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クルマを買い換えるタイミングは人によって異なるため、古くなってからクルマを売る人もいます。高く売れるわけがないと思いながらも、心のどこかでは「高く売りたい」と考えてしまうものです。
- もう古いクルマだし、どこに売っても買い取ってもらえないかな?
- ディーラーでは査定額が0円だった。廃車はお金がかかるし、なんとかしたい
- どんなクルマでも売れるって噂は本当なのか知りたい
実はどんなに古いクルマでも、処分料を払う必要はありません。それどころから業者選びを間違えなければ、古いクルマでも買い取ってもらえるのです。
●古いクルマは何が基準?
「古いクルマ」と一言で表しても、具体的にどんなクルマがそれに該当するのかわかりません。
●クルマの平均買い替え年数は約8.5年
一般財団法人 自動車検査登録情報協会が公開している「令和2年の平均車齢」によると、一般的な家庭は約8.72年(乗用車)でクルマを手放していると紹介されています。つまり、これを一つの指標とすると、8.72年を過ぎたクルマは「古いクルマ」と分類しても良さそうです。
とはいえ、中古車業界では10年落ちまでは普通の中古車として扱われています。そのため、新車登録から10年以内のクルマであれば、何の問題もなく買取店が買い取ってくれます。
もし、まだ10年が経過していないクルマを売りたいのであれば、買取店に売却しましょう。大きな故障や事故歴がなければ、相応の査定額が提示されるでしょう。
●10年を経過したら値段がつかない古いクルマとなる可能性
かつての日本では「クルマの寿命は10年10万km」と言われていました。そうした考えが現代でも根強く残っているため、中古車業界では10年を超えたクルマは極端に価値が下がります。
そのため、15年や20年が経過したクルマは、古いクルマとして値段がつけられない可能性があります。特に、故障していたり事故歴があれば、廃車として処分料を請求される場合もあります。しかし、例外もあるのでその点について少し説明します。
●20年、30年落ちでもスポーツカーは高く売れる
近年、1990年代のスポーツカーの価格が高騰しています。年式で考えれば20年や30年落ちとなり、古いクルマとして価値がないように思えます。しかしスポーツカーに限っては、海外で人気が高く、その価値が見直されています。
もし、古いクルマであってもスポーツカーであれば、廃車にするのはもったいないです。旧車専門の買取店に査定を依頼し、適正価格で買い取ってもらいましょう。
クラシックカーの専門店であれば、そうしたクルマを高価買取しています。特に、「スカイラインGT-R(第2世代GT-R/R35日産GT-R)」や「スープラ(JZA80等)」といった、映画にも登場するようなクルマを所有する方は、専門店での売却をおススメします。
●古いクルマが売れる3つの理由
10年を超えたクルマは古いクルマとして価値がないと判断するのは、日本国内だけです。視野を海外に広げると、日本車は品質の高さから古くても人気があり、20年や30年乗る人もいます。つまり、そうした人からしたら、10年や15年経ったクルマは十分新しいのです。
しかし、それはまだ走れるクルマに限った話で、故障車や不動車は「諦めるしかない」と思ってしまうかもしれません。
古いクルマが売れる3つの理由
- 理由1. 日本車は海外で需要がある
- 理由2. 部品自体に価値があるから
- 理由3. 鉄クズとして価値が残っている
理由1. 日本車は海外で需要がある
日本車は品質の高さから海外で人気があります。10年10万kmで買い替えてしまうのは日本人だけで、海外では20万、30万kmでも普通に使われています。中でも、以下のジャンルのクルマは海外で非常に人気が高く、高価買取が期待できます。
- SUV
- 商用車
- トラック
- ガソリン車
- ディーゼル車
SUVは悪路走破性が高く評価され、中東の国で需要があります。トヨタのランドクルーザーなどが代表で、古くても輸出用として高く買い取られています。
またハイエースに代表される商用車も、耐久性が高いことから東南アジアで人気です。いすゞのエルフなどに代表されるトラックも同様で、50万kmを超えても高い人気を誇ります。
また、古いガソリン車やディーゼル車は、コンピュータで制御されている箇所が少なく、メンテナンス性に優れています。そのため故障してもすぐに修理ができるということで、最新のハイブリッドカーよりも人気があるケースも珍しくありません。
