【友池 聡 180SX】自走派という制約の美学! ドリドレ界で個性を放つ自作スペシャル

シンプルな純シャコ仕様の奥に散りばめられた玄人好みの改造

あくまでも走り優先のメイキング

現実的かつシンプルに見えて、じつは凄まじく手の込んだシャコタン対策を施しているのがこの友池180SXだ。

パイプフレームじゃなければサイクルフェンダーでもない。それでも多くのシャコタニストたちが「友池くんはスゴイですよー」と太鼓判を押す理由は、彼のドリフトライフスタイルにあるのだろう。

というのも、友池くんはシャコタン好きでありながらドリコン野郎でもあり、さらには生粋の自走派という両刀使いならぬ3刀使いだったりする。そうした普通に考えたら決して交わることのない3つの要素(ワガママとも言う)をすべて成立させるために、試行錯誤しながら改造を進めているんだ。それもほとんど自分で。

職業はディーラーメカニックだけど、仕事とは関係ない完全な趣味の世界でここまでやるか!?ってかんじ。鈑金屋真っ青の溶接できるFRP職人と言えば良いだろうか。なぜなら、鉄板フェンダー加工はまだしも、FRPルーフを自作してしまうプライベーターなんてそうそういない!

なかでもスゴいのはリヤメンバーの加工。上げ幅はなんと8センチ! もう異常なレベルなんだけど、これを実現するために友池くんはS13のリヤサスまわり一式を別に用意して、メンバーをなんども脱着しながらアームの稼働域や干渉個所を洗い出していったほど。

ちなみにこの180SX、2015年まではホワイト/オレンジのド派手なツートンカラーだったんだけど「もう小僧じゃないし、いつまでもギラギラに目立つってのもねぇ。目立たないようにイメチェンしたんです」と友池くん。決して“地元でK察に整備不良を切られたから”じゃないぞ。

また、話を聞くと彼の走りに対する欲求はかなり強く、本気でD1地方戦に参加することを目論んでいたらしい。日程やら金銭的な事情やらで参戦できなかったけど、たしかにハイパーミーティング2015で行われたドリフト競技で2位に輝いた実力は本物だった。

それだけ走り重視だけど、車高は上げずに…ってのがポリシー。すごく難しいテーマではあるのだけど「おなじ九州の合原さん(九州を代表するシャコタンドリフター)が結果出してますからね〜。言い訳できないです!」とキッパリ。

内装はリヤシートまで付いててエアコンもバリ効き。おもしろそうなドリコンがあれば、どんなに遠くても自走で駆けつけキッチリ走りきって帰ってくる。もちろんこの車高のままで、だ。

インパクト重視ではない。だからと言って生粋の大会派と言うわけでもない。流行にまどわされず、ただ自分が好きなスタイルを求道のごとく貫きつづける…。真のシャコタニストって、友池くんみたいな人のことを言うのかもしれない。

PHOTO:Kiyoshi Nishino

エンジン本体はノーマルのまま東名ポンカム&メタルヘッドガスケットを投入。タイヤハウスは叩きまくって拡大してキレイにならしている。パワステタンク移設などでビジュアルも両立だ。

タービンはウエストゲート式のGT2835だ。インデュース径が 100φとでかいんだけど、それをファンネル仕様にしてるのが男らしい。ECUは純正+F-CON V(銀プロ)によるエアフロレス制御で馬力は推定400psだ。

ラジエターをJZX90用を加工してRマジックの汎用リザーブタンクを使い、エアが抜けやすい&ビジュアルのいいように変更。これにアルファロメオの電動ファンを組み合わせて冷却チューンは抜かりなし。インタークーラーは中置き化している。

撮影日直前にエンジンパーツをマットブラックで塗装。「ノーマルだとみっともないからせめて色だけでも…ってかんじです!」と謙遜する友池くんだけど、めちゃくちゃ引き締まって見える!

S15ダッシュボードを移植してるんだけど、エアコンダクトなどすべて機能させているのは自走派ゆえの改造点と言える。ハンドルはナルディクラシックを愛用。

ドリンクホルダーに電動ファン制御用のビリオンVFC-MAXがピッタリ納められているのもおもしろい。

シートは運転席はブリッドのジータⅡで助手席がブリックス。どちらもレッドで統一している。ロールケージはセーフティ21でサイドバーも装着済みだ。

FRPのトノカバーってアフターで売ってたんだ…と思っちゃうけど、じつはこれ友池くんが純正トノカバーから型を取って自作したスペシャルなのであーる。「リヤガラスだとクラッシュして割れたらステッカーもダメになるので…」とのこと。剥がれたりとか経年劣化もしにくいだろうしナイスアイデアだ。

