汗まみれのヤングパワーが往年の日産名車を令和にリボーンした日産京都自動車大学校【東京オートサロン2021】

■当時物パーツ多用し再現性にこだわったキメラ仕様「ラコスカ」

自動車整備専門学校にとって、東京オートサロンは在校生を鍛える場でもあります。他校とカブらないよう趣向を凝らしたコンセプトを頭をひねって考え、会期に合わせ車両を作り込んでいく。未経験の生徒が、企画立案から製作・出展まで数ヵ月でこなしていくのですから、さすがは若いエネルギーです。

日産京都自動車大学校は、学校名に準じて日産車をベースにしたカスタマイズを2パターンを提案、オートサロンTV撮影に登場しました。

違和感なく仕上げるのには高い溶接技が必要だった
違和感なく仕上げるのには高い溶接技が必要だった

ひとつは「ラコスカ」。日産ラシーンをベースとしたハコスカの再現です。偶然というか横方向の寸法を大きくいじることがなかったせいもあり、無理矢理感のないフェイスを構成することができました。

アングルによっては、まるでハコスカ
アングルによっては、まるでハコスカ

醸し出されるリアル感の秘密は、サーフィンラインやオーバーフェンダーなど純正のラインをできるかぎり残していること。ちなみにフェンダーミラーやアウタードアハンドルもハコスカ用純正パーツです。

テールランプもハコスカ純正
テールランプもハコスカ純正
切り絵で柄を作りペイントした「沙羅双樹」
切り絵で柄を作りペイントした「沙羅双樹」

忠実に再現するだけでなく、京都らしさを感じてほしいということで、ボンネット裏には「沙羅双樹」の和柄を切り絵で表現しています。

■「Kustom sunny truk」おんぼろトラックが鑑賞に耐える車両へと蘇生

そしてもう1台は「Kustom sunny truk」。土に還る寸前のサニートラックをわずか2ヵ月半でここまで再生させてきました。

現場主導のワンオフ作業をやり遂げた
現場主導の手作業をやり遂げ完成した

ハイライトはスケルトンのボンネットフード。純正を型取りしエポキシ樹脂を積層させ作ったそうです。手磨きでぴかぴかにされたヘッドと、タックドベイ化された魅せるエンジンルームにしばし目が釘付けです。トノカバーもファイバーでワンオフ製作しています。

チンスポ、オバフェンもワンオフ製作
チンスポ、オバフェンもワンオフ製作

最新モードでリボーンした2台の日産車は卒業製作という枠におさまらず、チームが団結し実際に手を動かしてモノを作るという、創作の原点を教えてくれた2台になりました。

畑澤 清志

【車輌データ】

出展者名:学校法人日産学園 日産愛知自動車大学校・日産京都自動車大学校

出展車両名: /Kustom sunny truk

ベース車両:/日産サニートラック/装着パーツなど:ワイヤータック、ポリッシュ仕上げエンジン、車体レストア、オリジナルFスポイラー製作、サイクルフェンダー、クリヤーボンネット、トノカバー、カスタムペイント(クリスタル塗装)、ドアインナーカバーポリッシュ仕上げ、ダッシュボード、カスタムローダウンサス/ホイール:フォーカスレーシング FIVE/ホイールサイズ:14×8J -13タイヤ:DUNLOP/タイヤサイズ:175/60R14

出展車両名:ラコスカ

ベース車両:日産ラシーン/装着パーツなど:M.speed(パーツアシスト)、ラルグスSpec Sサスペンション/ホイール:ワタナベ タイプB/ホイールサイズ:14×7.5J/タイヤ:ミシュランCROSSCLIMATE SERIES/タイヤサイズ:185/65R14