【チューニング時代を築いた名車たち -1990年代-】280psフラッグシップ車が続々登場! 空前のパワーウォーズに突入【スカイラインGT-R × スープラ】

バブル景気で新型モデルも開発ラッシュ!チューニングシーンはパワーウォーズに突入

SKYLINE GT-R【BNR32】 × SUPRA【JZA80】

チューニングシーンにおいて1990年代というのは、最も輝かしい時代だった。なにしろこの時の日本経済は空前のバブルを迎えていたのだから。自動車産業もオイルショックによる消費者の燃費志向や厳しくなった排ガス規制への対策といった苦難を乗り越え、この好景気を逃すまいと高級車や高性能なスポーツモデルをつぎつぎと送り出した。特にスポーツモデルは各メーカーがしのぎを削り、現代にまで通用するマシンがこの時代に多く生産されている。

当然、各自動車メーカーは自社の技術アピールのため、よりハイパワーなエンジンを開発したが、同時に交通事故の増加により当時の運輸省(後の国土交通省)は出力規制を業界団体に要請。これにより280ps自主規制という奇妙な縛りができたのはご存じの通りだ。なお、最初に280psマシンとして発売されたのはZ32(1989年発売)。

しかし、海外モデルでは300psを有していたため、それを知った国内ユーザーの心情は言わずもがな。その後に発売される280psを謳ったモデルもしかり。そうしたユーザーの不満を燃料にし、チューニングシーンは空前のパワーウォーズに突入して行く。

なにしろ、ほとんどのスポーツカーはもともと高性能なエンジンが自主規制に合わせデチューンされ搭載されているようなものだったため、ちょっとしたチューニングでも瞬く間に性能アップするモデルが多数存在した。

その中でも代表的な車種と言えば、当時の国産スポーツのフラッグシップといえる存在であったBNR32とJZA80だろう。搭載されるRB26や2JZは現在においてもトップクラスの戦闘力を誇り、これらのエンジンチューンで築かれた経験が、今のチューニングシーンの礎となっていることは間違いない。

このパワーチューン全盛の時代、その受け皿となるステージの象徴だったのが最高速。湾岸や東名はもとより各地の高速道路では、若者を中心にスピードへの憧れが加速していった。

ここで紹介する2台はそんな最高速ステージで名を馳せたトップシークレットが手がけたもの。どちらも現役のオーナー車であり、その魅力がまったく衰えていないのはさすがである。

チューニング時代を築いた名車たち -1980年代-

MODEL YEAR 1989〜1994

SKYLINE GT-R【BNR32】

Tuned by トップシークレット

新世代へと受け継がれつつ進化を辿る現在進行形のチューンド32R

このBNR32のオーナーはなんと23歳(取材当時)。車両は93年式ということだから、生まれ年のクルマが愛車ということになる。購入のきっかけは父親の影響で、やはりBNR32を所有していたという。つまり、この年代のクルマも二世代目へと乗り継がれていく時代になったということ、そう思うと感慨深いものがある。

そして、その仕様はと言うと、BNR34のN1タービンを装着し、ニスモのR35用555ccインジェクターをインストール。F-CON Vプロで制御し、ブースト1.1キロで481psを発揮させている。

比較的ライトな仕様かと思いきや、内装はダッシュボードやドアパネルといった一部を除きほぼドンガラ状態。さらにクスコの9点式ロールケージを張り巡らせるなど、本気のサーキット仕様ともいえる出で立ち。しかし、オーナー曰くメインはあくまでストリートとのこと。

また、ブレーキにはBCNR33用ブレンボを移植するなど、新旧のチューニングノウハウが凝縮されているのもこのクルマのおもしろいところだ。

近頃ではコンディションの良い車両も珍しくなってきたBNR32だが、このマシンはエンジンをはじめボディの各所も良好のようだ。エクステリアはノーマル然としているが、ガナドールのエアロミラーやLEDのテールランプなどポイントを抑えたパーツをチョイスしている。

