熊本・天草は11月も温暖です!ドライブコースその1・宇土から上天草へ(熊本)【車中泊女子の全国縦断記】

【weather.time-j.net/気温と雨量の統計】によると、11月の熊本・天草(本渡)の平均気温は15.7℃。最高19.3℃、最低でも12.5℃と秋の行楽にぴったりの気候です。

そんな温暖な天草地方のドライブコースを、宇土(うと)を起点に上島〜下島〜牛深まで3回に分けてご案内します。

【轟水源】
所在地:熊本県宇土市宮庄町

轟水源は昔から肥後三名水のひとつとして知られ、今も絶えることなく清水が湧き出しています。この水源を導水して総延長5kmにわたって敷かれた水道が轟泉水道(ごうせんすいどう)で、現在使われている上水道としては日本最古のものです。

これは初代宇土藩主 細川行孝公によって発案・敷設されたもので、石管を用いた地下水道。現在もなお多くの人々の飲料水に利用されています。

【宇土城跡】

宇土城には「近世」と「中世」があったんです!
「近世」宇土城の城主=小西行長。(所在地:熊本県宇土市神馬町)
「中世」宇土古城の城主=宇土氏。(所在地:熊本県宇土市古城町/国指定史跡)

写真は「近世」の方で、小西行長の銅像が見守っています。

宇土城の天守は加藤清正によって熊本城へ移築され【宇土櫓】となったというのは有名なハナシですが、昭和2年(1927)に熊本城宇土櫓を解体修理した調査の際には移築の痕跡が見られず、真偽が定かではないそうです。

本丸を一見して「小西行長の居城がこんなに小さいものだったとは」と驚きましたが、全体像はかなり立派な城塞でした。「中世」宇土古城跡は、歴史公園「史跡宇土城跡」として整備され、建物跡・横堀・城門など一部の遺構が復元されています。

【小袖餅本舗】
所在地:熊本県宇土市三拾町118
電話:0964-22-0246

筆者が子どもの頃からの大好物、宇土名菓【小袖餅】。変わらないパッケージ、10個入りで320円と、ほぼ値上がりしていないのも嬉しい限り。とっても柔らか〜いお餅の中に、しっとりとしたこし餡が包まれています。一口サイズなのも食べやすくてちょうどいいんです。

今や多くのご当地グルメが「お取り寄せ」できますが、【小袖餅】には保存料などが入っていないため賞味期限は「製造日その日限り」。全国各地に赴くと、こうした「その土地でしか食べられないもの」に惹かれます。これぞ旅の醍醐味。

宇土本店と支店、宇土駅売店のほか、熊本県民いこいのデパート【鶴屋百貨店】でも販売しています。【小袖餅】という名称の由来ともなった逸話は、アニメ【まんが日本昔ばなし】でも放映されたんですよ。(No.0449【孝行娘】)

【住吉海岸公園(長浜海岸)】
所在地:熊本県宇土市住吉町

まずは宇土半島の北側、国道57号線を走るルートを紹介します。(後ほど南側のルートもご紹介します)

有明海は潮の干満の差が大きく、長浜海岸一帯は日本有数の遠浅で知られ、また潮干狩りスポットとしても有名です。干潮時には干潟が網田海岸まで約5㎞にわたって出現、三日月型の独特の砂紋が現われ、夕暮れ時など絶好の撮影ポイントとなりますので、干潮時間をチェックしておくといいですよ。

【御輿来(おこしき)海岸】
所在地:熊本県宇土市戸口町

住吉海岸公園から国道57号線を西へ約10km、日本の渚百選/日本の森滝渚100選にも選ばれています。名称の由来は、4世紀の中ごろ景行天皇が九州遠征された際、洗濯岩と干潟模様の美しさに暫し御輿(天皇の乗られる駕籠)を止めて休まれたという伝説にちなんでいるそうです。

水平線を横切るような直線道路は、漁業関係者しか立ち入れません。走ってみたくなりますね! 電線が通っているのもスゴイ。(住吉海岸公園からも見られます)

満潮時は、写真のような風景です。対岸に見えるのは長崎県島原半島・雲仙普賢岳。

【道の駅 宇土マリーナ】
住所:熊本県宇土市下網田町3084-1
電話:0964-27-1788
駐車:普通車 117台/大型 6台/身障者 4台

御輿来海岸から約3km。宇土マリーナハウス、物産館、軽食コーナー、漁師食堂、芝生公園を併設。物産館には生け簀があり、新鮮な魚貝類を販売しています。もちろん天草名物・車エビも!

道の駅で魚貝類を購入すると、土日祝日のみ広大な芝生公園の一角にあるバーベキュー場を利用することができます。

お昼ご飯に『猟師食堂』で貝汁定食をいただくのが筆者の定番。網田(おうだ)ネーブルソフトクリームをはじめ、アイスクリームのメニューも豊富です。

【道の駅 不知火】
住所:熊本県宇城市不知火町永尾1910-1
電話:0964-42-3300
駐車:普通車 150台/大型 2台/身障者 4台

物産館、レストラン、温泉施設を併設。八代海に面しており、駐車場にはヤシの木が建ち並び南国ムードも満点。

毎年8月下旬から9月上旬の午前1時〜3時半頃の干潮時に海に現われる自然現象【不知火】が見られることで知られ、県内外から観光客が訪れます。

【松合(まつあい)土蔵白壁群/松合の町並み】
所在地:熊本県宇城市不知火町松合

道の駅【不知火】から約2km。松合は、肥後第一の漁師原(りょうしばる)と称され、漁業と醸造・廻船で栄えた町です。文政年間(1818〜1830)には細川藩で最初の魚市場が開かれ、魚市場見しめ役が置かれたと言われています。

松合は火事が多く、特に文政9年(1826)から天保2年(1831)にかけて4度もの大火があり、延べ871戸も焼失したといいます。海岸を干拓して屋敷新地を作って被災者を移住させ、跡地は火除け道とし、土蔵白壁の家作りをすすめ、同時に三ヶ所の舟溜まりを設けて港を整備しました。現在の町筋は、そのとき出来上がったものです。

毎月第3日曜日には、新鮮な魚やフルーツが販売される【まっちゃ朝市】が開催されています。また、味噌・醤油が有名な松合食品では「丸大豆醤油ソフトクリーム」も味わえますよ。

次回は上天草(上島)に上陸します!

(松本しう周己)

この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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