プジョー308のモデルチェンジで2種類のプラグインハイブリッドが登場【週刊クルマのミライ】

■新型308にはHYBRID225、HYBRID180という最高出力が異なる2つのPHVを用意

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HYBRID 225 e-EAT8/FF/8速オートマトランスミッションe-EAT8と組み合わされた180馬力(132kW)PureTechエンジンと81kWの電気モーター/CO2排出量26g/km、フル充電状態でのEV走行航続距離59km

プジョーの中心的モデルといえるCセグメントのハッチバック「308」がフルモデルチェンジを発表しました。

プジョーの新しいエンブレムをまとった最初のモデルとなった308は、いまどきのフルモデルチェンジらしく全長は旧型から11cm長い436cm、ホイールベースも5.5cm伸ばした267.5cmとなるなど居住性を向上させています。それでいて、全高は2cm低い144cmとスタイリッシュに変身しています。

先進運転支援システムも最新のCセグメントにふさわしい進化を遂げています。

特徴的なのは70km/hから180km/hまでの範囲で作動する「セミオートマチックレーンチェンジ」やカーブの曲率に応じて速度を最適化する「コーナー速度調整」といった機能を採用していること。

斜め後方の死角をカバーするブラインドスポットモニターは75mまで対応するロングレンジタイプになっています。もちろんACCは渋滞に対応するタイプ、歩行者やサイクリストを検知できるAEBは7km/hから140km/hまで幅広い速度域で対応するなど着々と自動運転時代に向けて機能進化しています。

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純粋なエンジン車としては1.2Lガソリン3気筒と1.5Lディーゼル4気筒を用意する

さて、ロングノーズを強調した新型308のエンジンフードの下に収まるパワートレインは、大きく3種類あります。

PureTechと呼ばれるガソリンエンジンは1.2L 3気筒(最高出力110~130馬力)、BlueHdiディーゼルは1.5L 4気筒(最高出力130馬力)となっていますが、注目は新設定されるプラグインハイブリッドでしょう。

いまや欧州で販売されている新車の20~25%はプラグイン(外部充電)車になっているということですから、コストパフォーマンスに有利なプラグイン車であるプラグインハイブリッドが設定されること自体は自然なことといえますが、新型308で注目したいのはプラグインハイブリッドが2グレード存在していることです。

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充電時間の目安は次のように発表されている。32Aで7.4kWウォールボックスから車載充電器で1時間55分でフル充電。16Aで3.7 kW車載充電器で3時間50分でフル充電。8Aで3.7kW車載充電器で7時間05分でフル充電

新型308にはHYBRID 225とHYBRID 180という2つのプラグインハイブリッドがあります。1.6Lガソリンエンジンと最高出力81kWのモーター内蔵8速ATの組み合わせによるパワートレイン、12.4kWhのリチウムイオンバッテリーというパッケージのプラグインハイブリッドシステムという基本は共通ですが、HYBRID 225はガソリンエンジンの最高出力が132kW(180馬力)となり、HYBRID 180はエンジンの最高出力が110kW(150馬力)となっているのが違い。

このエンジンの違いによりエンジンとモーターを組み合わせた最高出力は、HYBRID 225が162kW(225馬力)、HYBRID 180は132kW(180馬力)となっています。そうですグレード名はシステム最高出力に由来しているのでした。ちなみに、システム最大トルクはいずれも360Nmとなっています。

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HYBRID 180 e-EAT8 /FF/8速オートマトランスミッションe-EAT8と組み合わされた150馬力(110kW)PureTechエンジンと81kWの電気モーター/CO2排出量25g/km、フル充電状態でのEV走行航続距離60 km

こうした違いが仕向地に合わせた仕様なのか、パフォーマンス系プラグインハイブリッドとエコロジー系プラグインハイブリッドと2本立てにして選択肢を増やす事が狙いなのか、プジョーは公式にはアナウンスしていません。しかし、こうして選択肢が示されたということで、ユーザーはプラグインハイブリッドについて単なるエコカーとは違うスタンスで向きあう必要が出てきたといえるかもしれません。

日本導入時期もグレードも未定という新型308、2種類のプラグインハイブリッドが日本に上陸するという保証もありませんが、いずれにしてもエンジン車よりもパフォーマンスのスペックが上回るプラグインハイブリッドの走りは、どのような味つけになっているのでしょうか。気になるニューモデルの登場です。

(自動車コラムニスト・山本晋也)

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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