ジャガーのデザイナー、イアン・カラムが退任。後任は元ロータスのジュリアン・トムソン

「F-TYPE」から「I-PACE」までを手がけたカラム

ジャガーは、20年間にわたりデザインディレクターを務めてきたイアン・カラム(写真)の退任を発表した。後任には、現在クリエイティブデザインディレクターを務めるジュリアン・トムソンが7月1日付けで就任する。

カラムは、1999年のジャガー入社以来、世界有数のクリエイティブデザインチームを結成し、新たなデザイン哲学を確立してきた。そして、これまで数々のデザインに関する賞を獲得し、ジャガー・ブランドの復活に貢献してきた人物だ。

カラムが手がけた車両には、「E-TYPE」以来の2シータースポーツカー「F-TYPE」、スポーツサルーンの「XE」、ラグジュアリーサルーンの「XF」や「XJ」、ジャガー初のパフォーマンスSUV「F-PACE」、コンパクトパフォーマンスSUV「E-PACE」などがある。さらに同社初のフルバッテリー電気自動車「I-PACE」も彼が担当している。

Jaguar F-TYPE Convertible

ジャガー F-TYPE コンバーチブル

ジャガーでの20年を経て次に進むタイミング

カラムはジャガーでの日々に関して、次のようにコメントした。

「私はジャガーでとてつもなく素晴らしいキャリアを積むことができました。キャリアのなかで最も印象に残っている仕事のなかに『XF』のデザインがあります。この『XF』によって、これまでの伝統的なデザインからコンテンポラリーなデザインへと刷新させることができました。ジャガーにとって新しい時代の幕開けとなり、これは大きな転機でもありました」

「そして『F-TYPE』は私の夢を実現させてくれましたし、『I-PACE』によってこれまでのジャガーのイメージを完全に覆す革新的なデザインを生み出すことができました」

「私には、ジャガーにふさわしいデザインを取り戻すというミッションが課されており、20年の歳月をかけてやり遂げることができたと自負しています。ジャガーのプロダクトとデザインチームは力をつけ成長してくれました。今こそが、私個人としても、デザイナーとしても、次なるステップに進み、新たなデザインプロジェクトを模索するべきタイミングだと感じたのです」

「私にとってジャガーのクルマをデザインするということは生涯をかけた夢でした。今後もジャガー・ブランドのコンサルタントとしてジャガーに携わることができとても光栄です。ジュリアン・トムソンとは18年にわたって共に働いてきました。ジュリアンは才能あふれるデザイナーですし、ジャガーのデザインをリードし、未来を切り開いてくれるのにふさわしい人物です」

英国を代表するデザイナーとして数々の賞を受賞

カラムのデザイナーとしてのキャリアはフォード・デザインスタジオからスタートし、12年間在籍。その後、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)デザインのチーフデザイナーとして、アストンマーティンの「DB7」「ヴァンキッシュ」「DB9」などのデザインを手がけ、才能あるカーデザイナーのひとりとして世界に広く知られるようになった。

2005年には、英国ロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ(RSA)より、Royal Designer for Industryに選出。2014年にはこれまでの自動車デザインへの貢献に対して、デザイナー公認協会(Chartered Society of Designers)より、最も栄誉ある「ミネルバメダル」が授与された。

Jaguar XE

ジャガー XE

ブランドアンバサダーとして今後も活躍

ジャガー・ランドローバーの最高経営責任者(CEO)、ラルフ・スペッツ博士はカラムの功績について、次のように語っている。

「業界をリードするジャガー・デザインを確立してくれたイアン・カラムの功績は賞賛してもしきれません。最も進歩的で、既存のルールにとらわれず、感性に訴えかけるようなデザインを生み出してきた彼に敬意を表したいと思います。彼がジャガーの新しいデザイン言語を創造し、彼のジャガーに対する情熱が、この20年間で手がけてきたプロダクトたちにも息づいています」

「イアンがデザインしてきたモデルたちは革新的で美しく、未来的でありながらパイオニア精神にあふれたジャガーのヘリテージにも忠実です。これは彼の献身的な取り組みの証なのです。彼がデザインを手がけたどのモデルにも、彼の足跡が見て取れます」

「私としては、ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを獲得した革新的な3つのモデル『F-TYPE』、『F-PACE』、『I-PACE』は、彼が成し遂げた最大の偉業だと思っています。これらのモデルは、今後もジャガーを象徴するアイコンであり続けるでしょう」

「私個人としてもCEOとしても、イアンのこれまでの貢献に心から感謝の意を伝えたいです。そして今後もデザイン・コンサルタントとして、ブランドアンバサダーであり続けてくれることを大変喜ばしく思います」

「今後ジャガーのデザイン・ディレクターを引き継ぐジュリアン・トムソンを歓迎します。ジュリアンのチームが、ジャガーの新時代を築いていってくれるでしょう。これからはジュリアンが、世界の自動車デザインをリードするブランドとしてジャガーを導いてくれます。ジャガーの未来がとても楽しみです」

ロータスやVWで腕をふるってきた後任のトムソン

後任のジュリアン・トムソン(写真)は、これまでジャガーのクリエイティブデザインディレクターとして、将来のジャガー・ブランドの方向性を担うデザイン戦略を指揮してきた。

2000年にジャガーに入社して以来、現行ラインナップすべてのデザインコンセプトの開発を統括。彼は英国ダントンにあるフォードで自動車業界のキャリアをスタートさせ、その後ロータス・デザインでデザイン責任者を務めた後、フォルクスワーゲン・グループのコンセプトデザインセンターでエクステリアデザインの責任者を歴任した。

ジュリアン・トムソンは、今回のデザインディレクター就任に関して、以下のようにコメントしている。

「ジャガーのデザインディレクターに任命され、とても誇りに思います。才能にあふれたチームを率いることや、これまでの成功を引き継いでいくことができるのは名誉なことです。自動車デザインは常に進化しており、そのスピードはこれまで以上に加速しています。こうした変革をジャガーがリードし、未来を担うクルマのデザインを目指し、情熱をもって取り組んでいきます」

(GENROQ Web編集部)

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