目次
クルマを売る時に必要な書類は、意外と多いものです。何が必要か把握していれば、慌てず用意することが可能。意外と査定額が良かった時など、急にクルマを手放すケースもあるかもしれません。
- クルマ売る時の必要書類って何?
- 必要書類をなくしてしまったらどうすればいい?
- 引っ越しなどで住所が変わった場合はどうすればいい?
この記事では、上記の疑問にお答えします。クルマを売る時に必要な書類をまとめているので、売却前に目を通すのがおすすめです。必要書類を紛失してしまった人のために、再発行の方法もご紹介しています。
クルマを売るために必要な書類
クルマを売る時に必要な書類は、普通車と軽自動車で異なります。ここでは、それぞれに分けて必要書類をご紹介していきます。
普通車の場合
普通車を売る場合、以下の書類が必要です。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 自動車リサイクル券
- 実印
- 印鑑登録証明書
- 委任状
- 譲渡証明書
基本的には、上記の書類が揃っていればクルマを売れます。
軽自動車の場合
軽自動車を売る場合、以下の書類が必要です。
- 自動車検査証(車検証)
- 自賠責保険証明書
- 軽自動車税納税証明
- 自動車リサイクル券
- 認印
軽自動車の場合、普通車よりも必要書類の数が減ります。具体的には、実印と印鑑登録証明書が必要なくなります。
まずは、クルマを売るのに必要な書類を知っておくことが必要です。必要書類は「手元にあるもの」「役所で発行してもらうもの」「買取店で用意してくれるもの」の3種類があります。
手元にある書類
必要となる書類のほとんどが、手元にあるものです。ここでは、手元にある書類の解説と、なくしてしまった場合の再発行方法をご紹介します。
手元にある書類
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 自動車リサイクル券
- 実印
実印以外は、助手席のグローブボックス内に収納されているケースがほとんどです。
車検証
車検証は、正しくは自動車検査証と呼ばれる書類です。クルマの所有者や車台番号が記された、最も大事な書類の一つ。クルマを売る時には、車検証がないと手続きができません。
車検証は、助手席のグローブボックスと呼ばれる場所に収納されています。車検を取得したディーラーや整備工場が、専用のケースに入れてくれるので、基本的になくすことはないはずです。
なくしてしまった場合
もし車検証をなくしてしまった場合、ディーラーで車検を受けた場合はまず担当の営業マンに相談しましょう。再発行手続きを代行してくれる場合があります。
自分で再発行をする場合は、管轄の運輸支局へ出向く必要があります。運輸支局で、以下の書類を用意して再発行を依頼しましょう。
- 申請書
- 300円の収入印紙
- 理由書
- 印鑑
- 身分証明書
申請書は、運輸支局の窓口でもらえます。記入例が張り出されているので、例に沿って記入すれば終了です。300円の収入印紙を貼り付け、窓口に提出しましょう。
その際に、車検証を再発行する理由を記した「理由書」が必要です。理由書も、窓口でもらえます。もし、車検証の再発行理由が「汚損」なら、汚損した車検証を提出するだけでも構いません。車検証が手元にない場合だけ、理由書も提出しましょう。書類の必要箇所に押印し、身分証明書を提出するので、当日は忘れないようにしましょう。
軽自動車の場合、再発行に必要な手続きは普通車と同じですが、運輸支局ではなく「軽自動車検査協会」へ出向く必要があります。その点だけ間違えないように注意しましょう。運輸支局や軽自動車検査協会は、平日の以下の時間しか営業していません。
- 営業時間 平日:8:45~11:45、13:00~16:00
混雑状況によっては、手続きに時間がかかる場合もあります。余裕を持って、運輸支局または軽自動車検査協会へ出向くようにしましょう。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書というのは、自賠責保険に加入している証明書です。自賠責保険というのは、車検の際に加入する、一種の強制保険です。
