ホンダのタイプRが欲しいならFD2シビック一択か!? その理由を老舗ホンダチューナーが語る

タフなK20Aエンジンを有し、良好な中古車が多数流通している今が買い!

ベースの素性良さを活かし必要最小限で走りの痛快感を高める!

足まわりやブレーキバランスといったコーナリングマシン構築へウエイトを置き、パッケージングのブラッシュアップを細やかに図るRG-O。そんなホンダチューナーが今イチオシしているチューニングベースがFD2だ。

ご存知のとおり、走りの良さが魅力のシビックタイプRはEK9からFK8までデリバリーされているが、FD2は4ドアセダンのボディ形状が与えるイメージが影響してか、チューニングベースとしての注目度は今なお低め。しかし、走りを楽しむ素材として分析すれば、高いボディ剛性やホイールベース長さから引き出される安定感、完熟領域に達したK20Aといった具合に、FD2は隙のない1台とRG-Oでは考えているのだ。

今回取材したFD2は、保安基準適合車両でタイムアタックを楽しむJAFサーキットトライアル参戦を目的に製作された1台。2名乗車でロールケージも張り巡らされた攻めのインテリアだが、基本は吸排気チューンでフットワークを煮詰めたストリート+A仕上げといった仕様だ。

気になる速さ引き出しのポイントは、ロングホイールベースならではの安定感を活かしながら旋回性を高めたフットワークセッティングとシーン問わずにパワーバンドをキープするDC5純正ギヤを流用したクロスミッション。速さを突き詰めていくならエンジンチューンや空力強化といった選択肢もあるが、こうしたアプローチだけでもベース車両の素性良さを活かして十分な速さと走りの痛快さが引き出せる。

ちなみに速さを狙うFFセットアップではフロントタイヤのサイズアップと空力強化が定番となるものの、FD2でその手法だと軽快なハンドリングとコントローラブルさがスポイルされるとRG-Oでは判断。タイヤサイズを攻めていけば限界領域でABSが介入した際にピーキーさも生まれるため、フロント235、リヤ225の18インチでマッチングを追求した。

タマ数豊富で車両価格も手頃、ツボを押さえた必要最小限のセットアップで質の高い1台へ仕上げられるFD2。RG-OではFD2チューニングだけでなくコンプリート製作も行なっているため、シビックタイプRならではの痛快な走りと速さを求めるなら1度相談してみると良いだろう。

DC5とはエンジン型式こそ同じでもFD2のK20Aは圧縮比など見直されて完成度は高い。走行距離が伸びている場合はオーバーホールついでのファインチューンもおこなうが、基本は吸排気チューン+ECUで十分なポテンシャルが引き出せると考える。

吸気チューンの理想はフレッシュエアでの吸気効率アップ。エンジンルーム内の熱影響を受けないボックス形状でフレッシュエアを供給する無限・ハイパフォーマンスエアクリーナー&ボックスで吸気効率の最適化を図った。

装着パーツや走行ステージも踏まえ、燃調や点火など現車セッティングで仕上げていくRG-OのECU。今回のFD2では4-6速をクロス化したギヤも考慮し、VTECの切替えポイントはノーマルよりも500回転引き下げた5300回転でセットアップした。

筑波や富士、セントラルなど多彩なサーキットへ対応させるべく、ファイナルは5.1のままで4〜6速をDC5純正流用によるクロス化。ストリートでの使い勝手は犠牲とせず、攻め込んだ際にパワーバンドを外さない。

エナペタルベースでセットアップされたオリジナルダンパーキット。フロントをしなやかにストロークさせて旋回性を高めることがFD2攻略ポイントとなるため、ケース長を特注して7インチ・14㎏/mmのベステックススプリングをチョイスする。ノーマルで突き上げ感の強いリヤは減衰力がリニアに立ち上がる単筒式とするだけでも大幅に改善される。

踏力に応じた制動力とブレーキバランスへこだわるRG-Oでは、IDIのブレーキパッドをベースにドライバーの好みや走り方にあわせて細かくセットアップ。リヤが効き過ぎれば旋回性低下&ABS介入も顕著となるためリヤパッドにはオリジナルスペックも用意する。

フェンダー加工で255サイズも履きこなせるFD2だが、コントローラブルさとトラクションの両立を考えるなら235サイズがベスト。グリップレベルの高さと引き換えに軽快感が薄れ、限界領域でABSが介入した際にピーキーさが生まれるからだ。

サーキットトライアル参戦を重視したため無限・ワンメイク用ロールケージを投入しているが、ボディ剛性が高いためストリートメインならロールケージは不要。快適性と速さを兼ね備えたオールラウンド仕様へと仕上げることもOKだ。

RG-O 大住さん

「FD2は4ドアセダンのボディであまり注目されていませんが、ホイールベースの長さやキャスター角などで安定方向に仕上げられているため歴代シビックの中でも非常に乗りやすい1台。単純に足まわりを硬めてねじ伏せようとするのでなく、フロントにしなやかさを与えれば旋回性と安定感を共存させたコーナリングマシンへと仕上げられます。K20A自体がタフですし、ストリートメインでコンディション良好な中古車も多数流通していますので、走りの1台をこれから手に入れようと考えるならFD2はイチ押しですよ」

取材協力:レーシングガレージ大住

web option編集部

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