【国内テスト】ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ 上陸! 可変空力システムの真髄を実感。

Lamborghini Aventador SVJ

ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ

進化というレベルではない「SVJ」

ランボルギーニのフラッグシップ、アヴェンタドール。2011年のデビュー以来、名作カウンタックの流れを汲むモデルとして常に支持されてきたこのスーパースポーツも確実なる進化を遂げ、2016年には40psのパワーアップと同時に後輪操舵システムを搭載した「アヴェンタドールS」へと進化。そのときの衝撃も相当だったが、先ごろ日本に上陸したばかりの「アヴェンタドールSVJ」はそれどころではなかった。初期型アヴェンタドールの時に限定600台で用意されたアヴェンタドールSV(スーパーヴェローチェ)の差も相当だったが、SVJは生半可なレベルでは収まらず、もはや本当に公道で走っていいのか、疑問が残るほど見事なパフォーマンスで乗り手を圧倒する。

ハイライトは可変空力システムの「ALA 2.0」

なんと言ってもこのアヴェンタドールSVJのハイライトは、可変空力システムの「ALA(エアロダイナミカ・ランボルギーニ・アティーヴァ)」の搭載である。これは、すでにリリースされているウラカン・ペルフォルマンテのALAの進化版で、正確に表すると「ALA 2.0」と呼ばれるもの。シーンに応じて高いダウンフォースはもちろん、場合によっては抗力を低下させることを可能にするために、前後のスポイラーに仕掛けられた電動モーターによってフラップを開閉し、エアの流れを制御する。これによってエアロ・ベクタリングをも実現するとあって、ストレートのみならずコーナーでもその効果を発揮する。

770psと50kgの軽量化。

しかもアヴェンタドールSVJは、ミッドに搭載される自然吸気式V型12気筒DOHCエンジンにも手を加え、吸気バルブをチタン製に改めるなどレスポンスを改善、そのうえで30psのパワーアップを果たし、実に770psを誇るツワモノに仕上げられている。これに4WDと4WS、さらに可変ステアリングが備わりながらも、欲張りのように50kgもダイエット。細部に渡りカーボンを使用するなど、その徹底さ加減は、昨今のランボルギーニが見せる生真面目さがこの1台によく現れている。

凄まじい「V12」のパンチ力!

そんな予備知識をもって、アヴェンタドールSVJと対峙したのだが、走り出した瞬間、すべてを後方に置き去りにした。この加速性能は尋常ではない。何しろ0 – 100km/h加速2.8秒である。とてもV12エンジンとは思えない瞬発力だ。770psだということを意識して乗り始めたものの、そんな数字はどうでもいいくらいに思えてくるパンチ力である。ギアボックスも同様。シングルクラッチ式のセミATだからといってナメてはいけない。確実に変速スピードは高められ、シフトショックも従来のアヴェンタドールSより改善されているようで、実にスムーズかつ素早く反応した。

ビンビンに刺激するフィーリング。

そして、これらに加え、常に軽快感が得られるのもSVJの特徴だ。30psのパワーアップに50kgの軽量化は、思っていた以上にダイレクトに伝わってくる。その感覚を例えるなら、レーシングマシンのそれに近くなったとでもいおうか、V12の鼓動も、路面のアンジュレーションも、ハンドリングの手応えも、まさにビンビンに刺激する。だからこちらも本気モードに突入してしまうのだが、その瞬間、このままだと「ヤバイ!」が先だった。即ち、これはとても公道では扱いきれないレベル。いや、すでに公道でも・・・である。

這いつくばるようなコーナリング!

その真髄を見せつけられたのは、コーナリング時。まるで路面に這いつくばるようにクリアするそのフィーリングは、ドライバーを急き立てるようにコーナー時であるにも関わらず、さらにアクセルを踏ませる傾向にある。安定感もさることながら姿勢変化が見事! コルサモード時などステアリングにはずっしりとした手応えを感じながら路面と対話し、微妙な動きにも敏感に反応するだけに狙ったラインを描きやすい。まさにこの安定感はALAによるものだろう。その恩恵を感じながらも、さらに攻め続けると・・・。

素晴らしきブレーキスタビリティ!

ブレーキ性能も優秀なことを深く思い知らされた。これは明らかにカーボンセミラックディスクを装備しているからという印象ではない。確実にALAの効果である。このブレーキスタビリティは素晴らしい! フェラーリやマクラーレンも優秀だが、ミッドにV12を搭載するモデルとしては異例とも言えるほどしっかりと応える。その昔、ディアブロやムルシエラゴの時に止まることに不安を覚えたものだが、遂に(と言っては失礼だが)、ランボルギーニもここまで来たか!と妙に感動してしまった。というか、想像を超える出来栄えである。

公道では試せない高次元のパフォーマンス。

しかし、このアヴェンタドールSVJの本領はこんなレベルではない。やはり公道では無理。それが私の結論でもある。これはサーキットでこそ真価を発揮するスーパースポーツだ。公道では手に余りすぎて、かわいそうになるくらいパフォーマンスを発揮できない。ウラカン・ペルフォルマンテもそうだが、アヴェンタドールSVJは、それをも遥かに超越している。これなら確かにニュルのラップタイムを塗り替えるができたのも頷ける。とにかく安定して速すぎる。しかも常に軽快かつ刺激的に、だ。

「J=イオタ」の名に恥じないのは確か。

デビュー当初、SVJの名を与えたことに「また、昔の名前を使っているのか!」などとぼやいていた自分だが、今では深く反省している。アヴェンタドールSVJは、JOTA=イオタのネーミングに恥じない名作として歴史に名を刻むはずだ。久々に一生をかけて飼いならしてみたい1台に名を連ねた。それほど、このアヴェンタドールSVJは、私の想像を遥かに超えたランボルギーニだ。次こそぜひサーキットで全開にしたいものである。

REPORT/野口 優(Masaru NOGUCHI)
PHOTO & MOVIE/小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)

【SPECIFICATIONS】
ランボルギーニ アヴェンタドール SVJ
ボディサイズ:全長4943×全幅2098×全高1136mm
ホイールベース:2700mm
トレッド:前1720 後1680mm
乾燥重量:1525kg
車両総重量:2050㎏
前後重量配分:43:57
エンジン:60度V型12気筒DOHC48バルブ
ボア×ストローク:95×76.4mm
総排気量:6498cc
圧縮比:11.8
最高出力:566kW(770ps)/8500rpm
最大トルク:720Nm/6750rpm
トランスミッション:7速SCT
駆動方式:AWD
サスペンション形式:前後ダブルウイッシュボーン(プッシュロッド式)
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
ローター径:前400☓38 後380☓38mm
キャリパー:前6 後4シリンダー
タイヤサイズ(リム幅):前255/30ZR20(9J) 後355/25ZR21(13J)
最高速度:350km/h以上
0→100km/h加速:2.8秒
0→200km/h加速:8.6秒
0→300km/h加速:24.0秒
CO2排出量(EU):452g/km
燃料消費量(EU複合):19.6リットル/100km
車両本体価格(予価):5154万8373円(税抜)

【問い合わせ】
https://www.lamborghini.com/jp-en
ランボルギーニ カスタマーセンター TEL 0120-988-889

(GENROQ Web編集部)

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