自賠責保険はどの保険会社でも取り扱っており、保険会社が発行する「自賠責保険証明書」というものがあるはず。これも、助手席のグローブボックスに収納されているケースがほとんどです。
なくしてしまった場合
もし自賠責保険証明書をなくしてしまったら、ディーラーで車検を受けた場合は担当営業マンに連絡しましょう。ディーラーが契約している保険会社で、自賠責保険証明書を再発行してくれます。費用はかかりません。
自分で再発行する場合は、まずはどの保険会社で契約したのかを思い出しましょう。自動車保険を取り扱っている会社なら、自賠責保険も取り扱っています。思い出せない場合は、以下の保険会社のいずれかで契約している可能性が高いはずです。
- 東京海上日動
- 三井住友海上
- 損保ジャパン
- 富士火災海上保険
- 日新火災海上保険
他社の自賠責保険証明書は再発行できないので、自分が契約した会社に問い合わせることになります。保険会社に問い合わせをすれば、無料で再発行してくれます。
自動車税納税証明書
毎年5月に納付書が送られてくる、自動車税を支払った証明書が「自動車税納税証明書」です。納付書とセットになっており、納付したコンビニなどで押印してもらいます。
クルマを売る際は、最新の自動車税納税証明書が必要です。捨ててしまった場合、これからご紹介する方法で再発行可能です。
なくしてしまった場合
自動車税納税証明書は、コンビニや金融機関で自動車税を納めないともらえません。ネット決済などを利用した場合、証明書がない状態なので再発行が必要です。
再発行は、各都道府県の県税事務所で行います。以下の書類を持って、窓口で手続きしましょう。
- 車検証
- 印鑑
- 身分証明書
再発行に費用はかかりません。県税事務所は、受付が平日の17時までなので注意しましょう。軽自動車の場合、再発行は最寄りの市区町村役場で行います。再発行に必要な書類は、普通車の時と同じです。
以上が自動車税納税証明書の再発行方法ですが、紛失した場合は再発行の前に売却先に相談しましょう。普通車の場合、納税の履歴がオンラインで確認できるため、再発行の手間を省略できる可能性があります。大事なのは「自動車税を納めていること」なので、納付書は必要ないケースもあるのです。
自動車リサイクル券
クルマを処分する際、リサイクルのために費用が発生します。こうしたリサイクルにかかる費用を、あらかじめ納めておくのが自動車リサイクルシステムです。自動車リサイクル料を納めると、自動車リサイクル券というものが発行されます。これも、車検証や自賠責保険証明書と一緒に、助手席のグローブボックスに収納されているケースがほとんどです。
なくしてしまった場合
自動車リサイクル券をなくしてしまった場合、再発行はできません。しかし、自動車リサイクル料を納めていることが証明できればいいので、代わりの書類を用意することになります。自動車リサイクル券の代わりになる「預託証明書」というのが、自動車リサイクルシステムのホームページからダウンロード可能。
発行には車検証が必要なので、手元に準備してから手続きを行いましょう。必要事項を入力し「自動車リサイクル料金の預託状況」を表示させます。これを印刷すれば、自動車リサイクル券の代わりになるのです。この手続きは、売却先の業者が代行してくれるケースもあります。まずは、この手続を依頼できないか相談してみましょう。
実印
実印は、普通車を売る時だけ必要なものです。実印は自分だけの印鑑なので、他の人と被ることはありません。なくしたら再発行ができないものなので、大切に保管しておくようにしましょう。
以上が、すでに手元にある書類に関する説明です。次章では、役所で発行してもらう書類についてご紹介していきます。
役所で発行してもらう書類
役所で発行してもらう書類は、基本的には「印鑑登録証明書」だけです。しかし、クルマを購入してから住所や氏名に変更があった場合、他の書類が必要となります。ここでは、役所で発行が必要な書類について、詳しくご紹介していきます。
印鑑登録証明書
普通車を売る場合、印鑑登録証明書という書類が必要です。これは、実印の有効性を証明するもの。実印を市区町村に登録することで、実印が本人のものであることを証明してくれるのです。
印鑑登録証明書には「実印の印影・住所・氏名・生年月日」が記載されています。個人情報と印影がセットになっていることで、実印の所有者がわかる仕組みになっているのです。
