ジネッタ アクラ 完全解説。LMP3マシンで得たノウハウを受け継ぐFRスーパースポーツ

GINETTA AKULA

ジネッタ アクラ

約5000万円のスーパースポーツ

今年のジュネーブ・ショーで、イギリスのジネッタが驚異のスーパースポーツをデビューさせた。ジネッタといえば、コンパクトなライトウエイトスポーツやLMP3マシンなどのレーシングカー開発で世界的にも有名なメーカーだが、今回彼らが挑んだのは、スタート価格が34万ポンドという約5000万円からのプライスタグを掲げるスーパースポーツモデル。「アクラ」と呼ばれるネーミングはロシア語で“鮫”を意味するとともに、ロシア海軍の攻撃型原子力潜水艦の艦級としてNATOが与えたものであるともいう。ともあれその速さ=破壊力は大きな脅威であることは確かなものだということなのだろう。

20台の限定生産

ジネッタのCEOであるローレンス・ロムリンソンは、このアクラの開発は、ジネッタ自身にとっても非常に多くのことを学習させてくれたプロジェクトだったと語る。そして実際にアクラは、2020年から生産を開始し、20台のみがカスタマーにデリバリーされる予定となっているのだが、ジネッタには早くもそのプロトタイプをテストドライブするために、17人の熱狂的なファンが訪れたという。名門ジネッタが初進出するスーパースポーツの世界とは、はたしてどのようなものなのか。

LMP3マシンをモチーフにしたデザイン

アクラのデザインは、実に斬新だ。とりわけ特徴的なのは、LMP3マシンをモチーフとしたことが一瞬でわかるフロントセクションの造形。リアセクションが比較的オーソドックスなデザインにまとめられているのを見ると、冷却効果を含めたエアロダイナミクスが、いかに徹底されているのかがよく分かる。ダウンフォースは160km/h走行時に376kg。これはLMP3マシンと比較して、わずかに5%低いだけの数字だ。

ボディのマテリアルは、もちろんカーボンファイバー。シャシーもカーボンファイバー製のタブが基本構造体となるため、アクラのウエイトは乾燥重量で1150kgと驚異的に軽い。ちなみにこれはLMP3マシンに対して5%ほど軽い数値。前後の重量配分も49:51と理想的にまとめられた。ウエイトは1150kgとされる。

最高出力600ps、最大トルクは700Nmを発揮

フロントにミッドシップされるエンジンは、アルミブロックから削り出された90度V型8気筒で、排気量は6リッター。最高出力は600ps、最大トルクは700Nmを発揮する。重量配分を最適化するためにリアに搭載されるトランスミッションは6速のシーケンシャルギアボックスを採用。ステアリングの背後にはカーボンパドルも備わるが、カスタマーの好みによっては、ステアリングそのものをカーボンとすることができるという。

高性能GTの役割も果たす

前後のサスペンションは、ダブルウイッシュボーン形式で、リアサスペンションにはプッシュロッド式が採用されている。トラクションコントロールやABS、パークセンサー、リバースカメラ、ワイヤレスフォンチャージングといった装備も充実しており、このアクラで旅行に出たいカスタマーには、675リッターの容量をもつラゲッジルームが大きな助けになるだろう。

ライトウエイトスポーツからスーパースポーツの世界へと進出を果たしたジネッタ。はたしてデビュープロダクト「アクラ」はどのような評価を受けるのか? これまでのジネッタ製ライトウエイトスポーツの走りを知る者にとって、スーパースポーツカーとなった最新作もまた魅力的に感じるのだろう。

REPORT/山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

(GENROQ Web編集部)

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