車査定する前は洗車をした方が買取額アップにつながるのか?

「クルマを売る時には洗車をした方がいい」とおすすめしているネット記事がよくあり、洗車をすると査定額が上がるのか気になりますよね。しかし、結論を先にお話しすると、洗車をしたから車査定額がアップするわけではありません

  • なんで車査定の時には洗車をした方がいいの?
  • 洗車をするメリットとデメリットを知りたい
  • 洗車をするなら傷や凹みも直した方がいい?

この記事では、車査定と洗車の関係をわかりやすく解説。どうして洗車が必要なのか、洗車をしないとどうなるのかをご紹介していきます。

「洗車はどの程度すればいいのか」という点もご紹介しているので、最後まで読むことで、売却の際に損をしないための最低限の洗車の知識が身につきます。

実は洗車に関する査定項目はない

洗車に関する査定項目

車査定の基準を確認すると、「洗車の有無」という項目はありません。車査定でチェックされる項目は、以下の通りです。

  • 車種の需要
  • 年式、走行距離
  • 外装の状態
  • 内装の状態
  • エンジンや足回りの状態
  • 修復歴や事故歴の有無

これを見ると、洗車が査定基準には含まれていないことがわかります。なぜ洗車の有無は査定基準に含まれないのかというと、それは査定時の天候に左右されてしまうため。洗車の有無が査定基準に含まれていると、雨の日に査定を受けると不利になります。

また、洗車は手軽にできる作業なので、査定基準にするほどでもないのです。まずは、洗車と車査定の関係を知っておくことが大切です。次章では、車査定基準について詳しくご紹介していきます。

査定基準となる6つの項目

車査定とは、買い取った後にどれほど再整備の必要があるのかを確認する作業です。つまり、簡単にできてしまう洗車は査定基準に含む必要がないのです。

  1. 車種の需要
  2. 年式、走行距離
  3. 外装の状態
  4. 内装の状態
  5. エンジンや足回りの状態
  6. 修復歴や事故歴の有無

上記6つの項目について、具体的にどんな内容なのかを解説します。

車種の需要

査定で最も大切な項目が、車種の需要があるかどうかです。つまり、人気車種なら高く、そうではない場合だと安くなってしまいます。軽自動車やコンパクトカー、ミニバンは人気が高いジャンルとして知られています。

最近ではSUVも人気が高く、こうしたジャンルのクルマは非常に高く売れます。中でも、各ジャンルの人気車種は車査定時も高く評価されます。

年式、走行距離

年式や走行距離も大事な項目で、年式は新しい方が高く評価されます。具体的には、新車登録から5年までは非常に高く買い取ってもらえます。

10年を超えると需要が低く、買取価格も安くなってしまいます。走行距離は10万キロを超えると、買取価格が下がると言われています。基本的には、1年1万キロを目安に考えておくといいでしょう。

外装の状態

洗車が関係してくるのは、外装の状態です。外装は、大きなキズや凹みがないかという点をチェックされます。もちろん、なにもない状態が最も高く、キズや凹みの数が多ければマイナスとなります。

内装の状態

人が乗り込む内装の状態は、車査定でとても重要なポイントとなります。車内の匂いはもちろん、シートにシミや汚れがあると大きなマイナスとなります。車内でタバコを吸っていた「喫煙車」はマイナス査定となるので注意しましょう。

エンジンや足回りの状態

クルマの走行に関連する部品は、車査定時に厳しくチェックされます。具体的には、エンジンの調子がいいかどうかが大事です。「変な音がする」「アイドリングが不安定」という状態は、エンジン不調としてマイナス査定となります。

また、ふらつきなく走行できるか、足回りの部品も細かく確認されるでしょう。こうした部品に重大な不具合が見つかれば、当然マイナス査定となるので注意しましょう。

修復歴や事故歴の有無

エンジンや足回りが故障している場合、疑われるのが事故歴や修復歴です。大きな事故を起こしたことがある場合、修理をしても完全に直っていない場合があります。

そうした時に、エンジンや足回りに不具合が生じてしまうのです。もちろん、完璧に直っていたとしても、修復歴がある場合はマイナス査定となります。

洗車は査定額に直接関係ない

車査定というのは、これらを総合的に判断する作業です。30分〜1時間の間に、こうした内外装のチェックを重点的におこなうのです。つまり、この車査定に洗車は直接関係ないのです。

洗車をしたから高く売れるという情報は、間違っているということ。しかし、洗車をしないと査定額が安くなる可能性があるので、次章で詳しく解説します。

査定前の洗車をする2つの理由

査定前の洗車をする理由

ここまでの情報を整理すると、車査定時は洗車をするメリットはないように思えます。しかし「車査定前に洗車はしておくべき」という結論は変わりません。どうしてなのか、以下2つの理由をご紹介します。

