平成最後の今だから、昭和後期のゼロヨン模様。トラスト、JUNのタイムは? その5【OPTION 1986年1月号より】

期待のマル秘開発マシン、ピットでミッショントラブル発見! 走行できず
<山野レーシング・コルベット> V8 7.5L/リタイア

●メカニズムチェック

ドラッグ界でアメリカンV8の実力を見せつける山野レーシングが、ついに最終兵器を作り上げた。ベースマシンは65年式オープンボディのコルベット。しかしその中身は、まさにドラッグマシンそのものだ。

エンジンで注目する点は、アルミブロック。鋳鉄製のブロックは単体で90kg以上だが、アルミ製なら約45kgと半分になる。圧縮比13.5に設定する鍛造ピストンにテーパータイプのピストンピン、スパイルロックを使った本格派。またヘッド周りには鋭いエンジンレスポンスを作り出すローラーリフター&ロッカーアーム、4重式のバルブスプリング、チタン製バルブリフター、作用角330度のスペシャルカムなど。

WEIANDのトンネルラムにはホーリー850cfm改が2個付けられて、日本にあるビッグブロックとしては信じられない、レブリミット9000rpmになっている。駆動系で注目するのはデフをフォードの9インチタイプのホーシングに変更していることだ。これでコルベットをドラッグ用にしたときの弱点をカバーしている。

今回は9秒台を確実にマークすると思われたが、走行前にミッションのトラブルが発生したため、一度も走らずに終わった。しかしこのマシン、赤マルで注目したいマシンだ。

ゼロヨンスペシャル・ステージ
かっとびゼロヨンマシンのこれが終速だ!

終速データはスピードガンによりゴール地点のはるか先から狙ったものだ。が、全トライチェックしたわけではないので、必ずしもこの数字がベストタイム・マーク時とは限らない。また、前面投影面積が小さく終速の高いマシンは、スピードガンが騙されている可能性もあるので、○km/h以上と記した。

対してATS-BMスターレットやユアーズRX-7をはじめとするデータはほぼ正確といっていい。まぁ、おおざっぱに見てゼロヨン11秒台前半のマシンは終速200km/h以上、11~12秒台のマシンは190~200km/h、12~13秒台で180km/h台って感じだね。

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リタイア2台…残念! オマケとして400m通過地点の速度計測(スピードガン計測なので大体こんな感じという数値)も紹介しました。しかし古~いモノクロページの画像からでも、この日の熱さが蘇ってくるようですね。さて、まだまだ昭和のOPTION誌紹介は続きます。次にご紹介するのは…多分アレです!(=決めていない!!)

[OPTION 1986年1月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの

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この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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