大震災の影響で、被災地では中古軽自動車の人気が上がっています。すでに全国的な様相になってきました。
そこでまず理由を考えてみます。
元々交通手段がクルマ中心だったにもかかわらず、多くのクルマが水没。すでに宮城県では保有台数の1割である15万台が水没したとの試算がありますが、福島県や岩手県を含めればさらに相当数の被害。そこで直ぐに乗れてしかも燃費の良いクルマが欲しい人が激増。
復興が進むにつれて巨大なマーケットが誕生したわけです。
また黄色のナンバーの軽自動車は、ナンバーが付いていれば名義変更で直ぐに乗れます。しかも人口10万人未満の都市ですと保管場所届け出(車庫証明)が不要。
こうしたことから中古軽自動車が人気なわけですね。
すでに中古車を売買するオークションでは東北地方の業者で軽自動車の取り合いになっているそうです。数が少なければ価格があがるのは当然ですが、被災者の負担を大きいものにしているのは何ともせつないものがあります。
ちなみにこの中古車高騰について新車ディーラーに聞きますと、「昨年の補助金(スクラップインセンティブ)の影響は大きいですよね。あれで年式が古いだけでまだ乗れるクルマを買い換える方が相当いました。あれが無ければそれこそ10万とか20万円で売る予定だった中古車が多数あったと思いますが、軽自動車も含めて相当数が破棄されて中古車は全体的にタマ不足だったのです。まぁ、あれがなければクルマが売れず相当に助かったのは確かなのですけどね」と語ってくれました。
また中古車ながら未使用をウリにする近年人気の軽未使用専門店に聞きますと「軽自動車や中古車の価格はしばらく上昇が続きそうなので、あおるつもりはないのですが買い換えを検討されている場合は早い方が良いと思います。当店では現在価格を上げるようなことはしていませんが、タマ不足が続いて高くても買うという方が出てくると価格を上げる可能性もないとは言えないわけで・・・・・・、実際、乗り換えを検討の方に、『下取り車を宮城県に送るので是非お願いします』と言いますと買い換えてくれています。即決される方もいました。通常でしたら値段の付かないようなクルマでも5~10万で下取れますから逆にチャンスでもあると思います。」と語ってくれました。
次回は品不足に悩む新車ディーラーについてです。
(佐藤みきお)