リヤはオリジンの張り付けフェンダーに汎用バーフェンを追加したオリジナル。ワイド幅は本人も不明。アーチも10センチ近く上がっている。ボディカラーはランボ純正のメタリックホワイトだ。

ボンネットはガレージS製でアウトレットダクト内の網をオレンジに塗ってデコレーション。ボンピンはワイヤ付きのヘアピンタイプを選んでいる。ちなみにルーフは自作のFRP製なんだけど、これは過去にボンネットがバンザイしてルーフがオシャカになったから。ところが苦労して自作したあとにオリジンからFRPルーフが発売されてしまい「オレの苦労は…」とショックを受けたそうな。

ホイールはTE37SLの17&18インチでフロント9.5J+12、リヤ11J+18。「以前11Jのディッシュを履いて走ったことがあるんですけど、ホイールの重さでドリフト中に外に流れていっちゃって。それ以来ホイールは軽さ重視です」とのこと。ホイールロゴを自作でオレンジ仕様にしてるのがオシャレ。

走りを意識したセットアップが随所に目立つ

高調はジールファンクションでスプリングには326パワーのマジバネ(18kg/mm)をセット。ナックルはオリジナルのショートタイプで、最大切れ角時にも抵抗を残した純正に近いアッカーマンアングルとのこと。スタビは装着していない。

フロントメンバーは3回壊した経験から、ボディ取り付け部をスライスして20mm上げ加工。ベースはS14用でこれも自作だ。溶接は仲のいいクルマ屋で200VのTIGを借りてやっている。

ロアアームはS13ベースで60mm延長&角度矯正したスペシャル。タイロッドエンドは「ピロははずれるからボールジョイントがいいんです」との理由からJZX110純正を使っているのもおもしろい。ラック関連はアダプターのみなんだけど、これで逆間接は起きてないから問題ナシ。

サイクルフェンダー化はしない代わりにタイヤハウスはハンマリングしまくってタイヤとの干渉をシャットアウト。キレイにならしているから自然に見える!

マフラーはロードクリアランスの確保を目的とした60φデュアルのサイド出し仕様。このレイアウトだとどうしても排気効率は落ちてしまうけど、直角に曲がる部分にRを付けてなるべく効率を落とさないように配慮。

リヤは車高調が抜けたついでに326パワーのチャクリキダンパーへ変更した。トーコンはマックスの角度補正タイプ。おなじくマックスのアッパーアームは伸ばしまくってキャンバーをネガ1度半まで起こしている。ロアアームおよびナックルは純正だ。ドシャコタンでもトラクションがしっかり掛かるよう考えられている。

スーパーアゲメン仕様と呼ぶにふさわしいリヤメンバー。以前取材したときは自作リジット&補強&上げ加工だったんだけど、そこから大幅に進化。取り付け部を半分にスライスして約6センチの上げ加工を実施したのである!

メンバーの大幅な上げ加工にともないアームと干渉するフレームはすべてカット。ていうかアッパーアーム取り付け部はフレームにめり込んでるじゃないですか…。こんなのはじめて見た!

リヤのタイヤハウス内は推定70mmワイド&90mmアーチ上げフェンダーにあわせて内部もキレイに処理してある。

スペック

エンジン&駆動系:SR20DET改(400ps) GT2835Rタービン、東名ポンカム(IN&EX256度)/メタルヘッドガスケット、ウエストゲート、トラスト旧エキマニ、740ccインジェクター×4、GT-R燃料ポンプ、F-CON V(エアフロレス制御)、JZX90ラジエター、Rマジック汎用リザーバータンク、アルファロメオ用電動ファン、山尾自動車オリジナル60φサイド出しマフラー、ORCシングルプレートクラッチ、クスコLSD(2WAY)、4.3ファイナル 他

フットワーク:F ジールファンクション、326パワー マジバネ(18kg/mm) R 326パワー チャクリキダンパー(12kg/mm)、オリジナルショートナックル、山尾自動車オリジナル60mm延長上げロアアーム、加工テンションロッドブラケット、イケヤフォーミュラ タイロッド/ラックアダプター、フロント&リヤメンバー上げ加工、MAXリヤアッパーアーム/トーロッド、不明トラクションロッド、前後HCR32キャリパー 他

ホイール:ボルクレーシングTE37SL(F 9.5J+12 R11J+18)

タイヤ:ピンソPS-91(F205/40-17 R225/40-18)

エクステリア:後期純正バンパー+リップ/中期純正サイドステップ/リヤサイドプロテクター、オリジンリヤフェンダー改(汎用オバフェン合体)、自作フロントブリスターフェンダー/FRPルーフパネル、ガレージSボンネット 他

インテリア:S15ダッシュボード、ブリッド ジータⅡ&ブリックス、ビリオンVFC-MAX、セーフティ21ロールケージ+サイドバー

web option編集部

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