ベントレー コンチネンタル GT コンバーチブル初試乗! 見た目以上に贅沢なオープン4シーター

BENTLEY Continental GT Convertible

ベントレー・コンチネンタル GT コンバーチブル

極上グランドツアラーのオープントップ

モダンベントレーの主力というべき大型2ドアクーペのコンチネンタルGT。第三世代を迎えた現行型においても従来と同様の派生モデルが充実しつつある。GTC改めGTコンバーチブル、そしてV8搭載モデルがすでに追加しており、今後はサルーン系や高性能仕様系などの登場も期待できるはず。

今回の主役である「GTコンバーチブル」のインプレッションを始める前に、現行型コンチネンタルGTのおさらいをしておこう。

第三世代は、これまでのアウディA8系に代わって、ポルシェ・パナメーラ由来のFR系モデューラープラットフォーム(MSB)を使用した。結果、前二世代とは比べものにならないほど高い運動性能を手に入れている。極上のグランドツーリングカーでありつつも、スポーツカー的な楽しみも備わったというわけだ。

エレガントな佇まいに、635ps&900Nm

何が決定的に違うのか。新旧並べて真横から眺めてみれば一目瞭然である。新型の前輪位置が旧型に比べて135ミリも前へ移動しているのだ。さらにロングホイールベース+ショートオーバーハング+ワイドトレッドとなったため、ハンドリング性能が大幅に向上することに。それだけじゃない。スタイリングの面でもいっそうスポーティさが強調されるという副産物もあった。

クーペでもタイヤ(ホイールハウス)とキャビンとの位置バランスに優れていたが、コンバーチブルになってその恩恵がいっそう強まったように思う。低くワイドなスタイリングにリアフェンダー周りの伝統的なシェイプがさらに強調され、今まで以上にスポーティでかつエレガントな存在感をみせるに至ったからだ。

パワートレインは、クーペでお馴染みの6.5リッターW12 TSI+8速デュアルクラッチトランスミッション+4WDで、最高出力635ps&最大トルク900Nmを発揮。0→100km/h加速は3.7秒、最高速も333km/hというから、優雅な大型コンバーチブルには十分過ぎる性能だろう。

ソフトトップの開閉はわずか19秒

コンバーチブル化の要点をまとめておく。5層からなる新開発のZ型フォールド式ソフトトップを採用した。相変わらずベントレーのチョイスはハード(リトラクタブル式)ではなく、ソフト。見た目の雰囲気はソフトトップのほうが圧倒的にエレガントだと思う。加えて、ルーフ面積の狭い2シーターのミッドシップならまだしも、フル4シーター用のリトラクタブルハードルーフともなればそれなりに嵩むし重くなる。ルーフパネル開閉による重心の変化や収納時のデザイン劣化あたりも見過ごせないマイナスポイントだろう。

開閉の要する時間はわずかに19秒。50km/h以下であれば走行中の開閉も可能で、このあたりもまたソフトトップ採用の利点だと言っていい。

快適性はもちろん、静粛性も向上!

筆者が注目したのはソフトトップカラーだ。アウター7色、インナーは8色も用意された。なかでも世界初らしいブリティッシュ・ツィード柄アウターが洒落ている。グレーやベージュ、ブラウンといった落ち着いたボディにツィードのトップを組み合わせて・・・などと考え始めると本当に欲しくなってしまった。英国老舗ブランドだからこそのコンビネーションだ。

Z型フォールド式とした結果、以前より軽くなり、快適性も増している。特に静粛性の向上には目を見張った。トップクローズドの状態で先代クーペよりキャビン内は静かになったというから驚く。新型コンバーチブルのボディそのものは、従来モデル比でおよそ2割軽くなり、5%の剛性向上をみた。

意外にも良い「ダブグレー」

国際試乗会はスペイン・マルベーリャ屈指のリゾートホテルを起点に行なわれた。そこから決められたルートに沿ってセビーリャまで走る。

用意された新型コンチネンタルGTコンバーチブルのプリプロダクションの個体は全部で16台。鮮やかなオレンジフレームやラグジュアリーなシルバーレイク(アイスブルー)など最近のベントレーは派手な色もお似合いだが、個人的に気に入ったのがダブグレーにペイントされた個体だった。

クリーミーな灰色のエクステリアに、クリケットボール(赤っぽいブラウン)のインテリア、あえてピアノブラック(新型コンチネンタルGTでは上下二分割のトリムカラーが選べる)のモノトリム仕立て。「このコーディネーションが一番好きだなぁ」と眺めていると、車両配車の担当者が「これが貴方たちの車よ」とキーを渡してくれたのだった。