  1. 査定員の心象をよくするため
  2. 正確な車査定を受けるため

査定は人がおこなうものなので、どうしてもイメージは大きく関係してしまいます。上記2つの点について、詳しく解説します。

査定員の心象をよくするため

当たり前のことですが、車査定をするのは人間です。査定基準は決められたものがありますが、査定員の心情までは考慮されていません。

査定員としては、当然綺麗なクルマの方が心象がよくなります。人間は情報を関連付けるため、清潔な身なりのオーナーが綺麗なクルマを査定に出すと、それだけで「このクルマは大事にされていたようだ」と感じます

汚いクルマは「雑に扱われていたようだ」という、余計な先入観を植え付ける可能性があります。些細な点ですが、査定員の第一印象のためにも洗車は必要と言えるでしょう。

正確な車査定を受けるため

車査定前の洗車が必要と言われる、最も大きな理由が「正確な車査定を受けるため」です。査定は、外装に傷や凹みがないか確認します。その時に、クルマが汚いと細かな傷や凹みを確認できません。

査定時に洗車をするわけにもいかないので、査定員は「この汚れの下に傷や凹みがあるかもしれない」という前提で査定をします。すると、本当は汚れているだけでも、傷や凹みがあるかもしれないと判断され、マイナス査定になる可能性があるのです。

こうした誤判断は、洗車をしていれば防げます。もちろん、クルマを綺麗にすると傷などもすべて明るみに出ることになります。本当に付いている傷や凹みは、当然マイナス査定となってしまいます。しかし、汚れたまま車査定を受けるより、正確な結果が出るので後々トラブルに発展する可能性は低くなります。

車査定前に洗車はした方がいいが、どの程度の洗車が必要なのか

結論としては、車査定前に洗車は「した方がいい」ということが分かりました。洗車をしておけば、査定員の心象もよくなります。その上、外装の状態を正しく査定してもらえるため、正確な査定が受けられます。

洗車をせず、傷や凹みを隠して売っても、のちのちトラブルになる可能性があります。こうした点から、車査定前の洗車はプラス査定を狙うというより、マイナス査定を避ける行動であることが分かりました。

洗車は簡単なものでいい

洗車の目的は、正しい査定を受けるためです。洗車をすることがプラス査定になるわけではないので、簡単なもので構いません。

具体的には、ボディ全体の汚れを落とす程度。車査定前に時間が取れない場合は、ガソリンスタンドの高速洗車でもいいでしょう。手洗いの場合は、以下の手順で洗車をするといいでしょう。

  1. 大量の水でボディのホコリや汚れを落とす
  2. 洗車用スポンジで軽く洗う

洗車の前には、大量の水を使ってボディに付着したホコリや汚れを落としましょう。ボディには細かなゴミなどが付着しており、洗車用スポンジで擦ると傷の原因になります。ホースで水を大量にかければ、ホコリや汚れを洗い落とせます。

次に、洗車用スポンジを使い、シャンプー洗車をします。洗車傷を防ぐために、必ず洗車用スポンジを使用しましょう。洗車用シャンプーを泡立ててから、泡で洗うようにすると傷を防げます。

最後は、水で洗い流して拭き上げれば完了です。コーティングやワックスがけなどは必要ありません。

洗車の目的を知っておけば、最低限の手間をかけるだけで減額が防げます

傷や凹みは修理しない方がいい

もし、クルマに傷や凹みがあった場合、直してから売った方が高く売れるのかと考えます。しかし、結論を先にお話しすると、傷や凹みは直さずに売った方がいいのです。

理由は簡単で、マイナス査定の額よりも修理代の方が高いから。車査定の際、小さな傷や凹み程度であれば数万円の減額で済みます。しかし、修理に出すと10万円程度の修理代がかかるケースがほとんど。それだけ修理代をかけても、取り返せるほど高く買い取ってもらえません。

それなら、直さずに売却した方がいいのです。買取業者は、ほとんどが自社工場を持っています。自社で格安修理ができる都合上、傷や凹み程度であれば大きな減額にはしないのです。また、磨けば消えてしまうような小さな傷は、減額の対象にもなりません。

ドアノブの爪痕などは、コンパウンドという薬品で磨けば消えてしまいます。マイナス査定になるようなことはないので、そのまま車査定に出してしまって構いません。傷や凹みを見つけても、自分で修理しないようにしましょう。逆に汚くなってしまい、大きな減額のポイントになってしまいます。

洗車よりも内装の掃除を徹底すべき

洗車よりも内装の掃除を徹底
洗車に関する知識は、前章までの説明で理解できたはず。洗車は最低限で構わず、傷や凹みは直さずに査定を受けるのが正解です。それよりも、内装の掃除を徹底した方が、損をしないでクルマを売却できます。

車内清掃が必要な理由

洗車も大事ですが、それ以上に内装の掃除が大事です。理由は簡単で、車内は実際に人が触れる場所だから。車内が汚いと、大きなマイナス査定となる可能性があります。洗車が必要な理由と同じで、査定員は人間です。

汚い車内を見た時に「大切にされているクルマ」とは感じません。食べかすやゴミが散乱した車内を見れば「きっと雑に扱っているに違いない」と感じます。また、実際に人の手が触れる場所なので、不潔感は敬遠される理由になります。できる範囲で綺麗にしておくことで、マイナス査定を防げます。

