリカやヨタハチといった名車の精神も受け継ぐモデルというアピールをしているように思えてくるのです、この映像からは。

 

そうした意味を込めたセレクトなのか、いまは想像するしかありません。

真実を知っているのは、このティーザームービーの20秒あたりに登場する開発責任者の多田さんだけしょう、おそらく。

(山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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