嬉々として乗り込んだ。相方(ペアを組んで試乗する)の要望も聞かず問答無用にいきなりオープン。トップの開閉音はとても静か。開閉スイッチを押す指先でもそう感じられるほどスムースに開く。

せっかくだからと一旦エンジンを停めて、オープンスタイルをあらめて堪能するため車外へ。ブラックアウトされた22インチのオプションホイールやグリル、モール類は決して筆者の好みとは言えなかったけれど、ダブグレーのボディ色にはかなり似合っている。そしてやはり真横からのスタイルが以前よりずっと美しい。リアフェンダーの流れにRタイプ・コンチネンタル由来のデザインをいっそう強く感じるし、路面を掴んで放さないような安定感もあった。

コンバーチブルともなれば、インテリアが際立つ

現行型コンチネンタルGTのもうひとつの魅力にラグジュアリー極まったインテリアデザインがある。クーペでは乗り込んだオーナーのひそかな楽しみでしかなかったけれど、コンバーチブルともなれば、より多くの人の目に触れることになる。自分のクルマでもないというのに、もっとみんなに見て欲しい、と妙に心が浮き立った。

ちなみに。インテリアデザインに関して言うと、前2世代のダブル・ウィングタイプダッシュボードが個性的で良かったと思っている方も多いはず。筆者もそのひとりだ。新型のダッシュボードはよくあるT字でユニークさに欠ける。けれども大型モニターなど最新装備のためにはWウィングを諦めるほかなかった、とはインテリアデザイナーの弁だ。その代わり、ロータリー式パネルのような“飛び道具”を新たに導入したのだった。

ドライブはすべてお任せの「Bモード」

ドライバーズシートに戻って走り出す。ドライブモードセレクターはクルマにすべてお任せのBモードに。エンジニアもオススメだったこのモード、コンフォートからスポーツまでドライバーの思いに忠実な走りを実現する。

この手のハイエンドカーではドライブモードなんて選ばずに済めばそれにこしたことはない、と個人的には思う。パワートレインや足まわり、ボディ、ステアリングホイールなど多くのパフォーマンスファクターが可変電子制御となり、これらを司る超優秀な頭脳(コンピューター)が搭載されている今、最良の状態をクルマに判断させたほうが良いに決まっているからだ。

コンチネンタルGTコンバーチブルでもコンフォートやスポーツなど全てのモードを試してみたが、街乗りから峠道、高速道路まで最も気持ちよく走れたのがBモードだった。

大型のコンバーチブルであるにも関わらず、身体によく馴染んで走るという感覚が常にある。ひとつだけ文句をつけるとすれば、それはゼロ発進時など微速領域におけるDCTの制御だ。ちょっとギクシャクする場合があった。プリプロダクションの個体とはいえ、すでにクーペは市場に出ている。早急に対処していただきたい。2ドアモデルならスポーティだから、と許せても、フライングスパーでは許されないから心配だ。

自在なハンドリング性能

とはいえ、そんなマイナス点も速度にのったあとにはすっかりと忘れてしまった。運転しやすくなったことにあらめて感動する。フロントヘビーをまるで感じさせず、フロントミッドシップであるかのように自在なハンドリング性能をみせる。

両腕の動きに前輪がダイレクトに繋がっているという感覚さえあって、ボディサイズをまるで気にすることなく、ライトウェイトカーなら喜びそうなワインディングロードも易々とこなした。パワー&トルクフィールは常に申し分なく、ブレーキの効きもフィールも上々で安心感があるから、ついついアベレージスピードが上がっていった。

よくできた乗用車であり、GTであり、そしてオープンスポーツである。ブランドや見た目以上に贅沢なモデルだと言っていい。

REPORT/西川 淳(Jun NISHIKAWA)

【SPECIFICATIONS】

ベントレー コンチネンタル GT コンバーチブル

ボディサイズ:全長4850×全幅1954×全高1399mm
ホイールベース:2851mm
トレッド:前1672 後1664mm
車両重量:2414kg
前後重量比:55:45

エンジン:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5950cc
圧縮比:10.5
最高出力:467kW(635ps)/6000rpm
最大トルク:900Nm/1350-4500rpm
トランスミッション:8速DCT
駆動方式:AWD

ステアリング形式:電動パワーアシスト(可変レシオ)
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
ディスク径:前420×40 後380×30mm
キャリパー:前10 後4ピストン
タイヤサイズ:前265/40ZR21 後305/35ZR21

最高速度:333km/h
0→100km/h加速:3.8秒
CO2排出量:284g/km

車両本体価格(税込):2818万円

(GENROQ Web編集部)

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