【自動車用語辞典:コネクテッドカー「eCall」】事故の発生を自動で連絡。テレマティクスを使った自動緊急通報システム

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■日本では2020年から搭載が義務化

●無線通信とGPSの技術を利用

欧州では、2018年3月31日からテレマティクス技術を使った「自動緊急通報システム(eCall)」の装備が義務化されました。日本でも、2020年から同様のシステムが義務化される予定です。

クルマとネットを繋ぐテレマティクスを利用した自動緊急通報システムについて、解説していきます。

●自動緊急通報システムとは

テレマティクスを利用したコネクテッドカーは、無線通信を利用して渋滞回避やナビゲーションなどさまざまなサービスを提供します。一方で、自動緊急通報による救命システムという直接人命にかかわる重要な役割も担っています。

欧州では、2018年3月31日からeCallと呼ばれる自動緊急通報システムの装備が義務化されました。自動緊急通報システムでは、事故発生時にエアバッグの展開を検知して、自動で事故の発生情報をコールセンターに通報します。コールセンターは、事故状況に応じて救急センターと警察へ出動を要請します。

救援到着時間が短縮されるほか、本人が通報できないような交通事故でも自動通報できるため救命率が向上します。救急隊員が現場に到着するまでの時間が、市街地では40%、郊外では約半分程度に短縮できると期待されています。

●自動緊急通報システムの仕組み

自動緊急通報システムでは、クルマにコールセンターと繋がるための無線通信機と衛星測位システムGPSを装備します。無線通信器によってインターネットや電話回線と繋がり、GPSはクルマの位置情報を正確に検出します。

自動緊急通報システムでは、エアバッグが開いた場合にコールセンターに事故発生を通報します。

エアバッグは、車体前部に装着された衝突検知センサーによって衝撃の大きさを検出し、エアバッグを展開するかどうかを判断します。

事故通報とともに、位置情報や発生時刻、進行方向、車種、車体番号も送信し、同時にコールセンターと通話もできます。コールセンターは、ドライバーや乗員の状況を確認しつつ、最寄りの警察や消防に事故現場の情報を通報し、速やかに出動を要請します。

自動緊急システムの概要
自動緊急システムの概要

●日本の自動緊急通報

日本でも2020年1月から新型車については、自動緊急通報システムの装備が義務化される予定です。ただし、この規制は自動緊急通報装置そのものの装備を義務化するのではなく、車載通信器をクルマに搭載する際に守るべき規定です。

内容は国際基準に準じており、欧州で施行中の自動緊急通報システムとほぼ同じです。

一方で法規とは別に、自動車メーカーが独自にテレマティクス技術の一環として自動緊急通報サービスを展開しています。トヨタの「T-Connect」、ホンダの「インターナビ」、マツダとスバルの「G-BOOK ALPHA」では、サービスのひとつとして「ヘルプネット」を用意しています。

ヘルプネットは、エアバッグ展開時だけでなく車載情報機器の画面からもコールセンターに接続することができ、事故以外にも急病や犯罪などの緊急事態も通報できます。


テレマティクスを利用した運転支援技術で「ぶつからないクルマ」を目指す一方で、自動緊急通報システムは最悪ぶつかった場合に乗員の人命を守るサービスです。

現在は、衝突センサーの出力を解析して乗員の受傷状況を推定することや、ヘリを使った救助などによって、さらなる救命率の向上を目指しています。

(Mr.ソラン)

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