印鑑登録証明書は、発行から3ヶ月以内のものを用意しましょう。最寄りの市区町村役場に出向き、印鑑登録カードを提示すれば発行可能。マイナンバーを持っていれば、コンビニで発行することもできます。どちらも、費用は300円程度です。
住民票(住所に変更があった場合)
車検証に記載されている住所と現住所が異なる場合、住民票が必要です。住民票には、以前の住所が記載されているため、引っ越して現住所に変わった証明書類になります。
ただし、住民票に記載される住所は、直近のもの一つだけ。クルマを購入してから、2回以上引っ越しをしている人は、戸籍の附票が必要です。他にも、結婚などで住所は変わらないが名字だけ変わったという場合は、住民票を用意する必要があります。
戸籍の附票(2回以上引っ越しをしている場合)
車検証に記載されている住所から、2回以上引っ越しをしている場合は戸籍の附票が必要です。戸籍の附票は、生まれてから今までの住所がすべて記載されています。
住所の繋がりがわかるものになっているので、車検証に記載されている住所と現住所を証明できます。戸籍の附票は、本籍地がある市区町村役場で発行が可能。本籍地が遠方の場合、以下の書類を同封して、郵送での発行を依頼しましょう。
- 交付請求書
- 手数料分の為替(自治体によるが300円程度)
- 返信用封筒(切手を貼る)
- 本人確認書類のコピー
まずは、郵送での発行方法を、本籍地の市区町村役場に問い合わせましょう。
戸籍謄本(住所氏名に変更があった場合)
結婚などで名字が変わり、県外に引っ越しをした場合は、戸籍謄本が必要です。戸籍謄本も、本籍地の市区町村役場で発行可能です。郵送で発行を依頼する場合、以下の書類が必要です。
- 申請用紙
- 手数料分の為替(自治体によるが300円程度)
- 返信用封筒(切手を貼る)
- 本人確認書類のコピー
申請用紙は、本籍地のホームページからダウンロードできる場合があります。まずは申請用紙がダウンロード可能か、調べることをおすすめします。
特別な事情がない限り、印鑑登録証明書だけあればクルマを売ることは可能です。軽自動車の場合は、印鑑登録証明書が必要ないので、条件によっては役所で発行する書類がないケースもあります。
住所や氏名に変更があった場合のみ、他の書類が必要になることを覚えておきましょう。
買取店で用意する書類
これからご紹介する2つの書類は、クルマを売る時に買取店が用意してくれます。あまり気にする必要はない書類といえるので、簡単に概要をご紹介します。
委任状
クルマを売るということは、買取店に名義変更をすることを意味します。この手続きは買取店に依頼することになりますが、クルマは個人の資産なので勝手に名義変更できません。
そこで、名義変更に同意したという意味の委任状が必要になるのです。委任状は、買取店に名義変更手続きを依頼した証明になります。これがあれば、買取店は運輸支局で名義変更が行えるようになります。
譲渡証明書
委任状と合わせて必要なのが、クルマを譲渡することを証明する「譲渡証明書」というものです。譲渡証明書は普通車を売る時だけ必要で、軽自動車を売る時には必要ありません。必要事項を記入した後、実印を押印する必要があります。
どちらの書類も、買取店が用意してくれるので心配する必要はありません。
準備書類が増えるケース
必要書類は、ケースによって増えることがあります。ここでは、準備する書類が増えるケースを簡単にご紹介していきます。
引っ越しで住所が変わった
記事の前半でもご紹介しましたが、引っ越しをして住所が変更された場合、住民票または戸籍の附票が必要です。車検証に記載されている住所から、1回までの引っ越しなら、住民票が必要です。2回以上引っ越しをしていれば「戸籍の附票」が必要です。
結婚などで氏名が変わった
結婚して名字が変わった場合、以下の書類が必要です。
住所は同じで名字が変わった:住民票が必要
名字が変わり県外に移住した:戸籍謄本が必要
住民票は、マイナンバーカードがあればコンビニで発行可能です。戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で発行することになります。
所有者が亡くなってしまった
