クルマを所有すると必ず入らなければならない保険に、自賠責(自動車損害賠償責任保険)があります。よく雑誌やテレビでCMを見かける任意保険と違って、新車購入時に3年、車検の時に2年分払う、強制保険とも言われるあれのことです。
この保険、任意保険とは違って事故歴や年齢などは関係なく金額が定められているのですが、このたび保険料の値上げが決定してしまいました。
自家用車は現在の2万2470円から2万4950円に、軽自動車は1万8980円から2万1970円(2年契約。沖縄や離島をのぞく)になってしまいます。それだけでなく2年後にはさらなる値上げも予定されており、クルマを所有する費用はますます高くなりそうです。
そこで交通事故の死亡者数を見てみたのですが、2010年の警察庁発表では4863人と過去最悪の昭和45年の1万6765人から大幅に減少しています。前年比でも−51人と死者数は減っています。事故発生件数も2009年が73万7474件から2010年が72万4811件、負傷者は91万1108人から89万4281人とやはりこちらも減少しています。
ですが08年に自賠責保険料を引き下げた結果、毎年2300億円の赤字が続き、2010年度の保険料収入6001億円に対して、支払いは8357億円で、累積赤字は4710億円となるそうです。
実はこうなってしまった背景には、損保各社の支払い漏れ発覚による再請求などで支払い金額が増加したことが挙げられています。つまり余っていると思って値下げしたのは良いけれど、実は不払いがあったから余っているように見えただけで、結果また値上げをしなくちゃならなくなった、という訳ですね。
なんともどんぶり勘定的な気がしますが、事故が相手なだけに予測は難しいのかもしれません。
ちなみに車検期間が3月から4月にまたいでいる場合、3月中に通したほうがちょっとだけですがお得です!
(佐藤みきお)