【東京オートサロン】う〜ん、一目惚れしちゃいました♥ ホンダがCR-Zを究極の“マシン”にチューニングした真相とは?

ホンダブースで注目を集めているCR-Zベースの「TS-1X」。クルマの周囲にはファンが途絶えることがないほど、とっても高い人気でしたよ。

このクルマの第一印象は、エアロボディがとにかくカッコイイっていうこと。もともと砲弾型のボディを持つCR-Zを、より魅力的にするために、空力に優れたパーツを身に付けました。そう、とってもボリューム感のあるエクステリアが特徴的ですよね。

その開発過程はレーシングカー開発と同じアプローチで、一枚のデザインスケッチから始まった。1/4クレイモデルを製作してムービングベルト風洞テストを実施したうえ、フルサイズクレイモデルをデジタル化。モックアップを製作してシミュレーションを繰り返したというのだから、いやはや恐れ入ります!!

こうして時間をかけた結果、フラップやダクトを中心にした、この超個性的なスタイリングが実現したのですね。

さらに、北海道の鷹栖テストコースで実走テストを敢行。土屋圭市氏は「このテストコースはタイプRやS2000などボディ剛性が高いクルマをテストする場所。クルマが跳ねて着地しながらコーナリングするような難所だから、最初、CR-Zは場違いではないか、と言われたよ」と説明する。しかし、テストを重ねてモディファイを加えてセッティングした結果、その走行性能はみるみる上がっていったとのこと。

ボディ剛性のアップ、軽量アルミボンネットの採用、マフラーセンター出し、フロント4ポットアルミキャリパーなどの武装により、これまではアクセルの踏めないコーナーでも踏めるようになったそうです。

ホンダが本気になって開発したこのクルマ。誕生することになった理由はなにか? 「自動車メーカーが作るカスタムカーはつまらない」という声を真摯に受け止め、自動車メーカーの意地とプライドを賭けてホンダが作り上げたのだという。ホンダのDNAは現代にも息づいているのですね。

「カッコイイCR-Zを作り上げることが最大の目標だった」。それが、このTR-1Xの生まれた背景なのです。

土曜日にホンダブース裏側のメッセージボードに書き込んだトヨタの豊田章男社長のメッセージを受けるかのように「トヨタがチューニングしたプリウスに豊田章男社長が乗って、このCR-Zに伊藤(孝紳)社長が乗る。豊田社長は鷹栖テストコースを走りたいと言っていたので、せっかくだからトップ対決を実現させて、クルマ業界を盛り上げてほしいよね」と土屋氏。

まさに、同感。“夢の対決”を楽しみにしております。

(南風よしお clicccar編集部)