マルシェのWRXは鈴鹿2分17秒9、最高速284.51km/hのパフォーマンスでも乗りやすい【東京オートサロン2021】

■マルシェ WRX STI【カーステーション マルシェ】

カーステーションマルシェは、全日本ラリー選手権でも活躍した石田正史氏が代表を務めるショップ。モータースポーツから得たノウハウを生かしたクルマ作りで知られています。

今回出展したモデルはスバルWRX STIをベースとしてチューニングを施したモデルで、吉田広樹選手のドライブによって鈴鹿サーキットでは2分17秒9のラップタイムを記録、昨年のOPTION誌最高速テストでは284.51km/hを記録したハイパワーモデルですが、基本は街乗りでも乗りやすく、長距離移動を楽々とできる、つまりサーキットに自走でいけるということを念頭に作られています。

マルシェWRX STI
ボンネットを始めエアロパーツはVARISを採用
マルシェWRX STI ウイング
エクステリアで目立つのはやっぱりGTウイング

エンジンはクランクシャフト、ピストン、コンロッドといったパーツをHKS製に変更、マルシェ社内で組み上げられています。

タービンはTD06SH-20RX、マフラーはHKSスーパーターボマフラー4本出しで、制御はマルシェでセッティングしたECUを使っています。TD06SH-20RXはVABに合わされた専用品で、トラストより近日発売予定とのことです。

エンジンのスペックは実測で、最高出力504ps/6150rpm・最大トルク65.0kgm/4310rpmとなっています。

マルシェWRX STI エンジン
美しくパイピングされたエンジンルーム。タービンは名機といわれるTD06SH

車高調はエンドレスのファンクション.comをマルシェオリジナルスペックにして採用。バネレートはフロント/リヤともに14kg/mmとなります。アタック時のホイールはレイズのボルクレーシングZE40の10Jとのことですが、オートサロンTV出展時はボルクレーシングG025の9.5Jが装着されています。

ブレーキはローターをエンドレス製のフロント355φ、リヤ332φに変更、キャリパー&パッドもエンドレス製を使います。LSDはクスコ製でフロントがMZの1ウェイ、リヤがMZの1.5ウェイを採用しています。ボディはマルシェオリジナルの人気補強パーツの「すじがねくん」や「合体くん」を装着しています。また、クルマに貯まった静電気を放電させることで、乗り心地などを向上する「放電くん」も装備されています。

マルシェWRX STI 放電くん
ストラットアッパーまわりに装着されるローレット加工されたパーツが「放電くん」
マルシェWRX STI ホイール
アタック時よりも0.5インチ幅が狭いホイールを装着していた

LSDやサスペンションのセッティングは同社代表の石田正史氏がこだわりを持って行ったとのこと。その実力は鈴鹿のタイムや最高速チャレンジの結果に表れているのは明白です。

マルシェWRX STIリヤスタイル
マルシェWRX STIのリヤスタイル
マルシェWRX STIフロントスタイル
マルシェWRX STIのフロントスタイル


●カーステーション マルシェ/マルシェWRX STI/ベース車両メーカー(スバル・WRX STI)/装着パーツなど:HKSキャパシティアップグレードキット(ピストン、コンロッド、クランクシャフト、トラストTD06SH-20RX)、クラッチ(EXEDYコンペRツイン)、LSD(クスコ、フロント・リヤ共)、エアロパーツ(VARISエアロボンネット、フロントリップ、フロントフェンダー、サイドスカート、リヤディフューザー)、メーター(VISUAL GOAL VEGASPORT)、車高調(ENDLESS Function.comマルシェ仕様、ENDLESS X-Coils Plus)、ブレーキ(ENDLESS Racing MONO6&4r)、ホイール(レイズ・ボルクレーシングG025)、タイヤ(DIREZZA 94R、255/40R18)

(文/写真・諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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