車内清掃の手順

車内清掃は、以下の手順でおこないましょう。

  1. ゴミや不要物を片付ける
  2. フロアマットを外し、掃除機をかける
  3. シートや床に掃除機をかける
  4. 車内を拭き掃除する
  5. 消臭をする

1.ゴミや不要物を片付ける

車内にゴミや不要物がある場合、全て片付けましょう。車査定の際、車内には余計なものがない状態がベストです。ぬいぐるみなども、全て一旦車外に出しておきましょう。

不要物も、査定員はむやみにどかせません。その結果、汚れが隠れているかもしれないという判断を下される可能性があるのです。

2.フロアマットを外し、掃除機をかける

車内は足元が一番汚れています。フロアマットには土などが付着しているので、すべて取り外しましょう。フロアマットは水洗いせず、掃除機でゴミを吸う程度で構いません。

3.シートや床に掃除機をかける

シートの隙間には、ゴミや小石が挟まっていることもあります。こうしたゴミを取り除くため、掃除機をかけておきましょう。シートカバーが付いている場合、取り外して掃除しましょう。

車査定の際にも、シートカバーは外した状態にしておくといいでしょう。また、フロアマットを外した床にも、ゴミや小石が落ちているはず。掃除機で綺麗にしてから、フロアマットを戻しましょう。

4.車内を拭き掃除する

車内の手が届く範囲内は、すべて拭き掃除をしましょう。ベタベタしている場合、中性洗剤を染み込ませたタオルなどで拭き掃除をするのがおすすめです。中性洗剤を使った拭き掃除をする時は、必ず最後は水拭きを忘れないようにしましょう。

車内でタバコを吸っていた場合、ヤニ汚れが付着している可能性もあります。そういう時は、重曹を薄めた水をスプレーボトルに移し、吹き付けながら掃除をすると汚れが落ちます。ただし、重曹水は革製品には使えないため、吹き付ける場所はよく選びましょう

5.消臭をする

車内の匂いは、自分では気づかなくても他人はすぐに気づきます。そこで、車内清掃の最後に消臭をしましょう。方法としては、市販の消臭スプレーをシートなどに吹き付けるだけで構いません。

除菌成分も含まれているので、車内の除菌も行えます。晴れている日に、すべての窓を開けた状態で換気するのも効果的です。換気と同時に、日光による消臭効果も期待できます。

車内清掃は、上記の方法でおこなえば問題ありません。しかし、ペットを乗せていたり、車内でタバコを吸っていた場合、車内清掃はとくにしっかりおこなう必要があります。

ペットの毛は細かい隙間に入り込むため、隅々まで掃除機がけをした方がいいでしょう。消臭も徹底的におこない、できるだけ匂いを軽減させておくことをおすすめします。

傷や凹みは査定員とチェックするべき

車内外の掃除をすれば、いよいよ査定を受けることになります。中古車という特性上、どうしても新車のように綺麗にすることはできません。多少の傷や凹み、車内の汚れはそのままにして査定を受けることになるでしょう。

車査定を受ける時、傷や凹みの確認は査定員と一緒にチェックしましょう。自分が把握している傷や凹みは、事前に伝えておくのもおすすめです。お互いがクルマの状態を把握しておくことで、後々のトラブルの可能性を低くすることが可能。事故歴や修復歴も、知っている情報はすべて話しておきましょう。故意にマイナス情報を隠していると、契約後に減額トラブルに巻き込まれる可能性があります。

悪質な場合、返金を求められるケースもあるので注意しましょう。やましいことは隠すより、しっかり伝えることが大事です。隠す素振りを見破られれば、その分査定が厳しくなることもあります。

まとめ

洗車をしたからといって、車査定額が上がりません。しかし、洗車をしないことによって、正しい車査定が受けられない可能性はあるのです。その結果、本来なら減額されることがない箇所で、マイナス査定を受けることがあります

洗車は、クルマの状態を正しく判断してもらうために必要なことです。車内の清掃もしっかりおこない、清潔感のあるクルマに仕上げておきましょう。査定員も人間なので、綺麗なクルマであれば心象がいいことは間違いありません。

洗車も車内清掃も自分ですればお金もかからないので、やって損することはありません。車査定は、正直な態度で受けることが大切。修復歴や事故歴がある場合は、しっかり伝えて誠意を持って対応するようにしましょう。

この記事の著者

石川 貴裕

石川 貴裕 近影
上場企業で車一括査定サービスの責任者を従事。その際に大手の車買取店との折衝やコールセンターの見学を体験。JPUCなどの車買取業界の健全化に向けた取り組みにも参加。2017年12月に退職後、合同会社ラビッツを設立。合同会社ラビッツでは、中古車売買のお得情報を発信するメディア「パンダ店長が教える車買取・中古車購入バイブル」や不動産売買のお得情報情報を発信するメディア「不動産売却の教科書」を運営している。