予約殺到により受注を一時ストップさせるほど、プチバブルの様相なのが日産リーフ。そうなると考えられるのは、クルマを右から左へころがすことで儲けようとする悪いヤカラの存在。プレミア価格で手放せば儲かることは間違いないのでは? 専門家に聞いてみた。
「話題のリーフをどうしても欲しい新しモノ好きの人はいますから、中古車市場で瞬間的に新車価格を上回ることはあるでしょう」(ガリバー自動車研究所所長・鈴木祥一詳一さん:以下同)。リーフの新車価格は376万4250円だから「400万円を超えて流通するケースもあると予想できます」。これは驚き!
さらに悪知恵をはたらかせると、政府からの補助金(最大78万円)を受け取りつつ、新車以上の価格で売れるとしたら……と考えてしまうが、「それはダメです。6年以内に手放すなら、補助金は返却しなければなりません」。そうですか、浅はかでした(笑)
しかし、最先端の電気自動車(EV)といえども、世に出た瞬間から価値が目減りするのは、世間一般の自動車となんら変わることはない。ちなみに日産が提案するリース契約では、6年後のリーフの残存価格は約56万円。かなり安い値段のような気がしますが…。
「新車価格の約15%という残存率は、ガソリン車の平均よりやや低めの数字ですね。その理由は、バッテリーに対する信頼性です」。
10万km走行車も20万km走行車も、使用環境による性能差はほとんどないというガソリン車。それに比べ、充放電を繰り返すバッテリーを持つ電気自動車は、まだ実証データが揃っていない状況だ。6年後にどれだけバッテリー性能が保たれているか? 未来はまだまだ、未知数のようです。
(畑澤清志)