発展途上国では、むしろ古いクルマの方が歓迎されることがあるのです。
古い軽自動車はあまり高く売れない
日本国内では大人気の軽自動車ですが、海外ではエンジンの出力が小さすぎて需要がありません。そのため日本国内でしか再販されず、海外に輸出されることはあまりありません。
そうなると、海外で需要がないため古い軽自動車は高価買取が望めません。その場合は、これからご紹介する部分で価値を見出すしかありません。
理由2. 部品自体に価値がある
海外で古い日本車が人気でも、メーカーはいつまでも部品の生産を行ってくれません。そのため、故障時に直すための部品が必要になります。
そこで、故障したクルマや事故車から部品を外して輸出することが多く、その需要があるのです。また日本でも古いクルマを大事にする人は多く、そうした人の補修用部品として需要があります。
例えば事故車であっても、フロントが大破していてもリアが壊れてなければ、リアの部品取り車として買い取られます。逆にリアが大破していても、フロントが壊れていなければエンジンなどに価値があるため、買い取ってもらえます。
理由3. 鉄クズとして価値が残っている
部品を取ることもできないようなボロボロのクルマでも、ボディや部品に使われている鉄に価値が残っています。クルマのボディは鉄なので、最低でも2〜3万円程度の価値はあります。
また、古いハイブリッドカーなら、レアメタルなどが摘出できるため、その価値は更に上がります。モーターからは磁石も取れるため、動かないクルマでも数万円で引き取ってもらえるでしょう。
●古いクルマを高く売る方法3選
古いクルマは高く売れないという一般常識がある以上、買取店はそこを理由に安く買い取ろうとします。査定時も「こんなに古いクルマは買い取れない」「逆に処分料が必要」などと話し、安く買い取ったクルマを輸出して稼いでいるケースもあります。
自分が損をしないためにも、そういう業者を避ける努力が必要です。
古いクルマを高く売る方法3選
- 相見積もりをする(車一括査定を利用が便利)
- 廃車専門の買取業者を利用する
- スクラップ工場に売却する
これからご紹介する3つの方法を知っておけば、自分が古いクルマを売る際に損をすることはなくなります。
方法1. 相見積もりをする
古いクルマは適正価格で買い取ってくれる業者が少ないため、複数社に査定をしてもらい少しでも高く買い取ってくれる業者を探す必要があります。しかし自分で何社にも申し込みをするのは非常に面倒なので、車一括査定の利用がおススメ。車一括査定というのは、複数の買取店に査定依頼をしてくれるインターネット上のサービスです。
車一括査定は申込みの際に、売りたいクルマの「車種、年式、走行距離」を入力します。その情報を基に、買取希望の業者から連絡が来ます。
つまり、申し込みの時点で古いクルマであることは伝えているので、連絡してくる業者は高価買取が望めます。ただし、ガリバーやビッグモーター、ネクステージなどは、オートコールシステムというものを採用しているため、入力情報に関わらず電話をしてきます。
しかしその際に「古いクルマである」とハッキリ伝えれば、買い取ってくれる場合は査定に来てくれます。自分で複数社を回るよりも効率的なので、古いクルマを売るなら 車一括査定を利用しましょう。
車一括査定はいくつかありますが「カーセンサー」がおススメです。
詳細については「【2022年最新】車一括査定のおすすめランキング決定版!6サイトを徹底比較」でご確認ください。
方法2. 廃車専門の買取業者を利用する
売ろうとしているクルマが不動車であれば、廃車専門の買取業者の利用も検討しましょう。動かないクルマは買取店に持ち込むことができず、出張査定も断られる可能性が高いです。
一般的な買取店は、整備したら動くクルマを買い取っているので、動かないクルマは対象外となってしまいます。しかし、廃車専門の買取業者は不動車でも買い取りを行ってくれます。
こうした業者は買い取ったクルマから部品を外し、中古部品として再販。クルマを買い取る目的が違うため、不動車でも問題ないのです。廃車専門の買取業者は、クルマの引き取りも無料で行ってくれます。
査定も車両の保管場所まで出向いてくれるので、自分でクルマを動かす必要はありません。不動車だけではなく、買取店で断られたクルマもこうした業者を利用することをおススメします。
廃車専門業者はいくつかありますが、全国対応&最低買取金額0円以上を保証してくれる「ハイシャル」をおススメしています。
