【自動車用語辞典:コネクテッドカー「テレマティクス」】通信を利用してクルマに多彩なサービスを提供する技術

■「テレコミュニケーション」と「インフォマティクス」からの造語

●トヨタのT-Connectなどが代表例

テレマティクスは、テレコミュニケーション(通信)とインフォマティクス(情報処理)を組み合わせた造語です。通信を利用してクルマにさまざまなサービスを提供する自動車用情報通信技術の総称です。

テレマティクスの仕組みやメリットについて、事例を上げて解説していきます。

●テレマティクスとは

「コネクテッドカー」という表現が使われ始めて久しいですが、そのベースになるのがテレマティクスです。テレマティクスは、クルマなどの移動体に通信システムを搭載して、さまざまな情報をリアルタイムに提供する技術です。クルマにリアルタイムの情報を提供することによって、安心や安全を高め、利便性を向上させることを目的としています。

VICSでも渋滞や規制情報などを収集して提供できますが、車両検知器のある周辺場所の情報に限られます。テレマティクスは、サービス登録されたさまざまなクルマから情報が得られるので、より広範で多様な情報が収集できます。

●テレマティクスの役割

ほとんどの自動車メーカーは、すでに独自開発したテレマティクスシステムを採用しています。トヨタの「T-Connect」、日産の「カーウイングス」、ホンダの「インターナビ」などです。

メーカーのテレマティクスは、純正カーナビの付加価値を高める目的で組み込まれており、新車購入から一定期間は無料で使用できます。

サービス内容は各社で異なりますが、一般的にはナビゲーションの向上や交通情報、事故時の緊急通報、盗難時の自動通報などをリアルタイムで提供します。

●トヨタのT-Connect

テレマティクスサービスの代表例として、トヨタのT-Connectを紹介します。サービス登録車は、スマホの回線や車載通信機を介してクラウド上にある「トヨタスマートセンター」と繋がります。そこで多くのサービス登録車の情報をビッグデータとして収集処理して、各種のサービスを提供します。主なサービスは、以下の通りです。

・交通情報サービス
一般的な交通情報だけでなく、過去の情報をもとに行き先を予測しながらルート上の事故や渋滞状況、天気情報などを提供します。

・対話型オペレーション
オペレーターとの対話によるナビの操作や、AI(人工知能)との対話による目的地設定ができます。

・目的地や関連情報の推奨
過去の走行/行動パターンなどを学習して、推奨目的地や施設を提案します。

・地図の自動更新(マップオンデマンド)

その他の最新機能として、クルマの運転状況を販売店やセンターに送信して故障診断するリモートメンテナンスサービス、盗難防止のためのアラーム通知や車両追跡をするマイカーセキュリティなどがあります。

T-Connectの概要
T-Connectの概要

●e-Callシステム

欧州では、2018年4月から販売されるすべての新車に「e-Call」システムの装着が義務化されました。事故発生時にエアバッグと衝突センサー、発生場所の情報を、車載通信ユニットを介して事故センターへ自動的に連絡するシステムです。


すでに営業車では、車両診断や膨大なデータの解析による走行時の危険予知や運転管理のために、テレマティクスが活用されています。

一般車の場合は安心安全な走行に加えて、ドライバーの意図を先読みして目的地や音楽を提供するサービスなど、ドライバーの好みに合わせた快適なドライブのためにテレマティクスが利用されています。

(Mr.ソラン)

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