ホンダ・レジェンドのセンシングエリート自動運転レベル3を実体験してみた「渋滞が楽しいなんて人生初!」by清水和夫【SYE_X】

■システムと人間の関係性をどう構築していくのか?

●自動で走るかどうかの単純な話ではなく、この世界の深さにワクワクする!by清水和夫

ホンダ・レジェンド
ホンダ・センシング・エリート搭載のレジェンドを清水和夫が実体験!

日本が世界に先駆け世に放った、自動運転レベル3「ホンダ・センシング・エリート」が搭載されたホンダ・レジェンド。この世界初の技術を国際モータージャーナリスト・清水和夫が実体験!

自動運転に関しては「SIP-adus自動運転実証実験プロジェクト」のメンバーでもあることから、モータージャーナリストの中でもこだわりも知識も造詣も人一倍深い清水さん。そんな清水さんがテストコースではない、一般高速道路で自動運転レベル3を試してみたら…!


●本田技研研究所の中に人に、ホンダ・センシング・エリートについてインタビュー

まずは、車両側の開発責任者である、本田技術研究所 シニアチーフエンジニア・青木仁さんと、エグゼクティブチーフエンジニア・杉本洋一さんから、ホンダ・センシング・エリートが搭載されるレジェンドの車両チェックです。

青木さんと清水さん
本田技術研究所 シニアチーフエンジニア・青木仁さんと、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんによるレジェンドチェック!

「2015モデルでフルモデルチェンジを受けたレジェンドは、2018モデルでボディ剛性を上げ足まわりが動くようにして、重厚感のある上質な乗り味に変えました」(青木さん)。

清水さんはレジェンド自体も「高級グランドツアラー」の完成度の高さがお気に入りです。

各センサー搭載位置
自動運転レベル3を可能とする各センサー類の搭載場所の説明を受ける清水さん。

各センサー・レーダー・ライダーが搭載されている位置や、システムの作動メカニズムなどの説明を受ける清水さん。

「条件付きではあるものの、この自動運転レベル3のセンシング・エリートは、法律の改正、技術も含めてまぎれもなく世界初! 日本が先陣を切ったということで、記念すべきクルマですね」(清水)。

●人間とシステムが会話をするような、そんな自動運転の世界とは?

実走のその前に、本田技研研究所 先進技術研究所・石坂賢太郎さんから、人間とシステムの関係性について興味深いお話を伺う清水和夫さん。

石坂さんと清水さん
本田技研研究所 先進技術研究所・石坂賢太郎さんから、人間とシステムであるAIについて興味深いお話を伺いました。

人間には感情があり、システムには怖いとか楽しいとかの感情は無い。しかし、将来的にAIってどうなるのか? AIに感情を入れることは可能なのか? 映画の中に出てきそうな、人間とシステムであるAIが会話し、クルマを自動で走らせる…そんな『リアルナイトライダー』みたいな時代が来たらワクワクしますね!

●いよいよ実走!「渋滞が待ち遠しいなんて人生初!」by清水和夫

ハンズオフ+アイズオフ
30km/h以下でセットが可能となるレベル3では、ハンズオフにプラス、アイズオフも可能。ナビ画面を見てもOKだけど、センシング・エリートではスマホ操作は推奨しません。その意味は動画で!

30km/h以下の渋滞になったらセットができるセンシング・エリートを実体験するために、渋滞しそうな高速道路を走行中の清水さん。宇宙一のせっかちさんでもある清水さんは渋滞なんか大嫌い! なのに「渋滞にならないかな…やった~! 30km/h以下になった!!」なんて言葉、聞いたこともないし「渋滞が楽しみなのは人生初!」(清水)。

さらに磨かれた運転支援レベル2
運転支援レベル2では、自動で車線変更もしてくれます。こんな時…左側の合流車線から来るトラック…私だったら右車線に移ってトラックが本線に合流しやすいようにするけど、センシング・エリートはどう判断するのかな?

自動運転レベル3になる前の運転支援状態のレベル2でのシステム、いよいよハンズオフ+アイズオフが可能となるレベル3を、清水さんはどう感じたのでしょうか? またメルセデス・ベンツやBMWとの考え方の違いなどは動画で!

清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの

レジェンドの主なスペック
本田・センシング・エリートを搭載するレジェンドの主なスペック。

■SPECIFICATIONS
ホンダ レジェンド Hybrid EX・Honda SENSING Elite
型式:6AA-KC2
全長×全幅×全高mm:5030×1890×1480
ホイールベース mm:2850
トレッド F/R mm:1630/1630
最低地上高 mm:145
車両重量 kg:2030
客室内寸法 長さ×幅×高さ mm:2080×1540×1155
エンジン:JNB 水冷V型6気筒横置 SOHC
排気量 cc:3471
内径×行程 mm:89.0×93.0
圧縮比:11.5
電動機(モーター) 型式:H2-H3-H3 交流同期電動機
エンジン最高出力kW (ps)/rpm:231(314)/6500
エンジン最大トルク N・m (kgf・m)/rpm:371(37.8)/4700
電動機(モーター)最高出力 前(H2)/後(H3) kW (ps)/rpm:35(48)/3000/27(37)/4000(1基当たり)
電動機(モーター)最大トルク 前(H2)/後(H3) N・m (kgf・m)/rpm:35(48)/3000/27(37)/4000(1基当たり)
燃料消費率 WLTCモードkm/L:12.4
主要燃料向上対策:ハイブリッドシステム/直噴エンジン/可変バルブタイミング/可変シリンダーシステム/アイドリングストップ/電動パワーステアリング
最小半径 m:6.0
動力用主電池:リチウムイオン電池/72個
駆動方式:4WD(SPORT HYBRID SH-AWD)
トランスミッション:7速オートマチック+パドルシフト
ステアリング装置形式:ラック&ピニオン式(電動パワーステアリング仕様)
サスペンション 前/後:ダブルウイッシュボーン/ウィッシュボーン
スタビライザー 前/後共:トーションバー
ブレーキ 前/後:油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク
タイヤサイズ 前/後共:245/40R19 94Y
車両本体価格(税込):11,000,000円

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【関連リンク】

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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