最後の最後で大逆転! SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと河野駿佑選手が第2戦 富士でGT300初優勝【SUPER GT 2021】

■耐久の富士、S-GTで500kmレースは2年ぶり

「2021 AUTOBACS SUPER GT Round2 たかのこのホテル FUJI GT 500km RACE」の決勝レースが5月4日午後に富士スピードウェイで開催されました。昨年はコロナ禍の影響でレースフォーマットは全て300kmとなっていましたので500kmレースは2年ぶりの長丁場となります。

フォーメーションラップ
フォーメーションラップの様子

●GT300クラスのポールポジションは61号車 SUBARU BRZ R&D SPORT

ポールポジションのSUBARU BRZ R&D SPORT
ポールポジションのSUBARU BRZ R&D SPORT

1周目の第1コーナーであるTGRコーナーをポールポジションのSUBARU BRZ R&D SPORTがホールショット! 2番手には1周目で55号車 ARTA NSX GT3を抜いた60号車 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが浮上。さらに11号車 GAINER TANAX GT-Rと52号車 埼玉トヨペットGB GR Supra GTが僅差で続きます。

3周目にGT500クラスの23号車 MOTUL AUTECH GT-Rが白煙を上げTGRコーナーの立ち上がり付近で停止したことからセーフティカーが導入、6周目にリスタートが切られます。

序盤ということもあって順位に大きな影響が出ることはなく、依然としてSUBARU BRZ R&D SPORTとSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが接近戦のトップ争いをし、その後方ではARTA NSX GT3とGAINER TANAX GT-Rがテール・トゥ・ノーズのドッグファイトを見せていました。

スタート直後のコカ・コーラコーナー
スタート直後のコカ・コーラコーナー

5番手につけていた埼玉トヨペットGB GR Supra GTが24周を終えピットイン。タイヤ無交換で川合孝汰選手にステアリングを託します。GR Supra GT勢やSUBARU、PRIUS、86などGT300勢やマザーシャシー規定のマシンは早めにピットインし、タイヤ無交換作戦を行っていきます。

各チームは30周が近づく頃にピットインを行っていきますが、GT500クラスの32周目に最終パナソニックコーナーの立ち上がりでGT500の38号車 ZENT CERUMO GR Supraのタイヤが外れ、SUPER GTでは決勝レースで初のフルコースイエロー(FCY)が導入されました。

FCY中のピットインは禁じられていますが、ピット出口は開放されており、このタイミングでピットインしていたチームは有利に順位を上げることになりました。

ピットインをする埼玉トヨペットGB GR Supra GT
ピットインをする埼玉トヨペットGB GR Supra GT

各チームが一度目のピットインを終えるとFCY時にピットインしていた10号車 GAINER TANAX with IMPUL GT-Rがピットを終えた組のトップとなります。

しかし無交換作戦の埼玉トヨペットGB GR Supra GTが38周目にこれをかわしてトップに! さらに88 号車 JLOC ランボルギーニ GT3もGAINER TANAX with IMPUL GT-Rを抜きます。序盤トップだったSUBARU BRZ R&D SPORTは1回目のピットアウト後には4番手に、ARTA NSX GT3は5番手となります。

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTとARTA NSX GT3
SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTとARTA NSX GT3

その後方では、序盤2番手をだったSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと56号車 リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rが壮絶バトルを展開し、ここを抜きんでたSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが6番手に浮上していきます。

●まさかのトップ脱落! 壮絶な500kmはダンロップタイヤ装着の1、2フィニッシュ!

63周を終えてトップの埼玉トヨペットGB GR Supra GTがピットインし、また71周を終えARTA NSX GT3もピットへ向かいドライバーチェンジとなります。さらに73周でSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT、SUBARU BRZ R&D SPORTなど上位陣が相次いでピットインしていきます。

ピットインをする埼玉トヨペットGB GR Supra GT
ピットインをする埼玉トヨペットGB GR Supra GT

各チームが2回目のピットインを終えてトップは埼玉トヨペットGB GR Supra GT。2位との差は10秒と大きく、その後方はSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTとSUBARU BRZ R&D SPORTの2台が1秒を切る僅差の戦いで2位争いを展開しています。

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

このまま順位が決まってしまうのではないかと思われた96周目に、埼玉トヨペットGB GR Supra GTがスローダウンでそのままピットイン。埼玉トヨペットGB GR Supra GTはここでレースを終えてしまいます。

そしてこの周にFCYが導入されるとSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTとSUBARU BRZ R&D SPORT、そしてARTA NSX GT3の3台が急接近。SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの河野が、SUBARU BRZ R&D SPORTとARTA NSX GT3を抑え込み、約1秒の中に3台いるという状態でチェッカーフラッグをくぐっていきました。

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
チェッカーを受けるSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは、今季GR Supra GTでの2戦目で勝利を勝ち取ります。吉本大樹選手は2019年第6戦オートポリス以来の8勝目、河野駿佑選手にとってはSUPER GTでの初優勝となりました。

SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT
パルクフェルメのSYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

また開幕戦優勝のリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rはサクセスウェイト60kgながら、健闘して7位となってポイントを獲得しランキング首位を守りました。

GT300暫定表彰式
GT300暫定表彰式

次戦の鈴鹿サーキットはコロナ禍の影響で延期となりましたが、熱い戦いは延期の後も続いていきます。

(写真:吉見 幸夫、松永 和浩/文:松永 和浩

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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