方法3. スクラップ工場に売却する
あらゆる業者に断られてしまった場合、スクラップ工場に売却するという方法があります。スクラップ工場は、鉄クズなら何でも買い取っているので、クルマは鉄の塊ということで買い取ってくれます。
またスクラップ工場なら、事故車であっても買い取ってくれます。スクラップ工場は鉄をリサイクルしているので、クルマが動くかどうかは気にしません。そのためどんなクルマでも買い取ってくれるのですが、持ち込むためにクルマを動かす労力がかかります。
引き取りに来てくれるスクラップ工場はあまりないため、事前にクルマの買取を行っているか確認を取ってから行動しましょう。
●お金を払って廃車にするのはもったいない
ここまでの情報を簡単にまとめると、以下の5つのポイントが大事であることがわかります。
- 古いクルマは新車登録から10年以上経過したクルマのことを指す
- 古くてもスポーツカーは高く売れるから専門店に売却するべき
- 古いクルマが高く売れる理由は3つあるが、海外の需要が大きい
- 買取店は整備して動くクルマを買い取っているため、古くても動かないクルマはNG
- どこでも値段がつかないクルマは、廃車専門の買取業者かスクラップ工場に売る
このポイントを見ると、お金を払って廃車にするという選択肢がないことがわかります。つまり、どんなクルマであっても最終処分先があるということ。お金を払うのはもったいないのです。
しかし、売り先を間違えるとお金を請求されるケースがあります。それは、買取店に査定を依頼するケースです。すでにお伝えした通り、買取店は動くクルマを専門的に買い取っています。
そのため動かないようなクルマだと、逆に処分料を請求されてしまいます。しかし、これは買取店の事業内容を考えると当然。買取店も、こうしたクルマは買い取った後に業者に処分を依頼しているのです。
そのため自社の利益はないため、処分料を請求するのです。もし買取店で処分料を請求されたら、本記事でご紹介していることを思い出し、別の業者を利用しましょう。
そうすれば、お金を払うことなく古いクルマを処分できます。また裏ワザとして、どこにも引き取ってもらえなかったクルマはディーラーで引き取ってもらうというものがあります。これについて、次章で詳しく説明していきます。
●買い替えの場合、値段がつかなかったらディーラーへ
基本的にはディーラーの下取りよりも買取店の方が高く買い取ってくれますが、もし以下の条件に全て当てはまった場合はディーラーの査定を受けてみましょう。
- 新車に買い換える予定である
- 買取店やスクラップ業者、全てに0円と査定された
- ボロボロだけどまだ動く
ディーラーは新車を販売する所なので、古いクルマの処分が原因で新車が売れないのは困ります。そこで、サービスの一環として値段がつかないようなクルマを引き取ってくれるケースがあるのです。
どこの買取店やスクラップ業者で断られたようなクルマでも、新車の買い替えに伴う売却ならディーラーがおススメ。ただしディーラーはこうして買い取ったクルマを代車に利用するため、まだ動くことが最低条件となります。
また、買い換えるクルマが新型車で値引きができない場合、こうしたクルマに無理やり査定額をつけ、実質的な値引きをするケースもあります。ボロボロの古いクルマを売りたい場合、ディーラーの査定を受けてみるのも良いかもしれません。
●まとめ
一般的には10年落ち程度では古いクルマとは言わず、買取店でも普通に買い取っています。また15年や20年が経過したクルマでも、海外需要を見込んで高価買取している業者が多数あります。
古いクルマを売る際には、海外に販路がある業者を選ぶことが大事です。車一括査定を使って複数社に査定依頼をすれば、こうした業者とマッチングする可能性が高まります。またボロボロなクルマでも、部品や車体の鉄に価値が残っているケースも多く、スクラップ業者が買取してくれることがあります。
手数料を払って廃車にするよりも、一度買取店やスクラップ工場の査定を受けてみましょう。それでも値段がつかなかった場合、新車に買い換える予定ならディーラー査定を受けましょう。
サービスで無料で引き取ってくれるケースや、新車値引きの代わりに買い取ってくれるケースがあります。こうした方法を活用すれば、必ず古いクルマでも損せず売ることができるでしょう。
また、古いクルマでも高く売れるコツや時期がありますので、「クルマを売るならどこがいい?高く売れる時期やコツ」も参考にしてみてください。
(文:石川貴裕)