前回のメーターパネルの話を一休みして、今回はステアリングスイッチです。最近のクルマのステアリングには、いろいろなスイッチがついています。ドライバーから一番近い位置にあるために扱いやすいことと、スイッチの作り方によってはハンドルから手を離さずに操作ができるということで、安全性を高めるためにも寄与しやすいということがその理由でしょうか。
しかし、日常生活ではあまりない親指だけで操作すること(唯一ゲームがあるかもしれません)、できれば見ないで操作したいこと、など条件はかなり厳しいのです。そして、こういった操作では人間の特性はほぼ絞り込まれるところなのですが、見ていただくとわかるように、各社によってそのスイッチは実に個性的(=マチマチ)なのです。
言い換えれば、この分野はまだまだ発展途上。どんなものがいいスイッチなのか? どのメーカーもが模索中なのです。いろいろ見てみましょう。
ポルシェ・パナメーラ 特徴は左右上部のスライドさせて回すダイヤルスイッチ。押し込むことで決定で、モニターに表示された機能を選択して操作できます。その隣のメッキパーツは変速レバーで、左右同機能で押せばアップで引けばダウン。
ジャガーXJ パナメーラの2方向のダイヤル選択に対して4方向の十字キーを採用しています操作プログラムの仕立て方次第ですが、階層を浅くすることが可能でしょう。その反面、表示画面に注視して選択する必要が増えただ上か下かを選ぶポルシェの安楽さには欠けるかもしれません。いずれにしてもプログラムとのコンビネーションで操作性は高まりそうです。
日産フーガ 左側のスイッチは、上下方向の選択と押し込むことで決定。その横に「戻る」スイッチを併設しているのが親切です。操作を間違った時に簡単に戻れます。
レクサスHS250h 左側はオーディオ系のスイッチ。右側に上下選択とエンターを持つシーソーキーを装備しています。主要なスイッチを大きくし、メッキの壁をつけることいで指探りでも間違いにくくしているます。
ここに紹介したのはごくわずかですが、それでもさまざまなものがあります。BMWからはじまったセンターコンソールのマルチコマンダーが操作の主役になりつつあるようですが、それでもハンドルは非常に扱いやすい部分だけで、これからも活用されていくのでしょう。
扱いやすい操作方法はどんなものなのか? これからの新たな提案に注目です。
(MATSUNAGA, Hironobu)