2025年以降、全モデルをEV化する「ジャガー」「ランドローバー」は今後5年間で6タイプのピュアEVを投入

■FCVの開発もスタート!?

ジャガー・ランドローバーは、2021年2月15日、本国の英国において新グローバル戦略 「Reimagine」を発表しました。

ジャガーは、ピュアEVのラグジュアリー・ブランドとして再生し、ランドローバーは今後5年間で6種類のピュアEVを投入予定としています。世界各国や地域での電動化の流れに沿うもので、コロナ禍もあって世界販売での苦戦が伝えられるブランドを、電動化で再生できるかが将来の生き残りを左右しそうです。

ジャガー・ランドローバー
「Reimagine」戦略を発表したジャガー・ランドローバー

「Reimagine」戦略の中核を担うのは、ジャガーとランドローバーの両ブランドの電動化。独自の個性を明確に持った別々のアーキテクチャーを採用するとしています。

ジャガー・ランドローバーは、2030年までにそれぞれのブランドでピュアEVを投入し、ジャガーでは100%、ランドローバーでは約60%がピュアEVになるそう。

「ランドローバー」では、クルマとドライバーはアドベンチャー(冒険)により結びつくと考えていて、新境地を切り開いて新たな挑戦に立ち向かい、ブランドスローガンである「ABOVE & BEYOND(さらなる高み)」を目指す人々をサポートするとしています。

「RANGE ROVER(レンジローバー)」「DISCOVERY(ディスカバリー)」「DEFENDER(ディフェンダー)」の3つのファミリーを通じて、ラグジュアリーSUVで世界をリードし続けるために、今後5年間で6タイプのピュアEV(バッテリーEV)を導入するそう。ランドローバー初となるピュアEVモデルは2024年に投入する予定としています。

ジャガー・ランドローバー
ルノーから移籍してきたジャガー・ランドローバーのティエリー・ボロレCEO。2020年9月に就任している

「ジャガー」は、2020年代半ばまでにブランドの再生を図るとアナウンスしています。

感性に訴えかけるデザインと、次世代を切り拓く技術を備え、ピュアEVのラグジュアリー・ブランドに変身。ジャガーは、ユーザーのジャガーに対する期待に応え、同ブランドでしか味わえない感覚をもたらす体験を作り出すことで、人々の生活や日常を特別なものにする存在になると宣言。

なお、最上級モデルである「XJ」という車名は存続する可能性はあるそうですが、今後発売するべく開発が推進されていた「XJ」の後継モデルは、ラインアップには含まれないそう。

ジャガー・ランドローバー
ピュアEVだけでなく、プロトタイプということは、FCVも含めた水素利用の推進も図るようだ

今後のジャガー・ブランドは、独自の方向性を追求していくとしています。ジャガー・ランドローバーの目標は、2039年までにサプライチェーン、製品、オペレーションのすべてにおいて排出ガス量を実質ゼロにすること。

その一環として、水素経済の成熟に伴い、クリーンな燃料電池の準備も進めています。長期的な投資プログラムとして行われていて、開発はすでに進行中で、今後1年以内にプロトタイプが英国に到着する見込み。

ジャガー・ランドローバーは、年間約25億ポンドの投資をコミットしていて、この中には、電動化テクノロジーやコネクテッドサービスの開発も含まれているそうです。日本にもジャガー、ランドローバーの根強いファンが多くいます。両ブランドに限りませんが、ピュアEV化されてもブランドらしい魅力が維持、さらに向上するのか注目です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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