快適で広い!乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5【2021年版】

■車体やシートが快適な軽自動車5モデル

今や日本を走るクルマの約4割が軽自動車というご時世。ひと昔前は「狭くて窮屈」とか「乗り心地が悪い」といったイメージも強かったのですが、最近の軽自動車はなかなかどうして、室内が広くて、乗り心地も快適なモデルが数多く登場しています。

ここでは、中でも特に、買い物や通勤などの普段使いから、家族でのドライブでも快適な軽自動車のトップ5を紹介します。

●第1位:ホンダ「N-BOX」

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
ホンダ N-BOX

軽自動車の中でも、特に室内が広々しているといえば、やはり全高が1700mm以上あるスーパーハイトワゴンでしょう。大人4名が乗ってもゆったりと座れる室内スペースと、高い天井により開放感も満点なモデルが目白押しです。

そんなスーパーハイトワゴンの中でも、特に乗り心地がいいのは、ホンダN-BOX。新車販売台数ランキングで、登録車も含む台数が2020年まで4年連続1位、軽自動車では6年連続1位を獲得している、今や日本一売れているクルマです。

N-BOXは、車体に独自の「センタータンクレイアウト」を採用しているのが特徴です。通常は後席や荷室の下にある燃料タンクを前席に配置する特許技術により、長さ‪2240‬~‪2260‬mm×幅‪1350mm×高さ1400‬mmという車内サイズを実現。クラストップレベルの広々とした空間を誇ります。

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
N-BOXの内装(写真は2017年モデル)

背が高いスーパーハイトワゴンは、高速道路のコーナーなどで、車体のロール(傾き)が出やすいのが欠点ですが、N-BOXは比較的ロールが少ないのも魅力です。センタータンクレイアウトの採用で、室内フロア高を低くできるため、車体の低重心化にも貢献し、コーナリング時などでの安定性を高める効果を生んでいるためです。

また、ボディには、高効率フロアフレーム構造や高張力鋼板の適応拡大に加え、新たな接合技術を導入することで、軽量化と高剛性化を両立。ガッシリとしたボディ剛性を持つため、駐車場から車道に出る際の段差やマンホールの凹凸、高速道路の継ぎ目などを乗り越える際にも、ゴツンとした振動などが車内に伝わりにくく、軽自動車とは思えないほどの快適性を実現しています。

特に前席のシートは、ボリュームある背もたれと座面を装備。しかも、体が適度に沈む箇所でしっかりと支えてくれますから、リラックスして乗車することが可能なほか、長距離ドライブでの疲労度の軽減にも繫がっています。

N-BOXが高い人気を誇る理由のひとつは、こうした乗り心地の高さも秘密なんですね。

●第2位:日産「ルークス」/三菱「eKスペース」

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
日産 ルークス
乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
三菱 ekスペース

第2位は、同じく軽スーパーハイトワゴンの日産ルークス」と兄弟車の三菱eKスペース」。やはり広々とした室内が特徴で、特に後席は、室内高1400mmを確保し、小さい子どもが立ったままで着替えができるのも魅力です。

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
日産 ルークスの内装

これら2モデルは、エンジンの骨格を高剛性化したことで、エンジン音の静粛性を向上。加えて、音源となるエンジン周りやドア周りに収音材を効果的に配置することにより、静かな室内空間を実現しています。特に、ファミリーでのドライブなどでは、移動中に室内で会話することも楽しみのひとつ。高い静粛性は乗車中の高い快適性などに繫がります。

また、前席シートに「ゼログラビティシート」を採用しているのも注目点です。中折れ形状の背もたれパッドを内蔵したこのシートは、胸郭と骨盤を積極的に支え、背骨の負担を軽減する優れモノ。これにより、ロングドライブでの疲労軽減に貢献します。

●第3位:ダイハツ「タント」

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
ダイハツ タント

ダイハツが誇る軽スーパーハイトワゴンの「タント」。助手席側にピラーレスの電動スライドドア‪「ミラクルオープンドア」‬を採用したロングセラーモデルも、乗り心地がいい軽自動車のひとつです。

特に、2019年に登場した現行モデルは、ダイハツの新世代プラットフォーム「DNGA」を採用することで、高いボディ剛性を実現。しっかりした足まわりと相まって、路面の凹凸などで振動があまり伝わらず、室内の高い静粛性も確保するなどで、乗り心地のよさはかなりレベルが高いといえるでしょう。

