【SUPER GT 2019】Modulo陣営の両チームは平成最後のSUPER GT予選をどう戦ったのか?(PR)

■予選では決勝での雨を予想し希望が繋がった「34号車Modulo KENWOOD NSX GT3」

4月13日〜14日に岡山国際サーキットで開催された「2019 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE」。4月13日14時45分から予選が行なわれました。

今年度のSUPER GTはGT300クラスが29台という大量エントリーで、コース幅の狭い岡山国際サーキットではGT300クラスの予選Q1が14台と15台という2グループ制となり、各グループの走行時間は10分。34号車Modulo KENWOOD NSX GT3はAグループでのQ1となります。

このQ1でドライブを担当したのが大津弘樹選手。大津選手は昨年の開幕戦の岡山でQ1を担当して以来の約1年ぶりのQ1担当。確実にAグループの上位8台に残るというミッションが与えられます。

昨年は大津選手とNSX GT3の双方がデビュー戦ということもあってQ2進出ならずでしたが、今年は見事にQ2進出を果たし、道上選手は「大津のQ1のトラウマを解消した」と語ります。

そして、続くQ2で上位を狙うべく道上龍選手がアタック!

序盤、快調にタイムを伸ばして行ったかに見えたModulo KENWOOD NSX GT3ですが、終盤1分26秒103からタイムが伸びません。

予選を終えた道上選手の表情は険しいものでした。

予選終了後のインタビューで道上選手は「NSX GT3はEVOモデルになって昨年に比べればリアのグリップがかなり改善していますが、フロントの荷重が弱いのと思ったよりも路面温度が上がらないのでグリップが不足している感じです」とマシンのセッティングを説明しています。「レールに乗る感覚が希薄というか、フロントのグリップ改善がキモ」と言いながらも「明日の決勝では雨の予報が出ていますからレインタイヤを使えばまた違った展開になってくると思います」と、決勝レースへの希望を捨ててはいません。

天気次第でレース結果が大きく変わるだろうと言うことは全てのチームが考えていることではないかと思われますが、Modulo KENWOOD NSX GT3では雨のレースでの予想をポジティブに考えているところが印象的でした。

■タイヤを暖める間も無く13位となってしまった「64号車Modulo Epson NSX-GT」

GT500クラスの予選はグループ分けこそなかったものの、今回は10分で行われます。

64号車Modulo Epson NSX-GTは13日朝に行われた公式練習でナレイン・カーティケヤン選手がペナルティを受けたために「予選Q1での最初の5分を走ることが許されないと言う状況での予選となった」と中嶋悟総監督は説明します。

ラップタイムで1分25秒程度で3周から4周を周回しタイヤを暖めてから一発勝負のアタックをするのに、10分でも短いのでは?と思ってしまうところですが、Modulo Epson NSX-GTではタイヤを暖めるのに多くて2周、その直後にタイムアタックと、どんなに頑張っても最大で4周しか走れないという中での予選Q1となってしまいました。

Q1を担当した牧野 任祐選手は「タイヤの暖めが全く出来ない状態でのタイムアタックはかなり厳しい」と語ります。

その結果、予選Q1での敗退となってしまい、予選順位は13位。

しかし決勝が雨ともなればリアミッドシップという駆動方式によりコーナーの立ち上がりがライバルに特性的に比べて有利になるNSX-GT勢ですから希望は大きいものとなるでしょう。

ミッドシップという特性も含めGT500とGT300でともに戦っていくModulo陣営の2台の動向に注目です。

(写真:松永和浩、高橋秀彰 文:松永和浩)

Sponsored by Honda Access

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
続きを見る
閉じる