組み合わせるトランスミッションは、9ATの「9Gトロニック」で、メルセデスAMG向けにチューニングが施されています。
元々、超が付くほどスムーズな電子制御ATが、より素早いシフトダウンを披露してくれるだけでなく、ダウンシフト時のブリッピングも気分を盛り上げてくれます。
AMG 4マチックは「31:69」というリヤ寄りの前後トルク配分により、安定性とハンドリングの良さを兼ね備えています。試乗時はあいにくの雨交じりでしたが、峠道でも高速道路でも不安定な挙動とは皆無でした。さらに、AMGエグゾーストシステムにより、「スポーツ+」モードにするとシフトダウン時や加速時には、勇ましいサウンドが後方から響き渡ります。
標準装備の「AMG RIDE CONTROLスポーツサスペンション」は、ロールを抑制するかなりスポーティなセッティング。試乗車が履いていたのは「コンチスポーツコンタクト5P」の225/40ZR19サイズということもあり、走行モードや路面を問わず、かなり引き締まった乗り味になっています。
スポーツグレードでありながら4WDによる高いスタビリティ、安心感も魅力で、高速道路を中心としたグランドツアラー的なキャラ、ワインディングでは高いボディ剛性感によるスポーツカー顔負けの切れ味を披露するなど、高いトータル性能が際立っています。
(文/写真 塚田勝弘)