エンジン自体はノーマルだがインジェクターにはR35用を使用するなど、新たな定番ともいえるチューニングの手法が選ばれている。デビュー以来、RB26は様々な手法でチューニングされてきたが、現代においてもまだ進化し続けているという好例だ。

タービンにはBNR34のN1タービンを使用。インジェクターの変更とF-CON Vプロ制御のエアフロレスで481psを発揮。あらためてノーマルエンジンの性能を垣間見ることができる仕様だ。

F-CON Vプロを使用し、エアフロレス化を果たしている。BNR32はエアフロとO²センサーが壊れやすいため、トラブルリスクの少ない圧力センサー化のメリットは大きい。さらにVプロではスロットル補正が充実している点も細やかなセッティングを行うためにも最適だ。

クスコの9点式ロールケージを組み、センターパネルには各種メーターをセットするインテリア。サーキットマシンのような出で立ちだが、オーナーのメインステージはあくまでストリート。これで彼女とデートも行うというのだから恐れ入る。

リヤシートやアンダーカバーも取り払われ、室内はドンカラ状態。これにより大幅な軽量化が果たされていることは間違いない。シートはレカロのTS-Gを装着。シートベルトはサベルトの4点式をセットする。

MODEL YEAR 1993〜2002

SUPRA【JZA80】

Tuned by トップシークレット

3.4L化をはじめ足回り&ブレーキなどフルカスタムの80スープラに死角なし

ヘッドライトの変更など外観の印象を一変させるトップシークレットのオリジナルワイドボディキット「スーパーGフォース」を纏ったJZA80だ。

このエアロはイタリアのナルドリング(高速周回路)攻略をコンセプトに、同社がこれまで培ってきた最高速仕様における空力性能と高速安定性などのエアロテクノロジーを凝縮。いわばJZA80の集大成的な存在として知られる作品だ。

また、このマシンに搭載される2JZはHKSのキットで3.4Lまで排気量がアップされ、タービンにはTO4Zを装備。ブースト1.5キロで最大出力726psを発揮するなど、外見に違わぬ戦闘力を持つ。

サスペンションはアラゴスタベースのトップシークレットオリジナルバージョンをセット。ハイパワーマシンの高速走行でも路面への追従性が確保される。そしてブレーキにはブレンボ製でフロントが8ポット、リヤには4ポットを装備し、最高速仕様で不可欠な制動力強化の対策も施される。

このワイドボディキットはイタリアのナルドで358キロを記録したトップシークレットのゴールドのデモカーにも装着されていたので、ご存じの読者も多いだろう。380キロオーバーを目指し、空力性能とワイド化による高速安定性を狙って開発した渾身の作品だ。

息をのむほどに美しく仕上げられたエンジンルーム。そこに収まるのはHKSのキットで3.4Lまで排気量アップを施された2JZ。制御はF-CON Vプロで行われる。また、インタークーラーやラジエターといった冷却系はトラスト製を装備する。

タービンはHKSのTO4Zを装備し、ブースト圧1.5キロで726psを発揮する。ブーストコントローラーはHKSのEVC6を使用する。また、タービンのハウジング部分には耐熱のメッキ加工を施すなど見た目の美しさにも拘りを見せている。

ハイパワーに対応するためフロントブレーキにはブレンボの8ポット、ローターはRdd製の380mmを装備。それに対してリヤはブレンボ4ポット+Rddの355mmローターを組み合わせる。また、サスペンションはアラゴスタのトップシークレットバージョンを装着する。

助手席のダッシュボードに各種メーターを埋め込むなど、ハイパフォーマンスなチューンドカーらしいインテリア。ドライバーを包み込むように設計されたコクピットは現在のスポーツカーと比べても遜色のないクオリティだ。

トランクルームにはロックフォードのアンプやサブウーファーをカスタムインストールするなどオーディオ環境にも抜かりはない。また、テールランプにはLEDを2重のリング状に配置した製品を装着するなど、マシン性能だけでなく快適性や見た目の美しさもこのマシンの魅力だ。

web option編集部

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