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
ダイハツ タントの内装

また、タントは、シートも秀逸です。‪骨盤、臀部、大腿部の3点からの支持により骨盤を確実にサポートする‬形状を採用。また、‪座面のクッションの硬さを最適化し、長時間座っても疲れないホールド性とフィット感、座り心地を実現‬しています。

特に、後席は、背もたれが後方に傾く角度が絶妙で、よりリラックスした着座姿勢を取ることが可能です。N-BOXなどでも、後席は多少斜めにはなっていますが、タントの傾き角度の方が最適といえ、より後席の快適性に優れています。

●第4位:ホンダ「N-ONE」

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
ホンダ N-ONE

N-BOXの兄弟車で、2020年11月にフルモデルチェンジを受けた軽トールワゴンのホンダN-ONE」は、特に車体の安定性などの点で優れた軽自動車です。

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
N-ONEの内装

N-ONEは、全高1545~1570mm、室内高1195mmですから、軽スーパーハイトワゴンほど天井は高くありません。ですが、N-BOXと同様に、センタータンクレイアウトを採用することで、車体の低重心化を実現。

また、車体のプラットフォームも刷新し、ボディ剛性の向上に寄与するハイテン材を随所に使用して軽量化、高粘度接着材によるボディ接合部の拡大などで高剛性化も図っています。さらに、前後サスペンションには、スタビライザーも装備することで、コーナーを旋回する際の高い安定性にも貢献します。

これらにより、高速道路のコーナーなどでも、N-BOXなどと比べ車体のロールが少なく、安定性と安心感はバツグンです。

また、現行モデルでは、前席にセパレートタイプのシートを採用。適度な硬さを持つシートは疲労度が少なく、背もたれのサイドサポートも体をしっかりホールドしてくれるため、運転中の上体の揺れが少なく、心地よい乗車姿勢を保ってくれます。

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
N-ONEのスポーツグレードRS

余談ですが、N-ONEには、スポーツグレードのRSに6速MTも設定されているため、ワインディングなどで自在な走りを楽しみたいユーザーにも魅力的です。乗り心地だけでなく、走りの楽しさでもピカイチの軽自動車だといえるでしょう。

●第5位:スズキ「ハスラー」

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
スズキ ハスラー

最近人気の軽SUVモデルのスズキハスラー」も、高いボディ剛性などで、乗り心地が満点なクルマです。

2019年に登場した現行モデルでは、軽量と高剛性を両立させた新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用します。これにより、先代モデルと比べ、ホイールベースを35mm延長することで後席乗員の足元空間を確保。前席は左右乗員間の距離を30mm拡大することで、快適かつ広い室内空間を実現します。

また、ボディには、バックドア、センターピラー、サイドドアでそれぞれ「環状骨格構造」を形成。スポット溶接部にスズキ初採用の「構造用接着剤」を施し、部品間のわずかな隙間を埋めることで接合を強化するなど、ボディ全体の剛性を高めています。

乗り心地がバツグンの軽自動車ランキングTOP5
ハスラーの内装

これらにより、運転中の操縦安定性が高く、段差などでの振動が伝わりにくいなどの高い乗り心地も実現します。

加えて、こもり音や雨音を低減する「高減衰マスチックシーラー」なども採用。軽自動車としてはトップレベルの静粛性も誇るため、移動中の会話が弾んだり、音楽などをじっくりと楽しむことも可能です。

ハスラーは、室内の広さこそ、軽スーパーハイトワゴンや軽トールワゴンにはかないませんが、高い剛性の車体により、走りの安定性や振動の少なさなどに関しては、逆に上だといえるでしょう。

コーナリング中のロールも少なく、加減速時やギャップ走行時などに、乗員が体の揺れや振動などを感じにくいため、乗り心地のレベルはかなり高いクルマだといえます。

平塚 直樹

この記事の著者

平塚 直樹 近影

平塚 直樹

自動車系の出版社3社を渡り歩き、流れ流れて今に至る「漂流」系フリーライター。実は、クリッカー運営母体の三栄にも在籍経験があり、10年前のクリッカー「創刊」時は、ちょっとエロい(?)カスタムカー雑誌の編集長をやっておりました。
現在は、WEBメディアをメインに紙媒体を少々、車選びやお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジーなどを中心に執筆しています。元々好きなバイクや最近気になるドローンなどにも進出中!
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