スピード違反とは?最も摘発件数が多い法定速度超過【バイク用語辞典:交通ルール編】

■超過速度によって違反点数と違反金が決まり、一般路で30km/hオーバーすると免許停止

●検挙方法は、パトカーや白バイで捕まえる「追尾式」とレーダーを使った「ネズミ捕り式」の2種

交通違反の中でもっとも検挙件数が多いのはスピード違反で、全体の25~30%を占めます。重大な事故につながる可能性が高いので、一般路で超過速度が30km/h(高速道路は40km/h)を超えると、赤キップが切られ免許停止処分になります。

スピード違反した場合の処分と取締り方法について、解説していきます。

●何キロオーバーで捕まるのか?

速度制限には、標識や道路標示してある都道府県の公安委員会が定める「指定最高速度」と、表示等がない場合の一般路は60km/h、高速道路は100km/hと規定されている「法定最高速度」があります。

これらの制限速度を僅かでも超えると、スピード違反です。ただし検挙するには、さまざまな道路状況や計測誤差などを考慮して、ある程度余裕持たせて取り締まる必要があります。何km/hオーバーだと捕まるのかは、警察が状況をみて判断するので明確な基準はありません。

統計的にみると、超過速度15km/h未満の検挙率は低いと言われています。だからといって、10km/hオーバーで走行しても問題ないと思わないでください。スピード違反には違いありません。

●スピード違反の処分

スピード違反の超過速度によって、違反点数と違反金、青キップか赤キップかが決まります。

スピード違反の違反点数と反則金
スピード違反の違反点数と反則金

違反点数6点未満の軽度の違反については、青色キップが切られて反則金を納付した時点で終了します。赤キップは、反則点数6点以上の重大な違反に対して切られ一発で免許停止になり、それまでの累計点数と合わせて15点に達すると免許取り消しになります。刑事処分になるので、警察の判断だけでなく裁判所に出頭して裁判を受けます。

一般道路のスピード違反のペナルティは、6段階に分けられます。

・15km/h未満:違反点数1点、違反金7000円(原付6000円)

・15km/h以上20km/h未満:違反点数1点、違反金9000円(原付7000円)

・20km/h以上25km/h未満:違反点数2点、違反金1万2000円(原付1万円)

・25km/h以上30km/h未満:違反点数3点、違反金1万5000円(原付1万2000円)

・30km/h以上50km/h未満:違反点数6点、赤キップ(免許停止)で罰金は裁判で決定

・50km/h以上:違反点数12点、赤キップ(免許停止)で罰金は裁判で決定

高速道路では、8段階に分けられます。

・15km/h未満:違反点数1点、違反金7000円

・15km/h以上20km/h未満:違反点数1点、違反金9000円

・20km/h以上25km/h未満:違反点数2点、違反金1万2000円

・25km/h以上30km/h未満:違反点数3点、違反金1万5000円

・30km/h以上35km/h未満:違反点数3点、違反金2万円

・35km/h以上40km/h未満:違反点数3点、違反金3万円

・40km/h以上50km/h未満:違反点数6点、赤キップ(免許停止)で罰金は裁判で決定

・50km/h以上:違反点数12点、赤キップ(免許停止)で罰金は裁判で決定

●スピード違反の取締り方法

スピード違反のバイクを検挙する方法は、「追尾式」と「ネズミ捕り式」の2つの方法が一般的です。「オービス式」では、バイクの取り締まりはできないため対象外です。それぞれの検挙方法を、以下に説明します。

・追尾方式
追尾式は、パトカーまたは白バイが違反車を追尾しながらスピードを測定する方法です。違反車と等間隔・等速度で走行し、パトカーおよび白バイ自身のスピードを計測し、それを違反車の速度とみなして判断します。

・ネズミ捕り方式
警察の取り締まりチームが、特定の道路に速度計測機を設置して、走行するバイクの車速を測定します。一般的には、発射した電波と走行するバイクからの反射波の波長差からバイクの車速を求めるドップラー効果を利用した測定器を使います。

・オービス方式(参考)
オービス方式は、違反車の車速測定とナンバープレートおよび運転者の顔の撮影を同時に行う無人式の自動速度取り締まり機です。しかしバイクは後部にしかナンバープレートがないので取り締まりの対象外です。


何十年もバイクやクルマに乗っていると、1回くらいはスピード違反で捕まったことがあるのではないでしょうか。スピードが速ければ危険が増し、事故を起こす可能性が高まります。法定速度を守って安全運転に努めましょう。

Mr.ソラン

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
続きを見る
閉じる