所有者が亡くなってしまった場合、クルマを相続してから売ることになります。まずは所有者が亡くなったことを証明する「除籍謄本」というものを用意します。
次に、相続人の戸籍謄本と印鑑登録証明書を用意しましょう。亡くなった方と相続人の住所が違う場合、車庫証明を新たに取得しなおす必要があります。それらを準備したら、一般的なクルマを売る時に必要な書類を用意します。
所有者の名前が違う
所有者の名前が異なる場合、まずは所有者との間で話し合いが成立している必要もあります。所有者がディーラーや信販会社なら、ローンを完済していることが条件です。
クルマを売ったお金でローンが完済できる場合、買取店がディーラーや信販会社と書類のやり取りをしてくれます。完済できない場合は、不足分を自分で支払うなど、クルマの所有者と話し合いをしましょう。
所有者が異なる場合、まずは所有者との間でクルマを売ることに同意を得ている必要があります。亡くなっている場合は仕方ありませんが、ローン中のクルマに関しては、まずはローン会社に相談しましょう。
ローン残債がある車売却は「ローン残債があるクルマを売るにはどうすればいい?少しでも高く売るには?」で解説しています。
あった方が査定が有利になる書類
クルマを売るために必要な書類は、前章にてご紹介したものですべてです。しかしクルマを高く売るためには、以下の書類を用意しておくといいでしょう。
整備手帳・メンテナンスノート
クルマには、整備の記録となる「整備手帳・メンテナンスノート」というものがあります。これは点検のたびに発行されるもので、すべて揃えておくとプラス査定が期待できます。
助手席のグローブボックスに収納されているケースがほとんどなので、売却前に確認しておくことをおすすめします。整備手帳やメンテナンスノートに関しては、再発行が不可です。日頃から、なくさないように管理しておくと売却時に有利になります。
保証書
売却予定のクルマがまだ保証期間内なら、保証書も用意しておきましょう。保証書は、メーカーが一定期間内の無償修理を約束してくれる大事な書類です。
メンテナンスパックに入っている場合、その証書も忘れずに用意しておきましょう。保証書をなくしてしまった場合、ディーラーで再発行が可能。車検証を持っていけば、ディーラーで保証期間を照合してくれます。保証期間内であれば、無料で再発行してもらるので安心してください。
取扱説明書
取扱説明書は、助手席のグローブボックスに収納されているケースがほとんど。これらも売却時に揃っていると、減額を回避できます。取扱説明書は車両本体のものだけではなく、カーナビや安全運転支援システムのものも含まれます。数冊がまとめられているので、すべて揃っていることを確認しておきましょう。
他にも、購入時に渡された書類や説明書の類があれば、すべて用意しておくことをおすすめします。売却を検討しはじめた時、付属品のチェックは怠らないようにしましょう。
査定前に書類を用意しておくと売却がスムーズ
査定を受けた結果、思いのほか査定額が良かったというケースがあります。こうした時、書類が揃っていればすぐに手放すことが可能。印鑑登録証明書などは、発行から3ヶ月間は有効です。
売却を決めたら、先に市区町村役場で取得しておくことをおすすめします。買取店によっては売却を決めたら、その場にクルマを置いていくケースも多々あります。こうした時、書類を合わせて提示できれば、手続きがスムーズに行えます。
また、交渉材料の一つにすることもできます。交渉時に「今日満足できる価格になれば、書類はあるからすぐに手放してもいい」と伝えると、査定額がアップすることもあるのです。戸籍の附票や戸籍謄本が必要なら、郵送で取り寄せるのは1週間程度かかります。後で慌てなくて済むように、事前に郵送で申請しておくといいでしょう。
まとめ
クルマの売却には、意外と必要な書類が多いものです。慌てて用意すると、不備やミスが起きがち。そこで、本記事を参考にして、事前に書類を準備しておきましょう。
とくに、車検証の情報と現在の住所氏名が異なっている場合、必要書類が増えるので注意が必要です。書類をなくしてしまった場合、再発行まで時間がかかる可能性もあります。先に準備しておき、車売却をスムーズに行えるようにしておくことをおすすめします。